頭痛は重篤な病気のサイン?
脳神経外科に聞く、脳検査の重要性
上田クリニック
(横浜市神奈川区/反町駅)
最終更新日:2025/05/07


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誰もが一度は経験したことがあろう「頭痛」。軽い痛みから突然殴られたような激しい痛みまで、その強度はさまざまだが、単なる頭痛と思われているものの中に重篤な病気が隠されている可能性がある、と「上田クリニック」の上田啓太院長は語る。頭痛にはどんな種類があり、どのような症状があるときに受診・検査が必要なのか。身近な頭痛への対処法について、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医や日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医などの資格を有する上田院長に話を聞いた。
(取材日2025年4月17日)
目次
頭痛は重大な病気が隠れている? 気になる症状があれば専門クリニックを受診し、検査を受けよう
- Q頭痛にはどのような種類がありますか?
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A
▲脳神経に関する複数の領域に専門性を持つ上田院長
頭痛には大きく分けて、片頭痛・緊張性頭痛・群発頭痛・雷鳴頭痛・三叉神経痛など頭の中に病気がないのに痛む「一次性頭痛」と、感染症による髄膜脳炎や脳出血・くも膜下出血・脳動脈瘤・脳腫瘍などの頭蓋内占拠性病変といった病気が原因の「二次性頭痛」があります。内科系の多くの診療科が対応するであろう一次性頭痛に対し、二次性頭痛は私たち脳神経外科が専門的に対応する領域です。日常診療において、「二次性頭痛ではない」という除外診断を画像検査にて下すという点については、脳神経外科の得意な分野です。脳の病気に関しては「脳神経外科」「MRI検査」がキーワードになるでしょう。
- Q頭痛の原因は何ですか? また、その予防策はありますか?
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A
▲模型や画像を用いて患者にわかりやすく説明
一次性頭痛のうち、頭の片側に脈打つような強い痛みを感じる片頭痛は、月1回の抗CGRP製剤注射などによる予防治療法があります。QOLの改善をめざすための選択肢として、ぜひ受診を検討してください。頭がぎゅっと締めつけられるような痛みが特徴の緊張性頭痛については、普段の姿勢や寝相、スマートフォンの長時間利用などが筋緊張を引き起こす原因になるため、習慣の改善やストレッチなどでアプローチします。一方、二次性頭痛に分類される脳腫瘍などは予防はできませんが、くも膜下出血や脳出血などを含む脳卒中は生活習慣の改善が有用です。感染症から起こる髄膜脳炎なども、単なる風邪でも無理をせずに早めの受診をお勧めします。
- Qどのような症状のときに受診すれば良いでしょうか?
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A
▲自己判断せず、専門的な知識を持つ医師に相談しよう
「突発的な激しい頭痛」というキーワードは忘れないでください。何の兆候もなく、突然後ろから殴られたような今まで体験したことのない激しい頭痛があった場合、代表的な病気としてはくも膜下出血などが考えられます。脳腫瘍など普段はない異物が頭蓋内圧を亢進させている可能性もあるため、必ず受診しましょう。また、脳腫瘍の特徴の一つであり、頭蓋内占拠性病変の特徴ともいえる「モーニング・ヘッドエイク」など決まった時間に出てくる頭痛や慢性的に長く続く頭痛がある場合も受診が推奨されます。手のしびれや麻痺、物が二重に見える、視野が狭まる、耳鳴り、めまい、ふらつきなども脳の病気の可能性もあるため注意しましょう。
- Q頭痛に隠れているリスクにはどのようなものがありますか?
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A
▲検査時間の短縮や高画質な画像撮影が可能なエックス線検査も可能
一次性頭痛が生命予後に関わることはありませんが、例えば片頭痛がある人は、同世代のない人に比べて脳卒中リスクが高いことが明らかとなっています。そのため、片頭痛の裏でそのような病気が進行していないかどうかを確認します。予防治療といった治療法もありますので、片頭痛にお悩みの方は受診を検討してください。また、手のしびれや物の見え方の変化、耳鳴り、めまいといった症状は、別の診療科を受診しているケースが多いでしょう。治療を受けて症状が改善されれば良いのですが、いつまでも改善しない、あるいは「どこにも異常がない」と言われてしまった場合は脳神経外科に相談し、必要に応じて検査を受けることが大切です。
- Qこちらで行う検査について教えてください。
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A
▲MRI検査で早期発見・早期治療をめざす
当院のMRIは1.5テスラの先進モデルで、脳や脳血管はもちろん頸部、頸椎、腰椎、脊柱まで広範囲な撮影ができ、短時間で検査が完了するのが特徴です。MRIは筒状の機器の中で頭部を固定するため圧迫感が強く、機械音も非常に大きいため負担を感じやすい検査ですので、短時間で検査を終えられることは、患者さん・医療従事者、双方にとって大きなメリットです。このほか頸動脈や腹部の超音波検査、エックス線検査、血液検査など、診断に十分な機器がそろい、豊富な経験を積んだベテラン検査技師が在籍しています。当院での治療は投薬や生活指導が主となり、重大な病気が発見された場合は連携する病院に速やかに紹介する体制を整えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック(脳MRI+脳MRA)/ 2万2000円、脳ドック(脳MRI+脳MRA+頸動脈エコー)/2万5000円、脳ドック(脳MRI+脳MRA+頸部MRA)/2万8000円、全身MRI(DWIBS)/4万9800円、全身MRI(DWIBS)+腫瘍マーカー5種/5万4800円