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小林 淳一 理事長の独自取材記事

神奈川レディースクリニック

(横浜市神奈川区/東神奈川駅)

最終更新日:2024/07/26

小林淳一理事長 神奈川レディースクリニック main

東急東横線東白楽駅とJR横浜線東神奈川駅、京急本線京急東神奈川駅から徒歩圏内にある「神奈川レディースクリニック」。清潔で広々とした明るい待合室は、快適に待ち時間を過ごせるようになっている。理事長の小林淳一先生は、まだ日本で広く体外受精が行われていなかった頃から不妊治療や不育症治療に取り組み、多くの女性たちの支えになってきたベテラン医師だ。多くの患者の願いをかなえたいと、朝7時から夜の11時まで、365日休まず仕事に励む小林理事長。動物好きで、家に帰ればたくさんの犬に囲まれ「まるで動物王国のよう」と話し、自らを「普通のおじさんですから」と笑顔を見せる。そんな小林理事長に、不妊治療の歴史からクリニックの診療、新しく始まった保険診療に至るまで、余すところなく話を聞いた。

(取材日2022年7月17日/更新日2024年7月18日)

黎明期から40年以上にわたって、不妊治療に取り組む

医師をめざしたきっかけを教えてください。

小林淳一理事長 神奈川レディースクリニック1

私は山梨県出身で、1971年から慶應義塾高等学校に通学するため、日吉の伯父の家に下宿していました。この辺は自転車でしょっちゅう走り回っていましたね(笑)。父は車のディーラーをやっていて、長男だった私は、本来なら父の仕事を継ぐべきなのでしょうが、父からは一言も継げとは言われませんでした。その代わり、どんな職業にでも就けるようしっかりと成績を残しなさいと言われ、それなら医学部に行けるくらいの成績を残そうと思ったのがきっかけです。

では、不妊治療に関わることになった理由は?

私は高校の時にボートを始めて、大学まで続けていたのですが、そのボート部の顧問の先生が産婦人科の教授で不妊治療に携わっていました。その縁で、卒業後に同大学の産婦人科に入局し、不妊治療に関わるようになりました。当時、体外受精はまだ日本では広く行われておらず、産婦人科は、周産期医療の「出産」か婦人科の「がん」かの両極で、中間のリプロダクション、すなわち不妊治療の分野すらない大学がほとんどでした。慶應義塾大学でもまだ本当に狭い分野で、何もないところからのスタートだったので、目的もゴールもわからないまま大海を泳ぐようでしたね。しかも、その頃の不妊治療はとても簡単だったので、まさかこんなに技術が進歩し、奥が深い分野になるとは思ってもいませんでした。

当時の不妊治療はどのように行われていたのですか。

小林淳一理事長 神奈川レディースクリニック2

最初は何もなかったので、基本的なところから全部自分たちで行っていました。粉を混ぜる作業もあるので空調がつけられず、真夏のように汗だくになって作業していました。今でこそ当たり前に在籍している培養士も当時はいませんでしたから、何から何まで自分たちで行っていました。「済生会神奈川県病院」に勤務していた30代の頃は、不妊治療からお産、がんの治療と全部行っていたので、これでは体が持たないと思い、「新横浜母と子の病院」に移って、不妊治療から出産までを担当するようになりました。

理事長を中心としたチームによる総合力で患者を支える

では、こちらの特徴を教えてください。

小林淳一理事長 神奈川レディースクリニック3

ずばり「総合力」だと思います。私はあくまで医師部門の一員に過ぎず、後ろには多くのスタッフが連携をとりながら患者さんを支えています。また、患者さんの不安や悩みを受け止めるために、スタッフそれぞれが相談窓口になっています。例えば、カウンセラーと培養士では、患者さんに同じことを話すのに違う表現になることがあります。さまざまな分野から意見を聞くことができるので、院内でセカンドオピニオンができる感じです。不妊治療は、患者さんがいかに妊娠できる卵を排卵できるかが鍵なので、育った卵は一つも無駄にしたくないと思っています。また、不妊治療と併せて不育症治療に力を入れているのも当院の特徴だと思います。

設備面ではどういった特徴がありますか。

当院は先進医療実施施設として、タイムラプスを用いたシステムを導入し、患者さんの胚を24時間監視できるようにしました。培養庫内にカメラが設置されていて、胚を一定間隔で24時間撮影するので、培養庫から胚を出すことなくリアルタイムで観察ができます。それにより、体内環境に合わせた温度、湿度、ガス濃度に近づけることができるので、胚にストレスがかかりにくく、撮影された画像をもとに、複数の胚から良好なものを選び出すことが図れます。もし途中で成長が止まってしまっても、どの時点で止まったのかの確認、分析ができるので、次回以降の培養に生かすことができます。精度の高い体外受精で、1つでも多くの正常胚を、妊娠から出産にまでつなげていきたいと思っています。

スタッフの体制について教えてください。

最初は8人で始めたクリニックですが、今は20人の培養士と28人の看護師、私を含めた常勤医師、非常勤医師が8人、その他スタッフも含めると、総勢80人以上にもなります。オープン当初から残っているスタッフも多く、患者さんへの説明が行きわたるようにとカウンセリング部門を立ち上げたり、培養士による相談対応を始めたりして、1つだった診察室も今は3つに増えました。スタッフ間の情報共有や、個々のスキルアップにも力を入れ、大学院で勉強している培養士もいます。

スタッフ対応について心がけていることは?

小林淳一理事長 神奈川レディースクリニック4

私が医療の分野において重要だと考えるのは「個々のスタッフがキャリアアップしながら、なんでも言える風通しの良い環境」です。患者さんについてスタッフが意見したとき、理事長が聞く耳を持たなければ、もう何も言えなくなってしまいますよね。そんなことのないよう、必ず思ったことを自分の言葉で言い、隠さずに報告ができる環境が、医療の現場には絶対に必要だと思っています。私を含めて誰でもミスをすることがあるのですから、ヒヤリハットの段階で共有して解決できるように、スタッフがミスを隠したり萎縮したりすることがない雰囲気づくりにも努めています。

患者の気持ちを重視して、一人ひとりに適した治療を

先生が、診療の中で心がけていることは?

小林淳一理事長 神奈川レディースクリニック5

手際よく診療を行うことでしょうか。患者さんに対して長々と話すのではなく、じゃあこうしようか、こうやってみようか、というように手際よく提案を出すようにしています。不妊治療の領域は、あれこれ言うよりも黙って結果を出すことが一番いいことなのです。また「頑張る」「やめたほうがいい」という言葉は、患者さんにストレスになるので言わないようにしています。こちらからいくつか提案をしたら、治療の選択権は患者さんにあります。患者さんがやりたくないと言ったら決して無理強いはしません。患者さんが少し休みたいと思ったら休んでいただきます。患者さんの気持ちを最優先にするのが、当院の考え方です。また、今まで妊娠できなかったのが、もしも当院で妊娠できたとしても、私は「今までの治療が悪かったわけではなく、たまたまそういう卵と出会うことができた。患者さん自身の運ですよ」とお伝えしたいと考えています。

不妊治療の保険適用にはどのように対応していますか。

不妊治療が保険適用になるのは良いことだと思いますが、課題もあると感じています。保険適用には、年齢制限や治療回数の制限、使ってよい薬など細かいルールがあるのですが、不妊治療は原因が多岐にわたり、個人差が大きく、治療方法も多様でしかも早いスピードで進展しています。保険適用による画一的な検査や治療では、妊娠が期待できない患者さんもいらっしゃるので、葛藤を感じることが少なくないのです。今後、私たち現場の意見を取り入れて、医学の進歩に対応できるように仕組みが改善されていくといいなと思っています。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

小林淳一理事長 神奈川レディースクリニック6

当院は、何もないところからスタートし、20年以上、不妊症や不育症、着床不全など、さまざまなテーマの診療に取り組んでいます。医師や培養士、看護師、カウンセラーなど、クリニックのスタッフ全員が、さまざまな角度から患者さんをサポートしますので、安心して受診してください。不妊症と不育症の両方を持っている人は多いので、どんな状況なのかを理解するためにも、まず検査をして、もし体の異常が見つかったら、そこでいろいろと対策を考えていきましょう。一歩を踏み出す勇気は、ご本人同様、パートナーにも必要です。可能性が小さいと思っても諦めずに、当院を上手に利用して、納得できる治療と満足のいく結果を手に入れてほしいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養/3万3000円~

【不妊治療】
35歳_卵管性不妊にて体外受精1回目、卵巣誘発法は、HMG+アンタゴニスト法
初期胚1個移植し、残った胚3個(胚盤胞)を凍結保存した場合/1周期目:1万3200円~、2周期目:49万円~52万5000円

40歳_男性因子不妊にて体外受精1回目(顕微授精適応)、卵巣刺激法は、ショート法。8個採卵し顕微授精、初期胚1個移植し、
残った胚4個(胚盤胞)を凍結保存した場合/1周期目:2万4200円~、2周期目:56万円~59万5000円

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