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杉村 麻央 院長の独自取材記事

中央歯科クリニック

(蕨市/蕨駅)

最終更新日:2021/10/12

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JR蕨駅西口から歩くこと約8分、道路沿いに掲げられたピンクの看板が目印の「中央歯科クリニック」。玄関スペースにある、手すりつきの立ち上がり用スタンドの理由を聞くと「高齢の患者さんがスリッパに履き替える際に補助として使ってもらえればと、スタッフと相談して備えたものです」と杉村麻央院長。こんなこまやかな部分にも患者への心配りや、スタッフと一緒にクリニックをより良くしていこうという姿勢がうかがえる。診療室はきれいに整理され、明るい雰囲気だ。診療ブースは4つ備えられ、ゆったりと治療が受けられる。取材では患者層や診療方針のほか、地元歯科医師会の活動も積極的に行う杉村院長に、地域医療にかける思いや今後の展望について語ってもらった。

(取材日2019年6月15日)

歯科の怖いイメージをなくそうとカラーデザインを工夫

開院されて14年ですが、今日に至るまでの経緯から伺います。

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戸田市・蕨市で育ったものですから、どうせ開院するなら地元でと、2005年に開院しました。私は立教大学経済学部を卒業したのち、カメラ・医療機器メーカーに勤めたのですが、病気で1ヵ月間入院した際に「直接自分が医療の担い手になりたい」と思い立ち、翌年に日本大学松戸歯学部に入学。卒業後も大学の医局関連の歯科医院で働いた後に独立開業しました。

院内はとても明るい空間になっていますね。

看板をピンクにし、また院内の配色にもピンクを使用しているのは、内装設計をしてくれた女性デザイナーが「歯科医院は患者さんにとっては少し怖いイメージがある」ということで、ホワイトとピンクを使って明るい、親しみやすい感じでコーディネートしてくれたものです。そのため、どちらかというと女性が親しみやすい空間になっているかと思います。

患者の年代で多い層は?

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蕨市は長く地元で生活を続けてきた方も多く、当院でも半分くらいは高齢の患者さんですね。残りの3割がお子さんとお母さん、残りの2割が会社勤めの方たちです。院内にキャラクターアイテムが多いのは子どもの患者さんが多いからです(笑)。学術的には母子分離といってお母さんとお子さんを離して治療するのが基本らしいですが、当院ではお母さんが不安にならないよう、目の前に座ってもらってどんな治療をしているかを見てもらっています。また悪くなっている部分を「ここがこうなっているので、こうします」と説明し、納得された上で治療に入っています。その後、小学校の高学年になるとお子さん一人で来院できるようになりますし、お母さんも私のやり方がわかっているので任せてもらえていますね。もう14年ですから、開業当時に通っていた子がもう社会人になって、歯が悪くなれば来てくれますよ。そんな姿を見るのはやはりうれしいものです。

良き話し相手になることも診療の一環

高齢の患者さんではどのような主訴が多いですか?

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やはり歯周病の予防やケア、そして義歯・入れ歯ですね。年を取ると歯がそろっているだけで不足なく食べられるわけではなく、飲み込むまでの機能も維持しなければなりません。そのため、高齢者歯科やリハビリテーションに関する講習会にできるだけ参加して知見を広げ、クリニックでの診療に生かすようにしています。80歳で自分の歯を20本残しましょうという「8020」を目標にする時代から、現在ではさらに高齢化が進行していますから、ちゃんと咀嚼して飲み込めるまで口腔機能の低下、オーラルフレイルを予防・改善しましょうというのが診療の目標となっていますね。まずは歯を失わないよう予防することですが、万一失ったとしても、必ずしもインプラントでなくてもいいんです。義歯や入れ歯で補っても、それでしっかり栄養を吸収し、健康寿命を延ばしてもらうことが大切。そして、患者さんにその意識を持ってもらうことが何よりも重要だと考えています。

診療方針についてはどのようにお考えでしょうか。

できるだけ患者さんが望まれる方法で治療し、患者さんに寄り添っていくことを基本方針にしています。小児歯科でお母さんに立ち会っていただくのもその実践ですし、例えば高齢の方では、今はお一人で生活されている方も多いですから、話し相手になるのも大切なことです。ほかのクリニックでは忙しくて話もゆっくりできないことが多いでしょう。しかし私は話し好きな患者さんがわかっていますので(笑)、予約が入れば診療時間にも幾分余裕を持たせるようにしています。ほとんどは歯科と関係のない世間話ですが、人はしっかり話を聞いてくれる相手がいるだけで「まだまだ元気で頑張れる」と思えるものです。さらに、話の中で患者さんのほかの病気や服薬しているかどうかもわかりますので、ほかの診療科の先生に連絡する際の重要な情報になります。町のかかりつけ医として、そうした部分は大切にしていきたいと思っています。

これまでの印象深かった診療エピソードをお聞かせください。

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以前、歯を失った高齢の女性患者さんが来院された際、入れ歯をお作りしたんです。できあがった入れ歯を装着したところ、それまではどちらかというと着ている服も地味な感じの方だったのですが、入れ歯を入れてからはすごく若々しい装いで来院されるようになりました。残念ながらその後、事故で亡くなられたのですが、一時期でも義歯でおいしいものが食べられて良かったと、後でご家族からも感謝されましたね。

主訴に限らず、口腔内全体に異変がないかを診る

受付スタッフもとても明るく、優しい対応が印象的でした。

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スタッフたちも私に協力しながら明るい雰囲気でクリニックが運営できるよう心がけてくれているのです。いつも院内がきれいに整理整頓されているのは、彼女たちのおかげですよ。実は私は、スタッフから「怒らない先生」と言われています。前職は分院長でしたが、その時代に学んだマネジメントの考え方で、患者さんへの視線は同じにして、クリニックを良くすることで気づいたことがあればなんでも言いやすい雰囲気にしようと決めたのです。そのためか、出産などで辞めたスタッフが、戻ってきてくれる、あるいは人員が足りない時にはヘルプで手伝いに来てくれる人もいます。大いに助かっていますよ。

休日には趣味やスポーツなども楽しまれているのでしょうか?

残念ながらそうでもなくて(笑)。大学時代はテニスやアーチェリーをしていましたが、このクリニックを開院した直後に脊椎椎間板ヘルニアの手術をしたので、このところはしばらく運動から遠ざかっています。歯科医師は診療でどうしてものぞき込むような姿勢を取るせいで腰を痛めやすいのです。とはいえ、できるだけ長く診療で地域貢献したいので、これからも健康には気をつけていきたいと思います。

今後の抱負をお聞かせください。

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地域の医療ということでは、今後は訪問診療も大きな柱になっていくでしょうから、その勉強はしておきたいと思っています。すでに訪問歯科に関する講習や、摂食嚥下も内視鏡検査の講習などは受けています。あとは粘膜病変の成分をもっと勉強し、新しい機材を入れながら当院でできる範囲の診療を提供したいですね。口腔がんはまれな病気ではありますが、命に関わりますから、日頃から主訴のほかに口腔内の状態は必ずチェックするようにしています。また血液検査がある医科と違って、歯科は結構誤差が大きく、数値化できない部分も大きい。だから読影などの経験則と新しい知見とを合わせて自分の目で診ていくことを心がけています。とはいえ、全部できるわけでもないので、深いところと浅いところを見極め、整理しながら浅いところは深く勉強されている先生に頼る、そうした仕組みづくりを地元医師会とともに進めていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

矯正治療/(小児)40万円(税別)~、(大人)70万円(税別)~、マウスピース型装置を用いた矯正/25万円(税別)~、インプラント治療(手術)/25万円(税別)~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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