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本内充雄 院長の独自取材記事

戸塚デンタルクリニック

(川口市/東川口駅)

最終更新日:2020/04/01

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クリニックのドアを開けると、夏らしいアロハシャツ姿で迎えてくれたのは、「戸塚デンタルクリニック」院長の本内充雄先生。歯科医師として40年ものキャリアを積んだベテランドクターだ。相手を緊張させない優しい笑顔に、安心する患者も多いだろう。今回のインタビューで感じたのは、本内先生のお話の中には、常に人との関わりが感じられるということだった。家族や学生時代の仲間、恩師、そして患者−−。取材後、「出会った人との縁は切れないからね」とふとおっしゃったのが印象的だ。長きに渡る歯科医師人生を通じて、「地域の皆さんが長生きできるように貢献したい」と考えるようになったという本内先生。歯科医師を目指した理由から治療へのこだわりまで、幅広くお話を伺った。
(取材日2015年8月4日)

この地で25年。暮らしに根づいた医療を提供

この地域で開院されてどれくらいになりますか?

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当院を開院したのは1990年ですので、25年になります。それまでは東京都足立区に診療所を構えていました。私は福島県出身なのですが、この辺りは都内から実家に帰る通り道でもあるんですよね。昔は駅周辺も野原や砂利道が広がっていたものですが、地下鉄が通った頃からだいぶ活気が出てきて、景色もすっかり変わりました。患者さんは、当初から地域にお住いの方が、家族やご近所のクチコミで来てくださることが多いですね。それと、当院は駅の向かいのビルの3階にあって、ちょうどホームから中の様子が見えるので、沿線にお住まいの方が通勤帰りに来てくださることも多いですよ。

そもそも先生が歯科医師になろうと思ったのはなぜですか?

私は5人兄弟なのですが、16歳離れた兄が地元の福島で歯科医院を開業していました。当時は患者さんが1日80人、100人もいましたから、兄1人ではどうにも手が回らなくてですね。治療に使う石膏を練ったり、診療が終わった後に掃除をしたり、中学生の頃からいろいろ手伝っていたんです。兄はとても積極的で、町の歯科医師仲間と阿武隈ゼミというグループを立ち上げて、仕事が終わった後に勉強したりもしていました。そんなふうに、他の先生とも連携して地域のために頑張っている姿を見て、子どもながらに憧れを抱きました。自然に、「俺もやってみようかな」と思うようになり、その後、日本歯科大学に進学しました。

大学時代はどんな学生でしたか?

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最初の頃は、柔道部の活動が忙しくてあまり勉強しませんでしたね。といっても高校まではバスケットボール部でしたので、柔道はまったくの初心者。実は親父が警察官で、柔道をやっていたのですが、子どもが誰も親と同じ道に進まなかったので、せめて自分が柔道だけでも、って思いましてね。だけどいざ入部してみたら、国体に出場するほど強い選手がいて、練習でみんな投げられてしまうんですよ! とにかくハードな部活で常にクタクタになっていましたね。勉強に集中するため途中で辞めてしまったのですが、いい先輩や、一生付き合える仲間、強い絆を得ることができました。なかでも柔道部のOBで、のちに学長になった佐藤先生には大きな影響を受けましたね。「引き受けたからには自分に責任がある。しっかり務め、相手に尽くさなくてはならない」という先生の教えは、常に心に留めています。

必要なのは、患者の先を見据えた治療

大学卒業後は、どのような分野で鍛錬を積んだのですか?

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学生時代から、都内の歯科医院で土曜日だけアルバイトをしていました。そこでお世話になっていた井原先生という方は外科が得意で、そばで見ていてとても憧れましたね。ひどい歯周病の患者さんが、手術によって治っていくところを数多く見ているので、いつか自分もあんなふうにできるようになりたいと思っていました。それで、卒業後もしばらく先生のもとでお世話になり、技術を磨きました。また、ちょうどその頃はインプラント治療が広まり始めた頃で、技術を修得するために私も懸命に勉強しましたし、実際に多くの治療も行ってきました。

現在のクリニックでも手術を多く行っているのですか?

いいえ。若い頃は熱血漢というか、先ほどお伝えしたように手術で多くの人を治したいという気持ちでやってきましたが、いろいろな患者さんを診療するうちに、少しずつ考え方が変わってきました。なぜなら高齢になると、寝たきりになる方が多いことを目の当たりにしたからです。すると、口腔内の衛生が保てなくなり、例えばインプラントを入れた部分が炎症を起こしてしまったときなどに、患者さんが歯科医院に来られないという状況になります。訪問診療を行うとしてもできることには限りがありますし、本来は元気なうちに来ていただけるといいのですが。ただ、それより重要なのは、磨き方を身につけることだとも思いました。そうすれば、そもそも歯を失わずにすむのですから。

今、特に力を入れている治療について、ぜひお聞かせください。

痛くない治療です。無痛治療というと、麻酔で痛みを取り除くというイメージがあるかと思いますが、私の場合は違います。虫歯で歯を削る際に、麻酔を使わずに、そして患者さんに痛みを感じさせず、どこまで削れるかという挑戦なのです。麻酔をすると痛みを感じないため、必要以上に削れてしまうこともあります。もし神経に近い部分まで削ってしまった場合は、あとから痛みが出てくることもあります。そこで、私は麻酔を使わずに、痛みを感じさせないように虫歯の部分を少しずつ削り、適切な処置を行うという方法をとっています。ただ、神経まで感染している虫歯は、神経を取らなくてはいけませんから、そういったケースだけは麻酔をします。歯は一生使うものですし、失くしてしまったら元には戻りません。患者さんの歯をできるだけ残すために、削る部分を少なくし、神経も取らない方法に力を入れたいのです。

治療の際は、どんなことを心がけていらっしゃいますか?

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まずはブラシをかけるところから始めています。すると、普段のお手入れの状況がわかりますよね。あまり磨けていないようなら、「こんな感じでやっていくと、きれいになりますよ」ってアドバイスしながらね。よく患者さんに言っているのは、「歯磨きは新幹線じゃなくて、各駅停車だよ」ということ。サーッと通り過ぎずに、1ヵ所ずつ止まってしっかり磨いていくという意味なんですけどね。すると、家に帰って一生懸命やってくれたりします。ただ、やっぱり家に帰るとやらなくなってしまう人もいます。すると、繰り返し虫歯をつくってしまいます。こうなってくると根くらべですね。ですが、決して「磨きなさい」とは言いません。なぜ磨いたほうがいいのか、本人が理解できないうちは続かないと思いますので、患者さんに気づきを与えられるような言葉をかけていけたらと思っています。

地域の人々の健康と長寿を願って

やりがいを感じるのはどんなときですか?

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やはり「噛めるようになった」とか、「味の感覚が戻ってきたよ」なんて言葉をもらうとやりがいを感じますね。痛いところだけを治してほしいという人もいるかと思いますが、私はお口の中を全体的に診て、実態をきちんと伝えることが大事だと思っています。その上で全部きれいに治療して、これまでとの違いを実感してもらえたらうれしいですね。そのためにも患者さんとのコミュニケーションを大切にして、もし自分が患者の立場なら、どうしてほしいかということを常に意識しています。

患者さんとのエピソードなどはございますか?

子どもの患者さんには、「歯磨きをおじいちゃんやおばあちゃんに教えてあげてね」って言うのですが、「おじいちゃん入れ歯だもん」なんて返されることがあります。ですが、入れ歯でも口の中はきれいに磨かなくてはいけません。食べものには空気中の細菌がついているので、それを口に入れたら細菌が入ったことになるでしょう? 口の中は粘膜がありますから、細菌がたまらないようにしっかり磨く必要があるのです。そんなことを子どもにも丁寧に説明してあげるんですね。そうすると、「わかった!」って言ってくれます。いずれ家族みんなの歯がきれいになったらいいなと思いますし、次の治療で「きれいに磨いてきたよ!」なんて言われると、私もうれしくなりますね。

お忙しい中、ご自身の健康法などあれば教えていただけますか?

楽しみなのは、ゴルフとテニスですね。どちらもスクールに通っていて、特にテニスは10年以上になります。ゴルフは最近ボールが飛ぶようになってきて、これがすごくうれしいですね。あと、スポーツクラブでエアロビクスに参加することもあります。正直、最初はすごく抵抗を感じました。スタジオの外から見ていて、「あんな動きできるかな」とか「ちょっと恥ずかしいな」って。でも、とにかく挑戦しなければ自分が成長できないんです。「健康には運動と歯磨きが大事」なんて言っておきながら、自分が何もしなければ相手は動いてくれませんから。やってみたら楽しくて、今は恥ずかしいなんてまったく思いませんけれども。それに、スポーツクラブに行くと若い人たちと交流できるから、それも健康でいるための秘訣かなと思っています。

ありがとうございます。最後に、今後の展望をお願いいたします。

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歯科医師として一番の願いは、地域の人たちに健康で長生きしてほしいということです。自分の家族に対してそう思うのと同じように。やはり、患者さんから「隣の〇〇さんが亡くなってね」なんて話を聞くと、悲しいじゃないですか。長生きのためには運動することと、口の中の細菌を除去することが大事です。高齢者がいざ寝たきりになると、介護をされる側もする側も、なかなか治療に通えなくなりますから、そうなる前に、定期的に足を運んでいただけたらと思いますし、上手な磨き方を身につけておくことが大切なんです。そういったことを、日々の治療の中でもしっかり伝えていきたいですね。

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