久木留 大介 院長の独自取材記事
さくら通りクリニック
(熊本市中央区/平成駅)
最終更新日:2026/07/22
熊本市中央区、平成さくら通り沿いにある「さくら通りクリニック」。前院長からクリニック名や医療法人名をそのまま引き継ぎ、地域に親しまれてきた診療環境を大切にしながら、2025年に久木留(くきどめ)大介院長が継承開業した。糖尿病や生活習慣病、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群などを中心に診療し、健康寿命の延伸と未病予防を理念に掲げる。院内には院長が大切にしている開業時にもらったものだという絵画や書が飾られ、気品のある落ち着いた雰囲気が魅力だ。大学病院や米国留学などで研鑽を積んできた久木留院長に、これまでの歩みや診療への思いについて話を聞いた。
(取材日2026年6月11日)
糖尿病診療を追究し続けてきた経験を地域へ
まずは先生のこれまでのご経歴について教えてください。

1999年に熊本大学医学部を卒業し、熊本大学病院の代謝内科に入局しました。その後、熊本労災病院や熊本大学病院集中治療室で経験を積み、大学院では糖尿病合併症と酸化ストレスについて研究しました。多くの先生方にご指導いただきながら学位を取得し、研究成果を評価していただいて、アメリカ・ニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学へ留学する機会にも恵まれました。現地では糖尿病合併症の発症機序に関する研究に携わり、研究者としてだけでなく人生経験としても非常に貴重な時間になりました。帰国後は大学で研究や教育、臨床に携わり、その後は杉村病院で糖尿病診療に従事。振り返ると、本当に多くの恩師や先輩方に恵まれてきたと感じています。
糖尿病や生活習慣病の診療を専門に選ばれた理由は何ですか?
糖尿病や生活習慣病に興味を持ったのは大学生の頃です。患者さんと長く関わることができる疾患であり、その方の生活や人生にも寄り添えるところに魅力を感じました。私自身、運動や食事に関心があり、生活習慣と深く関わる分野だったことも理由の一つです。研究や教育にも携わってきましたが、経験を重ねる中で患者さんと直接向き合う外来診療の楽しさをより強く感じるようになりました。糖尿病はすぐに結果が出る病気ではありませんが、一緒に取り組みながら少しずつ改善をめざしていくことができます。「ありがとう」「先生に会えてよかった」と言っていただけることが、大きな励みになりますね。
このクリニックを継承された経緯について教えてください。

以前から開業への思いはありましたが、新規開業よりも、ご縁があれば継承という形で地域医療に携わりたいと考えていました。患者さんとじっくり関わる外来診療に魅力を感じていた頃、医局の先輩でもある前院長とのご縁から当院を継承することになりました。クリニック名はそのまま残し、地域の患者さんに安心して通い続けていただけることを大切にしました。継承にあたっては、バリアフリーなどのリフォーム工事と、電子カルテや自動精算機、エコーの導入などを行いました。院長が変わることへの不安もあったと思いますが、多くの患者さんやスタッフが引き続き支えてくださっていることをありがたく感じています。
患者と家族の想いをくみ、健康寿命の延伸をめざす
クリニックの理念や診療方針について教えてください。

当院では「関わる人と幸せを共有するために」という理念を掲げています。私自身、大学時代から健康寿命の延伸に関する取り組みに関わる機会があり、単に寿命を延ばすのではなく、元気に生活できる期間を長くすることが大切だと考えてきました。糖尿病をはじめとする生活習慣病は、自覚症状がないまま進行することも少なくありません。そのため、病気が重くなってからではなく、未病の段階や早期の段階から関わることを大切にしています。また、患者さんご本人だけでなく、ご家族が抱えている不安や思いにも目を向けながら、一人ひとりに合った医療を提供したいと考えています。さらに、患者さんだけでなくスタッフも含め、関わるすべての人が前向きになれるクリニックをめざしています。
特に力を入れている診療についてお伺いできますか?
私の専門分野である糖尿病診療には特に力を入れています。糖尿病は症状がほとんどないまま進行することが多く、合併症が現れて初めて気づくケースもあります。そのため、健康診断で異常を指摘された際には、ぜひ結果をそのままにせず相談していただきたいですね。診療では、まず食事内容や活動量、生活リズムなどを丁寧に伺います。すぐに薬を使うのではなく、その方がどのような思いで受診されたのかも含めて話を聞きながら治療方針を考えます。もちろん必要な場合は薬物療法も行いますが、生活習慣の改善は治療の土台になります。糖尿病は一度発症すると完全に治癒する病気ではありませんが、適切に管理することで薬を減らすことにつなげたり、良好な状態の維持をめざしたりすることは十分可能だと考えています。
糖尿病以外にはどのような診療に対応されていますか。

糖尿病や生活習慣病に加えて、甲状腺疾患や睡眠時無呼吸症候群の診療にも力を入れています。甲状腺疾患では健康診断で異常を指摘されたことをきっかけに受診される方が多く、動悸や疲れやすさ、体重の変化などの症状から見つかることもあります。また、睡眠時無呼吸症候群は、ご家族からいびきや無呼吸を指摘されて受診されるケースが少なくありません。当院では自宅で行える簡易検査にも対応しています。さらに、保険診療を中心としながら、患者さんのニーズに応じて自由診療で、ED(勃起不全)の治療を提供しています。必要に応じて地域の基幹病院とも連携しながら診療を行っています。その他、整体や、コーヒー生豆由来のクロロゲン酸を含むグリーンコーヒーの紹介も行っています。病気の治療だけでなく、未病予防や健康づくりに関心を持つ方をサポートしたいという思いから始めた取り組みです。
患者と信頼関係を築きながら歩む診療を
診療の際に大切にしていることを教えてください。

医療はお互いの信頼関係がなければ成り立たないと思っています。私たちは病気についての知識や治療法をお伝えできますが、患者さんにはそれぞれの人生や生活がありますので、一方的に治療を押しつけることはできません。ですから、まずは患者さんがどう考えているのか、どうしたいと思っているのかを大切にしながら、一緒に相談していく姿勢を心がけています。また、ご本人は「大丈夫」とおっしゃっていても、ご家族が心配されているケースも少なくありませんので、そうした周囲の思いにも目を向けたいですね。もちろん私一人ですべてに対応できるわけではありませんので、必要に応じて地域の基幹病院や専門の先生方をご紹介しながら、その方にとってより良い医療につなげることも大切な役割だと考えています。
休日の過ごし方やリフレッシュ方法について教えてください。
体を動かすことが好きで、小学校までは水泳、中学以降はサッカーを続けていました。大学でも6年間サッカー部に所属し、その後はトライアスロンの大会に出場したこともあります。以前は朝に40分ほどジョギングをするのが日課でしたが、開業後はなかなか時間が取れなくなりましたね。それでも時間があれば走りたいと思っています。春になるとクリニック前の「平成さくら通り」の桜が本当にきれいに咲き、隣の公園も桜の名所となります。休日には散歩好きの娘に誘われて一緒に歩くこともあります。こうした何げない時間が良い気分転換になっていますね。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

開業してまだ間もないですが、これからも地域の皆さんに信頼していただけるクリニックをめざしていきたいと思っています。糖尿病や生活習慣病は長く付き合っていく病気だからこそ、患者さんと医療者がお互いに信頼しながら取り組んでいくことが大切です。病気については私たちがお手伝いできますが、生活や人生については患者さんのほうが先輩ですので、一緒に相談しながら進めていければと思っています。また、病気が重くなってからではできることが限られる場合もありますので、健康診断で異常を指摘された際には早めに相談していただきたいですね。皆さんが健康で、自分らしい生活を続けられるよう、そのお手伝いができればうれしく思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはED治療/1500円~

