上田 啓太 院長の独自取材記事
上田クリニック
(横浜市神奈川区/反町駅)
最終更新日:2025/04/07

東急東横線・反町駅から徒歩4分のビル2階にある「上田クリニック」は、開業から約20年にわたり地域住民の健康を支えてきた。現在は上田啓太先生が2代目院長を務めている。新型のMRI機器やエコー検査装置、エックス線撮影装置を導入し、脳神経外科の専門的な医療を提供する一方で、糖尿病をはじめとする生活習慣病や風邪症状などの診療にも対応。地域のかかりつけ医として、健康相談に幅広く応じる姿勢を貫いている。医療の入り口として、どんな症状であっても、まず診察を行うという「断らない医療」が基本方針。患者の不安に寄り添い、必要に応じて適切な医療機関への紹介を行っている。困ったときに真っ先に頼れるクリニックとして、地域に根差した医療の提供に努める上田院長に、診療に対する思いを聞いた。
(取材日2025年3月7日)
脳神経外科での経験を生かした専門的な医療の提供を
クリニックの特徴について教えてください。

私は日本脳神経外科学会脳神経外科専門医であり、日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医でもあります。当院は、脳神経外科での多くの診療経験を生かした、精密な診断と治療の提供に努めています。設備に関しては、昨年10月に新型の1.5テスラMRI機器を導入しました。エックス線を使用しない機器で、検査時間の短縮や高画質な画像撮影が可能です。さらにエックス線検査やエコー検査、採血検査など、幅広い検査体制を整えています。また、日々の勉強会などを通じて、新しい知識と技術を習得しています。必要に応じて近隣の医療機関と連携し、患者さんにとって適切な医療の提供を心がけています。専門性を有した医師が新鋭の機器を駆使し、自信を持って診療にあたっています。
複数の専門医資格を持つことは、診療にどのように生かされていますか?
脳神経外科専門医と脳血管内治療専門医、この2つの専門医資格を持つことで、脳の病気を多角的に診ることができます。例えば、同じMRIの検査結果でも、脳神経外科専門医としての視点と、脳血管内治療専門医としての視点の両方から分析できます。外科的手術が必要だと思われるケースでも、血管内治療の視点から別の方法を提案できることがあります。つまり、患者さんにより適した治療の選択肢を広げることができるのです。
脳神経外科医をめざした理由について教えてください。

私が脳神経外科医をめざしたきっかけは、幼少期から尊敬していた父の存在です。父は脳神経外科医として大学病院などで経験を積み、このクリニックを開業しました。自信に満ち、ハキハキと患者さんに接する父の姿を見て、私も自然に同じ道を志すようになりました。私も10年以上、病院で急性期医療に携わってきました。脳疾患は一刻を争う病気であり、治療が少しでも遅れれば命に関わることもあります。その前線で治療を行うことに、強いやりがいを感じてきました。脳神経外科は、まさに患者さんにとっての最後の砦です。現在もその情熱は変わりません。クリニックでの診療に加え、必要に応じて適切な病院を紹介し、手術の際には患者さんに寄り添いながらサポートを続けることもあります。
専門性と気軽さの両立に努める
クリニックの理念について教えてください。

当院が大切にしていることは、「専門的な医療の提供」と「気軽に相談できるクリニック」の両立です。父が開業した当初から、脳神経外科医として専門的な診療を行うこと、そして地域のかかりつけ医として患者さんが安心して相談できる環境をつくることを大切にしてきました。私はその思いを受け継ぎ、さらに進化させていきたいと考えています。脳神経外科は、知識や技術の専門性が求められる分野です。しかし、専門性を追求するあまり、患者さんが「こんなことで受診して良いのだろうか?」と不安を感じるようなクリニックにはしたくありません。どんな小さな症状でも、迷わず気軽に相談できる場所でありたいと思っています。
脳卒中の予防のために、生活習慣病の管理にも力を入れていますね。
当院では、脳神経外科の専門知識を生かし、生活習慣病の管理にも力を入れています。特に高齢の患者さんが多く、転倒による頭部外傷や頭痛、めまいなどの症状で来院されることがよくあります。しかし、こうした症状の背後には脳の病気が潜んでいることもあるため、まずはしっかりと検査を行い、脳の健康を守ることを重視しています。脳血管障害は突然起こるものではなく、高血圧や糖尿病、高脂血症といった生活習慣病が長年にわたってリスクを高め、発症に至ります。そのため、定期的な健康診断を受けることを強くお勧めしています。脳の病気は初期段階では症状が出にくく、気づいた時にはすでに進行していることも少なくありません。だからこそ、患者さんにリスクを理解してもらい、早めの予防につなげることが大切だと考えています。
日々の診療で心がけているポイントを教えてください。

日々の診療では、患者さんへの丁寧な説明を心がけています。医師にとって当たり前のことでも、患者さんにはわかりにくいことが多いからです。そのため、できるだけ理論的に説明し、図やエビデンスを使って伝えるようにしています。さらに、わかりやすいニュース記事などを活用し、患者さんが納得できるよう工夫しています。例えば、脳の血管にできる動脈瘤が見つかった場合、単に「破裂すると危険です」と伝えるのではなく、「この大きさなら、1年間で破裂する確率は高くありません。リスクを低く抑えるために定期的な検査を続けましょう」と、具体的な数字を示して説明します。私は毎日多くの患者さんと向き合いますが、患者さんにとっては私が「唯一の担当医」です。そのことを忘れず、どの患者さんにも丁寧に説明することを大切にしています。
どんな相談でも聞く、地域に密着した医療への想い
医療の入り口として、「断らない医療」を心がけているそうですね。

当院では、どんな症状でも「まずは診させていただく」という方針で診療を行っています。脳神経外科の分野だけでなく、風邪や生活習慣病、糖尿病など、体調に関するさまざまな相談に対応しています。患者さんがどんな症状で来院されても、まず診察し、必要に応じて専門的な治療を実施したり他の病院への紹介を行ったりします。また、患者さんの利便性を考えて24時間オンライン予約システムを導入しています。特に夜間に不安を感じる患者さんが多いため、いつでもホームページから予約を入れ、状況によっては翌日には診察を受けることができます。もし、予約が取れない場合でも即日診察を行い、その日に診療結果をお伝えできるよう努めています。すぐに診断結果がわかることで、患者さんが安心して治療を受けられると考えています。
クリニックの今後の展望について教えてください。
当院は、横浜駅に近い都心に位置し、多くのクリニックがある中で、脳神経外科専門のクリニックとして新鋭のMRI機器を導入しています。この強みを生かし、地域の皆さんや他の医師から「脳のことなら上田クリニック」と信頼される存在をめざしています。今後は、さらに地域のさまざまな医療ニーズに対応できるよう努めていきます。脳神経外科の専門性を生かしながら、生活習慣病の管理や一般内科の診療にも力を入れ、より多くの患者さんが気軽に相談できるクリニックであり続けます。
最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

脳動脈瘤は、脳の血管にできる膨らみで、日本人の約5%、つまり20人に1人が持っているといわれています。私は、より多くの方に頭の検査を受けていただきたいと考えています。特に、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの持病がある方や、ご家族に脳卒中を経験された方がいる場合は、積極的に検査を受けることをお勧めします。脳の病気は、発症してからでは手遅れになることがあります。しかし、早期に検査を受けることで、命を守ることができるケースもあります。どんな病気も早期発見・早期治療が大切です。少しでも気になることがあれば、どんな些細なことでもご相談ください。当院は、皆さんの健康を守るために、いつでもお手伝いいたします。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/2万2000円~