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西山 潔 院長の独自取材記事

西山歯科医院

(横浜市神奈川区/大口駅)

最終更新日:2019/08/28

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1925年の開院以来、親子3代にわたって町のかかりつけ医として地元の人々の信頼を集めてきた「西山歯科医院」。明るく清潔な院内は、患者が持ってきてくれたという花や作品が並び、休診日にも関わらず患者が顔を出すなど、町の人々から愛されている診療所だということがそこかしこから伝わってくる。神奈川区歯科医師会の会長も務める3代目院長の西山潔先生は、温かく包み込むような「笑顔」と歯科の総合医として「確かな診断」に定評のある歯科医師だ。患者の高齢化に伴い訪問診療にも力を入れ、歯科医師会として他部署との連携を深めて地域全体の医療の底上げに尽力している。祖父の代から受け継いだ地域への思いとともに、大好きだというロックバンドのこと、地域医療への取り組みなどたっぷりと話を聞いた。
(取材日2015年12月17日)

歴史ある歯科医院の3代目院長として、自分を育ててくれた町に恩返しを

大正時代から続くこの辺りで一番古い歯科医院だと伺いました。

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明治33年生まれの祖父が大正14年(1925年)、今から90年前に子安駅の近くに開院したのが始まりです。東京と横浜を結ぶ国道の整備とともに開院したこともあって、歯の治療に悩む多くの地元の方たちから「町の歯医者さん」として歓迎されたと聞いています。その後、昭和11年に大口のこの場所に移転し、平成元年に今の建物になりました。私と父、祖父の3人で一緒にこの診察室で診療できたことは今でもいい思い出です。親子3代が現役の歯科医師(歯科医師会会員)というのはかなり珍しいことだったらしく、県の歯科医師会から表彰もされました。「地元の人を大切にしなさい」という祖父の言葉は、今でも深く心に残っています。

まさにこの町の歴史とともに歩んでこられた歯科医院なのですね。

昭和40年代頃は高い建物こそなかったけれど、大口商店街がとてもにぎわっていて、休日などは今の原宿並みの人混みでまともに歩けないくらいでした。患者さんも私にとっては地元のおじさん、おばさん、幼馴染の友人とその家族など、父や祖父の代からの知り合いの方がほとんどです。皆さん、高齢になった祖父を「大先生、大先生」と慕ってくれて、顔を見るだけでも安心するとよく会いに来てくれました。この50年で街並みはだいぶかわりましたが、ここに住む人たちのどこか下町的な温かい人情はまったく変わりませんね。ここで生まれ育った私にとっては、町を歩いているだけで「先生、近いうちにまた行くからね!」なんて声をかけていただけることがなによりうれしいです。

代々続く歯科医院の跡継ぎとしてのプレッシャーなどを感じたことはありませんでしたか。

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祖父や父から家を継げと言われたことは一度もありません。ただ、物心ついた時から、休日でも夜中でも「先生、痛いからなんとかして!」と駆け込んで来た患者さんを、嫌な顔一つせず当たり前のように治療して、痛みのとれた患者さんが「ありがとうございました」とニコニコお礼を言って帰って行く様子を見て育ったので、自然と自分もこんな風に人助けして感謝される歯科医師になりたいなと思うようになっていました。周りは当然私が後を継ぐと思っていたようですが、そんな周囲の期待にプレッシャーを感じたことはなく、むしろそれが励みになったくらいです。当院では一応予約制の形をとっていますが、患者さんが来られればお断りすることなく普通に診ています。断る理由もありませんし、そうしてこそ地域に根ざした町のかかりつけ医だと思うからです。自分を育ててくれたこの町に歯科医療を通じて恩返しをしたいという思いは歯科医師になってからもずっと変わることはありません。

名医である前に、よき“かかりつけ医”として役立ちたい

先生の専門分野について教えてください。

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大学を卒業後、2年間大学病院に勤務しながら総合歯科を学びました。総合歯科とは、虫歯や歯周病、歯並び、噛み合わせ、顎関節症、口腔機能管理など歯や顎に関することを幅広く診ながら総合的に診断していくものです。父や祖父の後を継いで町のかかりつけ医としてやっていくためには、何よりもまず「診断力」が大切だと思ったからです。めざすは一通りのことはなんでも診れて、的確な診断ができ、必要に応じて最適な専門機関を紹介することができるお口の総合医。おかげさまで親子3代にわたって通ってくださる患者さんも多く、長いお付き合いをさせていただいています。ただ、全体的に患者さんの高齢化が進み、今は訪問診療にも力を入れています。昔は欠けた入れ歯を治してほしいというような単純な治療が多かったのですが、今は自歯が残る方が多いので治療も複雑化している傾向があります。

90年続く歴史ある診療所の3代目としての思いをお聞かせください、

ここ数年の高齢化によって寝たきりになってしまったり、膝や腰の痛みや認知症などの理由で治療に通いたくても通えず困っている患者さんが増えてきています。そこでポータブル式の診療道具一式を常備して必要があればさっと訪問できる体制を整えました。介護が必要になった時に口や歯のことはどうしても二の次にされてしまいがちですが、当院の患者さんは長いお付き合いのある方ばかりなので、入院した、具合が悪くて起きられないといったことも自然に耳に入ってきます。私にとって治療するということは、小さい頃から関わってきた患者さんとともに成長することであり、お口の中だけでなく、その方の家庭環境や時代的背景を踏まえながら診ていくことです。長年積み重ねてきた信頼という土台のありがたさを感じるとともに、名医である前にこの町の良きかかりつけ医でありたいと心から思っています。何かお困りのことがあったら、どうぞお気軽に声をおかけください。

2013年より神奈川区歯科医師会の会長としてもご活躍だそうですね。

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それまでは個人で訪問診療に力を入れてきましたが、診療所に通いたくても通えずに困っている方が大勢いらっしゃることに歯科医師会としてもなんとかしなければと、地域全体で訪問診療を支える仕組み作りに取りかかっています。幸い神奈川区はみんなで地域の健康を守っていこうという空気があり、医師会との連携もとりやすい恵まれた環境にあります。高齢者にとって口腔ケアや歯科治療は命に直結する大切な問題ですが、糖尿病と誤嚥(ごえん)性肺炎など全身疾患と歯科治療が大きく関わっていることは、残念ながらまだ十分に理解されていません。パンフレットを作ったり、自ら相談窓口になったりして啓蒙活動を続けながら、これからも町の医師と歯科医師が中心となって神奈川区の高齢化を支える仕組みづくりを進めていきたいと思います。

地域の一員として支え合い、助け合いながら線引きのない治療で地域貢献を

常に自然体で歯科医師であることを楽しんでいらっしゃる西山先生ですが、プライベートはどのように楽しんでいらっしゃるのでしょうか。

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子どもの頃は野球、大学では少林寺、今はボクシングをやっています。小さい頃は体が弱かったので、より強くなれるよう自分を鍛えるのが好きだったんです。それから大学時代に弟とロックバンドを組んでいたこともあり、音楽は今でも大好きです。弟が有名ロックバンドのギタリストになった縁で、夏の野外コンサートで6万人の観衆を前に弟たちと一緒にベースの演奏をしたこともあります。私がキヨシで弟がタケシなので横浜のビート兄弟なんて言われて楽しかったですよ。自分が楽しくなければ他人を助けることなんてできないと思うので、私はなんでも楽しんでやるタイプ。地元のお店にもよく飲みに行きますよ。周りはお互いよく知ってる顔ばかり。言いたいことを言い合える仲の人ばかりなので、治療に関していいことも悪いことも本音をぶつけてくれます。こんな風にストレートにご意見を聞かせてもらえることは、歯科医師としても人間としてもありがたいことこの上ないですね。

仕事や子育てに忙しい30〜40代の人がお口の健康を守るために気を付けるべきポイントを教えてください。

歯周病というと高齢者がかかるものというイメージをお持ちの方は多いと思うのですが、実際はそんなことはありません。毎日しっかり歯を磨いているつもりでも30代で7割、40代で8割の人が歯周病にかかるといわれているのをご存知でしょうか。原因はさまざまですが、夜更かしをして遅くまで何かを食べていたり、お茶代わりにスポーツドリンクを飲んでいるような人、自分は虫歯がないからと長期間歯科医院へ行っていないような人は要注意です。実はその世代は、子育てや仕事、親の介護と忙しく、ついつい痛くないからと歯科検診をしない人が多いことから空白の世代とも呼ばれています。健康寿命を延ばすには予防とメンテナンス、そしてちょっとした生活習慣の見直しが大切です。そのためにも、痛くなったらではなく、痛くなくても気軽に、そして定期的に歯科医院でみてもらえればと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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当院の診療は笑い話ばかり。みんなが言いたいことをポンポン話すので、全然治療が進まないとスタッフに怒られることもあるくらいです。わたし自身も歯科医師としてだけでなく、一歩町に出れば隣人、あるいはお得意さんとして地元のお店に顔を出したり行事に参加していたりするので、何も知らない人が診療所に来られて「あの時のあの人が歯医者さんだったなんて!」と驚かれることもあります。訪問診療したお宅で診療時間よりご家族の話に耳を傾ける時間の方が長いこともあれば、まるで人生相談のような時もあります。治療に線引きなんてできませんよね。これからも町の良きかかりつけ医として、そして時には良き隣人として何かお困りの方のお役に立てたらしいですね。診療所はもちろん、町で見かけたらどうぞ気軽に声をおかけください。

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