長い時間軸で考える
ライフステージに合わせた歯科治療
神山歯科医院
(深谷市/大麻生駅)
最終更新日:2024/12/25


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歯科医院には10~20代の若い世代から90代の高齢者まで、さまざまな年代の患者が訪れる。「神山歯科医院」の神山剛史院長は「人生100年時代」のライフステージを長い時間軸で捉えながら、各年代に応じた歯科治療を行っている。例えば30代までは天然の歯を守り、歯を失うリスクを低減させられるような生活習慣を身につけることが大切だ。しかし50代を過ぎると喪失歯数が増加する傾向にあるため、それ以上歯を失わないことが重要課題となる。歯の喪失のドミノ倒しを防ぐことに努め、噛み合わせの確立を図ったら、80代以降は生活の質(QOL)を維持・向上させていくための治療をめざす。なぜこのように歯科治療の目的が変化していくのか。神山院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2024年9月9日)
目次
ライフステージによって歯科治療の目的は変わる。いつまでもおいしく笑顔で、生き生きとした人生を
- Qライフステージに合わせた治療とは、どのようなものですか?
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A
▲患者一人ひとりに合わせて、満足度が高くなるような治療をめざす
厚生労働省が定期的に行う歯科疾患実態調査の1人あたりの平均喪失歯数データによると、歯を失う本数の平均は50代を過ぎると増えていきます。つまり40代以下の方にはできる限り歯を失うリスクを減らすための治療を、喪失歯数が増加傾向にある50代以上の方は、これ以上歯を失わないような治療をめざすことが重要なんです。もちろん個人差はありますが、年代によって歯科治療の目的は変わるもの。人生100年時代、いつまでもおいしく食べて笑顔で過ごすためには「歯」の健康が欠かせません。患者さんが「受けて良かった」と思える歯科治療で、健康的な生活をサポートしていきたいですね。
- Qこちらのクリニックの検査の特徴を教えてください。
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A
▲「しっかり噛める」環境づくりが大切だという
当院では常に全体像から局所を見ていくことが大切だと考えています。例えば一部の歯が痛いとき、お口全体の噛み合わせの悪さが原因の場合があります。その場合は、噛み合わせを良い方向に導いていかないと、何度も同じ部分の痛みに悩まされ、いずれは歯を失うことになってしまうかもしれません。当院では型採り用のほかかぶせもの用の口腔内スキャナーも導入しており、噛んだ際の圧力を測ることが可能です。フェイススキャナーで取った顔全体のデータや、CTの撮影画像も組み合わせて噛み合わせも含めた現状を把握。さらに治療前後の変化をシミュレーションすることで患者さんの理解度を高め、納得して治療を受けていただくことにつながります。
- Q10~20代など若い世代の方へのアドバイスはありますか?
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A
▲将来の歯周病リスクを減らすためにも管理しやすい口腔内をめざす
若い方には、まずはしっかりとした食生活や歯磨きなど、基本的な生活習慣を身につけてほしいと思います。つまり虫歯や歯周病になるリスクを、可能な限り減らすことが大切なのです。必然的に歯列矯正の優先順位が高くなると考えます。なぜなら、手入れがしやすく汚れのたまりにくい、再びトラブルが起きにくい噛み合わせを構築することが望めるからです。また、成長期は顎の骨の成長に合わせて自分の歯は適度に動きますが、インプラントは骨に固定され動きません。その点から、成長期に歯を失った場合のインプラントは慎重に検討する必要性があります。
- Q40~50代で、既に歯を数本失っている方々はどうでしょう?
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A
▲インプラント治療によって、QOLの向上につながることも
特に歯を失うボーダーラインの50代以上の方の場合、これ以上歯を失わないための治療をめざします。失った歯を補う方法にはブリッジやインプラント治療などがありますが、ブリッジは喪失歯の両隣の健康な歯を削り大きな負担をかけることになるので、私は両隣の歯に悪影響を与えないインプラントをお勧めしたいです。ほかの健康な歯を守り、歯を失わないようにするためには「しっかり噛める」環境づくりが大切。多くの場合、負担の大きな奥歯から順に失いますから、1本失った段階でお口全体の現状をしっかり把握して、ドミノ倒しに歯を失わないようにすることが重要。数十年後のためにあえて抜歯をして噛み合わせを調整することもありますね。
- Qご高齢の方はどのような治療をお考えになりますか?
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A
▲患者のより良い生活のために、負担の少ない治療をめざす
50~60代で噛み合わせをしっかり確立することへ導いた上で、その後はQOLの維持・向上を重視します。お口の中に多少の問題点があっても、痛みもなくご本人が生活に満足されていることが重要。できる限り治療期間が短く負担も少なく、かつ成果が望めると思われる方法を経済的負担に配慮しながらご提案しています。また80代を過ぎると、いつ通院が難しくなるかわかりません。噛み合わせの設計をシンプルにして、やり直しの少なさを重視したプランを提案するよう心がけています。ただ、あくまで患者さんの希望が第一ですから、ご要望の中で患者さんのQOL向上につながるよう、私も全力を尽くします。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/88万円~、インプラント治療/44万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。