小林 久純 院長の独自取材記事
Q's dental clinic
(春日部市/藤の牛島駅)
最終更新日:2026/03/13
開発の進む閑静な住宅街の中にある「Q's dental clinic」は、一見して歯科医院とは思えない風情が特徴。院内には小林久純院長が自ら制作または選び抜いた季節感あるインテリア小物や、木製の列車の玩具などが置かれ、まるでカフェのような落ち着きのある空間が広がっている。小林院長は、長年大学病院で入れ歯などの補綴(ほてつ)を専門に手がけていた人物で、確かな知識と見識を持っている。そんな小林院長に、歯科診療において大切にしていることから趣味まで、幅広い話を聞いた。
(取材日2016年6月28日/情報更新日2026年3月6日)
子どもの抵抗感をなくすための歯科医院らしくない造り
まるでカフェか洋菓子店のようなおしゃれな外観ですね。とても歯科医院には見えません。

とにかく歯科医院らしくない造りを心がけました。主に子ども向けなんですが、歯医者が苦手な子どもは歯医者の建物を見ただけで拒否反応を示したりするじゃないですか。ですから名前も子どもにわかりにくいようにアルファベットにし、見た目もお菓子屋さんのようにして、ぱっと見ただけでは歯科医院とはわからないように工夫しました。そうすればとにかく中に入るまでは、すんなり入ってくれるのではないかと思いましてね。で、中に入ったら小さな噴水や列車のおもちゃなどがありますから、少しでも楽しい雰囲気になってもらいたいと思っています。
それでも泣いてしまうお子さんもいるのではないですか?
確かにいます。でも治療前に雰囲気で泣いている子は、きちんと話をすればわかってくれます。治療の痛みで泣いているわけではないのですから、まずは思いきり泣いてもらって、落ち着いてきたら、「診察台に座ってみよう、口を開けてみよう」と一段階ずつ褒めながら進めていけば、ここはそんなに怖いところじゃないとわかってもらえます。そうすれば私を信用してくれるようになりますので、注射や治療もできるようになります。またお母さんが治療中に待っていられるように、診察室内にちょっとした乗り物なども用意しています。小さなお子さんを育児中のお母さん方は、どうしても受診のタイミングを逃してしまって重症化させがちです。ひどくなってしまうと通院期間も長くなったりして負担も大きくなります。当院はお子さん連れでも大歓迎ですから、遠慮せずに早めにご来院ください。
診察の予約は一人30分で受けているそうですね。

歯科診療というのは最初から時間の予測がつくものではないんです。予想以上に時間がかかってしまって、他の患者さんをお待たせするのは申し訳ないですし、私自身お待たせしているのがストレスに感じてしまいますので、少々のことならば吸収できるような時間配分にさせていただいています。そうすることで、お子さんと話をするのにも時間をかけられますしね。当院は親子で通ってくださっている方も多いんですよ。お母さんが治療しているのを間近で見れば、お子さんも「どうも怖くはなさそうだ」と実感できますから、親子診療のメリットは大きいんです。
子どもに予防習慣を身につけさせるための工夫が豊富
ご実家のあった場所でご開業されたのですか?

幸い、広い土地がありましたので、こちらで開業しました。土地代の分、経費を抑えてインテリアなどに凝れますからね。大学に勤めていた頃は局部床義歯、いわゆる入れ歯を専門にしていました。今いらっしゃっている患者さんは小さいお子さんを連れたお母さま方や、ご高齢の方が中心です。ですので専門分野が少しでもお役に立てているのではないかと思っています。
診療において大切になさっていることは何でしょうか?
虫歯などの治療期間中に、妙な噛み合わせを我慢したり、特定の場所で噛めないようになったり、という経験がある方は多いと思います。当院では、治療で抜いたり削ったりしても、来院された時と同じ噛み合わせや口内環境にしてお帰りいただくようにしています。いくら治療期間中だからといって、自分の歯で元と同じように食事ができないようでは駄目です。入れ歯を使えるように少し加工・修理する、仮歯を入れる、などの対応を当院では行っています。歯科診療はただでさえ気持ちの負担が大きいものです。どんな時も今ある歯の機能を維持することは大切なことだと思っています。私は、当院での診療体制をできるだけ大学病院での治療のレベルに近づけたいと思っています。また診察台は回転式のものを導入し、治療の前にきちんと顔を見てご説明し納得いただいてから治療に入るようにしています。
お子さんの良い予防習慣のために工夫されていますね。

歯の定期検診よりは、とにかくフッ素を塗りに行こう、というほうが子どもにとってハードルが低いのではないかと思っています。フッ素塗布には気軽に来ていただいていますし、来院の頻度が増えればそれだけ虫歯などの早期発見につながります。早く見つけた虫歯の治療は楽ですし、子ども本人も痛みなどが出る前に治療しますから楽なはずです。またデンタルノートに検診のたびに記入しますが、良い記録になりますし、子どもにとっても記入されたページが増えるごとに達成感があるでしょう。当院には通院を楽しみにしていらっしゃるお子さんも大勢います。こういうことから歯科の苦手意識をなくして良好な定期検診の習慣がつけば、歯の健康を守ることにつながり、ひいては地域医療に少しでも貢献できればうれしいですね。
自分の生活習慣に合わせた治療を選択することも大切
待合室のよろいかぶとの飾りは院長のお手製だそうですね。

子どもの節句祝いに合わせて作りました。市販のキットを利用して作りましたが、それでも1年かかりました。実は娘用におひなさまも作りまして、それは3月に登場します。待合室では、お正月飾りに始まり、おひなさま、よろいかぶと、ハロウィーン、クリスマスなどと季節ごとの飾りを置いて楽しんでいただいています。また写真が趣味の患者さんが季節ごとにご自分の作品を持ってきてくださるので、華やかな空間になっています。最近は娘の幼稚園入園に合わせてランチョンマットに刺繍をしました。今はちょっと疲れを癒やしているので、もう少ししたら次の作品を考えたいと思っています。
日頃意識している健康法などはありますか?
それがまったくないんですよ。患者さんには、定期検診にはぜひ来てください、とお願いはしていますが。とにかくお子さんを中心に予防と定期検診の意識を少しでも高めることができれば、と思っています。何人かでも良いので、自分の歯に対する関心を持ってもらって、きちんとセルフケアができるようになれば、その子がまた親になって子どもに継承してくれれば、予防の裾野がどんどん広がっていくと思うんですね。痛くなったら削って埋めて、の繰り返しでは行き着く先は見えています。自分の歯の健康を大切に守ることをぜひ意識していただきたいですね。
最後に読者へのメッセージをお願いできますか?

昨今、失ってしまった歯に対する処置方法としてインプラントが取り上げられていますが、勧められるままインプラントにする前に、ぜひよくお考えいただきたいと思います。人工物と自分の体に元からあるものとでは、やはり自分の体にあるもののほうが丈夫で長持ちします。例えば歯周病で失ってしまった歯をインプラントにする場合、インプラントを入れた途端にご本人の歯の健康に対する意識を急激に変えられるでしょうか? 残った歯の手入れやインプラントの手入れをしっかり行ってこそ歯の健康が保てますが、これまでどおりの生活習慣ですといずれ順番に歯が抜けてインプラントに、という結果になりかねません。インプラントだけでなく、ほかに患者さんに適した治療法もあるはずです。どんな治療に対してもきちんと説明を受けて納得した上で治療を受けていただきたいですね。

