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田中 宏尚 院長の独自取材記事

あい歯科こども矯正+ファミリー歯科クリニック

(広島市佐伯区/佐伯区役所前駅)

最終更新日:2025/02/13

田中宏尚院長 あい歯科こども矯正+ファミリー歯科クリニック main

五日市五丁目口バス停から徒歩6分、ショッピングモールの別館にある「あい歯科こども矯正+ファミリー歯科クリニック」。増床リニューアルし、院内は小児歯科と一般歯科でフロアが分かれている。小児歯科のスペースは遊園地のようにポップでカラフル。田中宏尚院長の「明るい気持ちで受診してほしい」という思いが伝わってくる。2001年の開業以来、地域に根差した「治療をしないために通うクリニック」をめざし、口腔内だけでなく全身の健康を見据えた診療を行う院長に、同院の診療の特徴やリニューアルの意図などを聞いた。

(取材日2024年3月18日)

口腔内だけでなく姿勢指導など全身を通して予防を促進

歯科医師をめざしたきっかけや開業までの経緯を教えてください。

田中宏尚院長 あい歯科こども矯正+ファミリー歯科クリニック1

父が薬剤師だったので、医療系の職業は身近な存在でした。また人の健康に携わって役に立ち、患者さんに満足してもらう仕事にやりがいを感じ歯科医師をめざしたのです。勤務医時代は兵庫県内にある、歯周病治療やインプラント治療、検診に注力するクリニックで研鑽を積みました。歯科医師が多く在籍する大きなクリニックでしたので、先輩から受ける刺激や学ぶことが多かったですね。当時はとにかく早く一人前になりたくて勉強会にも積極的に参加していました。そうして3年目に当院を開業。この場所を選んだのは地元だったからです。この辺りは子どもの頃によく遊んでいた場所で、この建物も当時からあるものなんですよ。

こちらのクリニックのモットーをお聞かせください。

「治療をしないために通うクリニック」をめざし予防を重視し、必要以上に歯を削らない治療をモットーにしています。そのために対症療法ではなく定期検診に重きを置いた、当院独自の診療システムを採用しているのです。具体的には、初診で応急処置をした後、唾液チェックで細菌リスクや炎症の有無などを分析。その結果をもとに本格的な治療に進み、治療後は予防のためのお掃除とカウンセリングを行います。歯科に詳しくない方に単に「歯磨きをしてください」とお願いしてもモチベーションは上がらないでしょう。ですから口腔ケアの目的と背景にあるリスクをお伝えし、理解していただきながら治療を進めていけるようなシステムをつくりました。

予防を重要視しているのはなぜでしょうか?

田中宏尚院長 あい歯科こども矯正+ファミリー歯科クリニック2

当院が考える「予防」では、口腔内だけに限らず全身を診ています。治療の回数を減らす、あるいは悪い口腔環境をつくらないための予防が、全身の健康につながるという考えなのです。小児矯正に注力しているのも、根底に予防的な概念があるからです。こう考えるようになったきっかけは趣味のトライアスロンでした。そこで出会ったトレーナーさんと話をする中で、歯科医師の立場から小児の発達や健康に関われないかと考えるようになったのです。それから姿勢咬合のセミナーを見つけて行ってみたところ、口周りの筋肉の発達具合が顎の成長や歯並びに影響を与えることもあると知りました。さらに口呼吸や睡眠呼吸障害との関係も学びを深くし、小児のうちから口周りの筋肉の成長に介入することが、将来の全身の健康づくりにつながると確信したのです。

そうして姿勢や口周りの筋肉への指導にも注力するようになったのですね。

ええ。頭蓋が後屈するとオトガイ舌骨筋という筋肉が緊張し、口が開いてしまいます。この舌と上顎の関係が絶たれた状態が口呼吸であり、睡眠呼吸障害のリスクが高くなる他、歯並びに悪く影響することもあります。頭の位置や角度は背骨で決まることから、当院では姿勢の指導に注力しているのです。舌が上顎についていると、蝶形骨という頭の骨の成長が促され、この結果顔の前方成長が起こり、咽頭が広くなります。この舌と上顎の関係を保つためには良い姿勢や体幹が必要です。この関係を無視して歯だけを並べても、舌による歯へのサポートがないため後戻りという結果になってしまうのです。近年猫背や寄りかかる姿勢の子どもが増えており、このことが原因となり呼吸や睡眠が乱されている可能性があります。歯並びの問題の裏には全身の健康が影響を受けている場合があることを親御さんに知っていただきたいです。

小児矯正に注力し将来治療の必要がない口腔内をめざす

最近、院内をリニューアルされたそうですね。

田中宏尚院長 あい歯科こども矯正+ファミリー歯科クリニック3

小児歯科に力を入れ始めてから、大人に加えて子どもの患者さんも増えて混雑し、手狭になっていました。そこで、増床して受付から右を小児歯科、左を一般歯科にフロアを分けました。小児歯科のフロアは「遊び場」をイメージ。歯医者嫌いでも楽しく通院できるよう、キッズスペースや大きな木のオブジェを囲む歯磨きスペースも備えました。また、子どもの骨の発達は気道の拡大など歯科にも関わるという観点から、発達に影響する姿勢を保つ体幹のトレーニングもできるよう、ボルダリングウォールやうんていを設置したのも念願の一つでした。

子どものうちに口腔環境を整えるために、具体的にどのような取り組みを提案されていますか?

筋機能トレーニングを提案しています。専用のマウスピース型の装置を使って呼吸法をトレーニング。必要があれば上顎を広げるための装置を併用し口腔の発育を助け、歯並びを誘導します。口呼吸は睡眠時無呼吸症候群のリスクの増加の他に、集中力の低下や多動などにつながる可能性も指摘されています。この場合も、筋機能トレーニングで行動の落ち着きを望める説があるんですよ。また早期から歯並びを整えることは、将来的な抜歯リスクの軽減が期待できるともいわれています。ただこの方法は発育期のお子さんにしかできません。ですから、混合歯列期を過ぎたらマウスピース型の装置を使ったトレーニングをします。上顎骨の成長のピークは8歳頃といわれているので、それまでに改善をめざすのが理想。矯正歯科は、当院では5歳から対象で、骨の発達に影響する姿勢や、姿勢を保つ体幹も考慮してアドバイスしています。

子どもの診療の際に、気をつけていることはありますか?

田中宏尚院長 あい歯科こども矯正+ファミリー歯科クリニック4

無理に治療しないことを鉄則としています。当院では、1人で診療室に入れないお子さんはまず、親御さんと一緒に検診を受けてもらいます。1人で入れるようになったら次は診療ユニットに座る、次はエックス線検査と段階を踏んで慣れてもらいます。虫歯がある場合は進行抑制のための薬を塗って、治療に慣れてもらうためのトレーニングを実施。そうした模擬治療を行ってから、実際に治療を始めているのです。コミュニケーションが取れると治療に前向きになることが多いのですが、そのあたりの対応はスタッフのほうが上手ですね。

治療回数を減らし、本当の健康を手に入れてほしい

大人の予防と定期メンテナンスの必要性を教えてください。

田中宏尚院長 あい歯科こども矯正+ファミリー歯科クリニック5

子どもの場合、歯科医師の介入で口腔の発育を正しい方向に修正していくことも望めますが、大人はそうはいきません。ですから現状維持を目標にケアを行っています。口腔内の病原体は、血流によって体の他の部分に影響することがあります。そうした病巣疾患を防ぐことも予防歯科の目的の一つなので、定期検診を推奨しているのです。ホームケアも大事ですが、3ヵ月に1回はクリニックでのメンテナンスを受けていただきたいですね。またお子さんの虫歯は、食べ物の口移しが原因だと考える方が多いのですが、細菌は一緒に生活しているだけで移るものだと考えられます。つまり親御さんが常に口腔内をきれいな状態にすることが、お子さんの予防にもつながります。

予防に関する独自の取り組みがあるそうですね。

小児の予防歯科に関しては、0~5歳が最も重要な時期だと考え、未就学児対象の「オハナクラブ」というクラブを開設しました。お子さんの状況に合わせた適切な予防プログラムを組んで、処置や検診を実施します。また55歳以上を対象にした「アロハクラブ」も開設しています。この年代からは誤嚥性肺炎などが起こりやすいとされるため、従来の歯科治療に加えて、口腔を含む全身に対する健康寿命を延ばすための健康サポートに力を注いでいます。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

田中宏尚院長 あい歯科こども矯正+ファミリー歯科クリニック6

今後は歯科医師も増やして、地域に根差すクリニックとしてできることを全うしたいです。その一つとして訪問診療を本格化し、健康寿命を延ばす一助になれたらと考えています。現代はインターネット社会でさまざまな情報があふれていますが、私は自分の足で学びに行き、得たものの中から正しいと思える情報を提供している自負があります。多くの情報から必要なものを提案できる力があると思っていますので「こんなことを聞いていいのかな」という場合も、気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

唾液検査/2500円、小児の歯列矯正/50万円~、大人の歯列矯正/80万円~、マウスピース型の装置を用いた矯正/40万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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