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足立 武久 院長の独自取材記事

ひらもと歯科医院

(横浜市神奈川区/大口駅)

最終更新日:2025/07/09

足立武久院長 ひらもと歯科医院 main

JR横浜線・大口駅西口から徒歩1分。商店が立ち並ぶにぎやかなエリアにある「ひらもと歯科医院」。足立武久院長は、同級生だった平本隆介前院長の遺志を引き継ぎ、地域に根差した歯科診療を提供している。足立院長は、早稲田大学政治経済学部卒業後、ガソリンスタンド事業を経て歯科医師となったという異色の経歴の持ち主。常に患者の視点に立った丁寧な診療を大切に、35年以上にわたり、この地で診療を続けている。診療では、虫歯や歯周病の治療はもちろん、特に予防歯科に注力し、健康な口腔環境を長く保つためのサポートに取り組む。また、10年以上にわたり幼稚園や保育園での歯科検診も行い、子どもから高齢者まで幅広い世代に対応する。にこやかで話し好きの足立院長に、昨今の歯科医療や診療において大切にしていることなどについて尋ねた。

(取材日2025年6月3日)

友の遺志を引き継ぎ、この地で診療を継続

こちらの院長となるまでの経緯を聞かせていただけますか?

足立武久院長 ひらもと歯科医院1

私は32歳で歯学部に入学するまで、ガソリンスタンド事業をしていました。歯科医師となってからは実家のある東京都武蔵野市で勤務医として長く働いてきました。「ひらもと歯科医院」は、私の歯学部時代の同級生の平本隆介君が開業した歯科医院なんです。彼が開業したのが1991年ですから、クリニックとしてはもう34年ですね。平本君が病気で倒れてしまい、縁あって私が代理の院長として診療していたんですが、ほどなくして彼は亡くなりました。どうしようかと考えましたが、1年間院長として診療にあたっていましたし、この歯科医院を引き継ごうと決意しました。名前を「足立歯科」にせず「ひらもと歯科医院」のまま続けているのは、彼の遺志を継ぎたかったからです。

どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

以前は、平本君の代から長く通ってくださっている方が中心でしたが、私が継承してから20年がたち、その間に新たな患者さんも多く来院されるようになりました。この20年で口腔内の状態が整っている方が増え、検診や予防歯科の考え方がかなり浸透してきたと感じています。痛みがなくてもしっかり受診してくださる姿勢は、私たち歯科医師にとっても心強く感じます。定期的なメンテナンスが定着したことで、以前と比べると歯を抜いたり削ったりする治療は大幅に減り、多くの方がケア中心の通院となっています。今ではご家族で来られる方も多く、お子さんやお孫さんを連れて来てくださる方もいらっしゃいます。家族やご友人など、身近な人に当院を勧めてくれる方を見ると、地域に根づいたクリニックになれているのだとうれしく思います。

以前よりも予防歯科の考え方が浸透しているんですね。

足立武久院長 ひらもと歯科医院2

口腔ケアというのは、短期間で成果が出るものではありません。やはり、一人ひとりの患者さんと長く向き合い、最後までしっかり診ていくという姿勢が大切だと感じています。最近は多様な口腔ケア用品も出ていますが、やはり一番大切なのは毎日の歯磨きです。当院では、実際に歯ブラシを手に持っていただき、基本的な歯の磨き方から丁寧に指導しています。また、「硬い物をよく噛んで食べましょう」「間食はしても良いけれど、だらだら食べ続けないようにしましょう」など、必要に応じて食事のアドバイスもしています。とはいえ、家でのケアを完璧にできる人はいないと思っているので、「必ずこうしなさい」という指導の仕方はしていません。皆さんお忙しいですし、あれこれ詰め込みすぎてストレスになってしまっては意味がないですからね。とにかく、定期的に検診に来ていただければ、それが何よりだと思っています。

物や情報あふれる今だからこそ、基本の歯磨きを大切に

先生が歯磨きの大切さを実感された具体的なエピソードはありますか?

足立武久院長 ひらもと歯科医院3

実は私自身、30代で歯学部に入学した当時、かなり歯槽膿漏が進んでいて、「このままでは歯は長く持たないよ」と言われていたんです。でも、そこから毎日しっかりと歯磨きをするようになって、50年たった今でも続けています。当時の口腔内の写真もきちんと残してあるので、それを患者さんに見せながら、「ちゃんとケアをして、歯を守っていきましょう」と伝えるようにしています。特別な治療や高額な費用をかける必要はなく、日々の歯磨きを丁寧に続けることが何より大切なんです。これは自分が実際に経験してきたことだからこそ、説得力を持ってお伝えできると思っています。長年通ってくださっている方に、「当時は半信半疑だったけれど、先生の言葉は本当だった」と思っていただけていたら、うれしいですね。

幼稚園検診、保育園検診もされていると聞きました。

もう10年以上続けています。幼稚園や保育園での歯科検診では、毎年たくさんのお子さんの歯を診ていますが、虫歯がある子は本当に少なくなりました。保護者の方たちの多くが、自分たちの世代で虫歯に苦労した経験をお持ちだからか、子どもへのケア意識が非常に高いと感じます。特に最近は、仕上げ磨きやフッ素の使用といった家庭での取り組みもしっかりされている印象ですね。以前は区役所での1歳半や3歳の乳幼児検診も担当していましたが、そちらは若い歯科医師に引き継ぎました。こうした地域に根差した取り組みを長年続けられたことは、歯科医師としてのやりがいにもつながっていますし、とてもありがたいことだと感じています。

診療の際、大切にされていることを教えてください。

足立武久院長 ひらもと歯科医院4

若い頃は理想を追い求め、つい頑張りすぎてしまった時期もありましたが、年齢を重ねるにつれて「患者さんにとって本当に必要なことは何か」を、第一に考えるようになりました。どんなに歯科医師が熱心に勉強し、先進の治療を提案したとしても、それが患者さんにとって本当に良いかどうかは別の話です。一見、理想的に見える治療でも、後から「ケアしづらい」「負担が大きい」と感じられてしまえば意味がありません。また、歯を残すことがすべてではなく、どうしても保存が難しい場合には、早めに抜歯をして適切な処置を行うことも大切です。特にご高齢の方にとっては、長時間・長期間の治療自体が大きな負担になることもありますから。「患者さんが楽であること」、これが一番大事だと思っています。

これからも地域の役に立ちたい

お忙しい中、どのようにリフレッシュされていますか?

足立武久院長 ひらもと歯科医院5

人と接することが好きなので、治療の前後に患者さんとたわいのないおしゃべりを交わすだけで、自然と元気をもらえます。それが一番のリフレッシュかもしれませんね。あとは、最近はあまり行けていませんが、以前は山登りにもよく行っていました。早稲田大学時代に山岳サークルに入っていたことがきっかけで、今でも当時の仲間と山小屋に出かけることがあります。私も80代になりましたから、そうした友人たちとはもう50年来の付き合いになりますね。都会とはまったく違う空気の中で、特別なことをするわけでもなく、ただ一緒にお酒を飲んでのんびりと過ごす……そんな時間が心のリセットになっています。

ご自身が健康面で気をつけていることはありますか?

無理をしないことですね。日々診療をしていると、どうしても前かがみの姿勢が続いてしまい、腰を痛めてしまったことがありました。今はコルセットを装着して診療しています。痛み止めに頼ることもなく、日々の積み重ねを大切にして、以前と同じように診療を続けられています。無理をせず、当たり前のことを当たり前に続けることの大切さを実感しています。痛みが気になったり、体調が万全でなかったりすると、細かなところに気が回らず、治療に影響する可能性もあります。だからこそ、いつでもベストな診療ができるよう、日頃から自分の体調管理にも気を配っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

足立武久院長 ひらもと歯科医院6

こうして毎日診療を続けられていることは、本当にありがたいことだと感じています。自分が培ってきた知識や経験を、少しでも患者さんに還元できれば、それが何よりの喜びです。大きな目標はありませんが、これからも患者さんに無理のない治療を提供できる歯科医師でありたいと思っています。年齢的にもそろそろ引き際を考える時期に来ていますが、できることなら、あと2、3年、いや、5年くらいは現役を続けられたらうれしいですね。地域の皆さんの健やかな歯を支える存在でいられるよう、これからも精進していきます。

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