藤川 宗之 院長の独自取材記事
ふじかわ歯科医院
(草加市/新田駅)
最終更新日:2025/03/24

青柳五丁目バス停から徒歩1分のショッピングセンター内にある「ふじかわ歯科医院」。2007年の開業以来、乳幼児から90代の高齢者まで、地域住民の歯の健康を守り続けている。自由診療にも対応しているが、約9割が保険診療を希望する患者だという同院。ホームページを設けていないにもかかわらず、クチコミで患者の輪が広がっている。藤川宗之院長は、福岡県出身で歯科医師家系の3代目。九州歯科大学を卒業後、東京医科歯科大学に入局し、関東で歯科医療を提供していくことを決意して独立を果たした。患者本位の診療に努め、基本に沿って精密な治療をモットーとする藤川院長に、クリニックの特徴や、診療時の心がけについて聞いた。
(取材日2024年9月3日)
0歳から90代まで、家族3世代で通える歯科医院
まずは診療内容について教えてください。

何かの分野に特化するのではなく、口の中のいろんな悩みに幅広く応えられる歯科医院であることを大切にしています。自分や家族のちょっとした歯の痛みや違和感であっても、いつでも気軽に相談できる。そんな「地域のかかりつけ医」が、私にとっての理想像です。親知らずの抜歯や矯正も院内で対応可能。それぞれを専門とする先生と協力し、総合的な歯科治療を行っています。もちろん口腔がんの疑いがある場合などにはスムーズに大きな病院におつなぎしますが、当院内でできることは幅広いです。重視しているのは、基本に忠実な治療。当院では約9割が保険診療ですが、材料以外は保険診療も自由診療も分け隔てなく、同じように精密な治療に力を尽くしています。
どのような方が通っているのですか?
0歳から90代まで、幅広い年代の患者さんが受診されています。平日の午前中はご高齢の方々、日中は家事を終えられた方がいらっしゃり、夕方になると子どもたちがやってきます。週末はファミリー層や働き世代が多いですね。当院では専用のホームページを設けていないのですが、ご家族やご友人、また親御さん同士からのクチコミで患者さんの輪が広がってきました。高齢の方の主訴の多くは、入れ歯の調整や定期的なメンテナンス。入れ歯の技工は経験がものをいう分野でもあり、私も歯科医師として20年以上の経験を積んできました。気軽に相談に乗っていますし、簡単な処置で済む場合は即座に対応しています。
先生が、診療の際に心がけていることをお聞かせください。

患者さんの一瞬一瞬の表情やしぐさにも気を配り、本当に言いたいことは何なのかを察するように努めています。あらゆる治療は患者さんの希望や気持ちを十分に考慮することが重要で、歯科医師の独断や主導で行ってはいけません。そこで患者さんの訴えをしっかりと聞くために、なるべく話す時間を取ることを徹底。さらに、家庭環境やブラッシングの力量、経済面など、患者さんの背景を踏まえてプランを熟考し、提案できるよう心がけています。極端に言えば、悪い歯があってもすぐには治療を行わないこともあるんです。患者さんが希望して、かつ私が「すぐに治療の必要がない」と判断できる状態ならば、メンテナンスを受けながら後回しにしても良いという考え方です。メリットとデメリットをきちんとお伝えした上で、何より患者さん主体であることが大切だと捉えています。
菌やカビのコントロールを図る内科的な歯周病治療
先生はもともと大学病院で歯周病治療をされていたと伺いました。

はい。東京医科歯科大学歯周病科で歯周病の研究や臨床に携わっていました。歯周病治療は歯科治療の基本。「年を取って歯周病が悪化したから治療をする」のではなく、悪くなる前に、若いうちから受けるべきものだと私は思うんです。当院ではここ1~2年で、歯周病治療を希望される患者さんが驚くほど増えました。理由の一つは歯周病が全身疾患に与える影響や、歯周病と認知症との関連性がメディアで取り上げられるようになったからだと思います。周りの方から当院の歯周病治療について話を聞き、興味を持って来院される方が本当に多くなりましたね。
こちらの歯周病治療の特徴を教えてください。
歯周病の内科的治療を提供しているのが、当院の歯周病治療の特徴です。具体的には、除菌薬を1日1回3日間服用し、併せて専用歯磨剤での歯磨きを約2週間行います。これによって口腔内のカビや細菌の適切な量へのコントロールを図るのです。もちろんそれだけではなく、基本はやはりご自宅での歯磨きであったり、プロによる定期的な歯石除去。ですがそれだけでは歯周病の改善をめざすのは難しいんですね。口腔内の菌やカビのコントロールまで含めて「歯周病治療」なのだと考えています。
歯周病治療をしっかりと行い、その後にメンテナンスを続けることが大切なのですね。

そのとおりです。まずは薬を使った「歯周病治療」で菌やカビのコントロールを図り、口腔内を良い状態にリセットすることが大切。特に歯周病の家族歴がある方や、歯ぎしりや食いしばり、口腔内の乾燥が強い方は歯周病が重症化するリスクが高いため、積極的に推奨しています。口腔内環境が整ったら、その後は「メンテナンス」でその状態を維持。当院ではこの一連の治療を保険診療で対応しています。
メンテナンスの特徴についても教えてください。
歯科衛生士によるクリーニングや歯磨き指導の後、メンテナンスの患者さん全員を診るのが私のポリシーです。それだけに待ち時間が発生してしまうこともありますが、患者さん一人ひとりの健康のためにスタッフ一丸となって力を尽くしていますので、ご理解いただけたらと思います。クリーニング後の診察では、前回の受診時と変化がないか口腔内をしっかりチェック。検査データも毎回確認し、見落としがないよう徹底しています。
開業して20年近く。さらに慕われる歯科医院へ
開業当初と比べて、変化を感じることはありますか?

当院の開業は2007年なのですが、その頃と比べて歯が悪くなる原因が多様化しています。例えば大人の方ですと歯ぎしりや食いしばりのご相談が増えており、治療用マウスピースの希望は開業時の比ではありません。夜間のスマートフォン使用による睡眠の質の低下、またストレスも要因の一つですから、新型コロナウイルス感染症の流行も影響しているのでしょう。お子さんですと食生活の変化から顎が小さくなって歯が正しく生えそろわなかったり、心理的な要因から指しゃぶりをやめられなかったり、マスク生活の影響もあってかお口がポカンと開いてしまっている子も目立ちます。口呼吸は歯並びだけでなく全身にも影響するので要注意です。「歯磨きをきちんとしていれば大丈夫」と思う親御さんもいらっしゃいますが、このようにフッ素塗布や歯磨きだけでは解決しない原因も増えているんです。これからの「予防」には、多角的なアプローチが必要なのだと思います。
ところで、先生はなぜ歯科医師をめざしたのですか?
歯科医師だった祖父と父の影響が大きかったのは間違いありません。物心つく頃には、自然と「将来は医師か歯科医師になるのだろう」と思っていました。その後、2人の背中を追いかけるように歯学部へ。父は寡黙な人でしたが、患者さんや仕事に対する熱量はすごいものがありました。そんな父のように地域の人々に慕われ、日々多くの方を診られる歯科医師になることが長年の目標だったんです。開業して20年近く。当初は無我夢中で診療にあたっていましたが、長く通われている患者さんたちから、「ここで開業してくれて良かった」と感謝されるたびにやりがいを実感します。それは、「もっと頑張らないと」と初心に立ち戻らせてくれるありがたい言葉でもあります。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

当院は、何かに特化している歯科医院ではありません。しかし、受診されるすべての患者さんに最善の治療を提供できるよう取り組んでいます。子どもたちからお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんまで。家族全員を診られる地域のかかりつけ歯科医院として、誠実かつ精密な診療、また正しい情報提供に努めることが私たちの役割です。歯や口で何か困ったことがあれば、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは成人矯正歯科/85万8000円~、小児矯正歯科/41万8000円~、インプラント治療(1本)/19万8000円~