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佐藤 孝之 院長、佐藤 良子 副院長の独自取材記事

佐藤内科

(桑名市/桑名駅)

最終更新日:2025/08/29

佐藤孝之院長、佐藤良子副院長 佐藤内科 main

緑の木々や季節の花々にあふれるアプローチを通り、南欧風の建物に入ると、広々とした明るい待合室に絵画が飾られている。「佐藤内科」はそんなやわらかな空気の中で患者を迎えるクリニックだ。佐藤孝之院長と佐藤良子(よしこ)副院長はともに日本内科学会総合内科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医、呼吸器内科の医師で、30年以上の診療経験を持つ。膠原病は全身のさまざまな部位に症状が出るため診断が難しいとされるが、患者にじっくり話を聞き、心も含め総合的に診ることで適切な診断につなげている。「診断がつかず病院を転々とする前に来てもらえたら」「気軽な相談先として利用してほしいです」と穏やかな口調の両先生。どんな病状でも対応しようと努める2人に話を聞いた。

(取材日2019年4月17日/情報更新日2025年8月22日)

内科全般とともに膠原病、リウマチを専門に診る

まず開業の経緯について教えてください。

佐藤孝之院長、佐藤良子副院長 佐藤内科1

【佐藤院長】私は開業前は桑名市民病院で内科部長を務めていたのですが、年を重ねると会議も増えて、患者さんと長く接することが難しくなります。私は内科全般と、膠原病、リウマチをメインに診ていましたが、膠原病については当時、専門の開業医が少なく患者さんの行き場がないという状況でしたので、自分が開業して受け皿になろうという思いもありました。患者さんは市内外の広範囲にわたっていらっしゃるので、利便性を考えて幹線道路が近いこの場所に2006年に開業しました。2017年に、四日市羽津医療センターで勤務していた妻が副院長として加わりました。

明るくすてきな雰囲気のクリニックですね。

【佐藤院長】患者さんが明るい気持ちになれる空間づくりを心がけています。同時に、患者さんとの信頼関係を重視し、治療中の困り事などを相談しやすいようスタッフ一同で取り組んでいます。こまやかに配慮できるように受付は経験豊富な事務が担当しており、看護師もリウマチに精通した3人が中心となって専門的な内容にも対応しています。私たち医師も、一つの病気だけでなく全身に気を配ること、また病気だけでなく個人を診ることを心がけています。違う病気に気づくことがあれば、他科の先生方と連携を取りながら診療していきます。ただ、患者さんにしっかり話を聞くようにしているため、診療時間が長くなってしまうことがあるのは難点ですね。

お二人とも日本内科学会総合内科専門医であり、日本リウマチ学会リウマチ専門医でもいらっしゃいますね。

佐藤孝之院長、佐藤良子副院長 佐藤内科2

【佐藤院長】はい、35年前に医局に入って以来ずっと膠原病に関わっています。膠原病の代表的なものがリウマチですね。当時も専門家が少なく診断が難しい病気を対象とすることにやりがいを感じましたね。
【良子副院長】当時、リウマチは治らない病気とされていて、関節破壊のために、患者さんはつらい思いをされていました。しかし、ここ十数年で良い薬ができて治療の選択肢が広がり、痛みも関節破壊も十分コントロールされ、回復に向かう方も増えました。無事、妊娠、出産をされる方もいて、それは本当にうれしいですね。

全身を診る治療を行い、話を聞いて精神的にも寄り添う

膠原病はリウマチの他、いろいろな症状があるそうですが、どのような病気なのでしょうか?

佐藤孝之院長、佐藤良子副院長 佐藤内科3

【佐藤院長】膠原病は自己免疫異常が原因で、皮膚、関節、血管を中心に炎症が起こる病気です。その影響で全身に病変が起こり得るとされ、例えば関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、強皮症が挙げられます。熱が続く、関節が痛む、皮膚が赤くなる、手指が冷えるなど、症状もさまざまです。中でも患者数が多い関節リウマチは、関節に炎症が起き、痛みや腫れを伴います。肺疾患や甲状腺疾患の合併も多く、全身疾患といえるでしょう。関節の変形が進むと生活に支障を来すため、リウマチ専門医による早期の診断・治療が肝要です。関節リウマチは女性に多い疾患ですが、最近は高齢発症が増加し男性患者も増えています。

現状、どれぐらいの方が通ってこられているのですか?

【佐藤院長】内科全般を診ていますので生活習慣病などの方も来られていますが、膠原病、関節リウマチに関しては女性の割合が高いです。そして、当院では関節リウマチの患者さんは現在約1200人ぐらいで、他院からの紹介やクチコミも増えていますね。その中で、一般的な薬物治療から移行して生物学的製剤やJAK(ジャック)阻害剤など免疫関係の薬を使っている方は300人ほどです。これは開業医としては非常に多いと思います。

どのように診断・治療されていくのでしょうか。

佐藤孝之院長、佐藤良子副院長 佐藤内科4

【佐藤院長】関節リウマチはまず血液検査で自己抗体などを検査します。次にエックス線検査で骨びらんや関節変形の有無を確認し、その後関節エコーで炎症の有無を調べます。血液検査はリウマチなのに陰性になる確率も低くなく、関節エコーで診断につながることがあるのです。治療は痛みの軽減、関節変形の予防、支障のない生活を目標にしますが、免疫抑制薬が中心なので肺炎などの感染症には注意が必要。当院では歯科や予防接種の受診指導に加え、定期検査を通じ合併症の早期診断に努めます。患者さんは年齢、持病、仕事、金銭面など背景もさまざま。重症度や合併症も違うので、話し合って治療を選択します。生物学的製剤の点滴も対応可能ですよ。

情報を取捨選択し、病気を理解することが大事

こちらにはリウマチケア専門の看護師もいらっしゃるそうですね。

佐藤孝之院長、佐藤良子副院長 佐藤内科5

【良子副院長】はい、医師の診療時間は限られてしまうのですが、その分看護師がお話ししたり、注意点をお伝えしたりしています。患者さんも、医師より看護師のほうが話しやすい事柄もありますよね。今では看護師7人のうち5人がリウマチ専門の看護師です。こちらからは何も言っていないのですが、みんな進んで勉強してくれました。事務スタッフも長く勤めてくれている人が多く、患者さんがいつもと違った様子であればすぐに教えてくれます。また、新しく診療放射線技師も入りました。スタッフの存在は本当に大きく、助けられていますね。

これまでを振り返って、思われることや心に残っていることは?

【佐藤院長】昔、虎ノ門病院のある先生に、「医師にとって知識は良心だ」と言われました。つまり、勉強を続けて知識を取り入れていくことが患者さんへの良心となるわけですね。それは常に念頭に置いています。また研修医時代に初めて担当した強皮症の患者さんも印象深く、毎日いろいろお話ししたことが心に残っています。医師になる初めの時期に、良い経験をさせていただきました。
【良子副院長】膠原病については教科書よりも、実際に患者さんに教えていただいたことのほうが非常に大きいです。多くの方を診てきた経験が今とても生かされています。院長と私は同級生なんですが、一緒に働いていたとき、彼の患者さんに対する姿勢に好感を持ちました。ベッド脇に座って患者さんに目線を合わせてお話を聞くんです。いいなと思いました(笑)。

読者へのメッセージをいただけますか?

佐藤孝之院長、佐藤良子副院長 佐藤内科6

【良子副院長】関節の痛みが続く場合はぜひ受診してください。長年五十肩で困っている、膝関節痛が良くならない、腱鞘炎だと思っていたという方が、実は関節リウマチだったケースもあります。逆に、手にこわばりがある、健診でリウマチ因子が陽性だったと悩んで相談に来る方もいますが、半数以上はリウマチではありません。安心のためにも、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
【佐藤院長】最近は治療が進歩し、リウマチや膠原病のコントロールを図れるようになってきています。もし診断されたとしても、当院では患者さんの将来の選択の幅を狭めず、人生を楽しんでいただけるよう尽力しますので、頼っていただければと思います。

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