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秋山 清 院長の独自取材記事

秋山歯科クリニック

(熊本市中央区/花畑町駅)

最終更新日:2021/12/02

秋山清院長 秋山歯科クリニック main

商業施設や飲食店が立ち並ぶ中央区下通、通称銀座通りに面した「秋山歯科クリニック」。熊本市電・花畑町停留所から徒歩2分と利便性が高く、近隣に有料駐車場が多く自動車でのアクセスにも便利だ。秋山清院長は、患者との信頼関係を大切にし、患者が安心して治療を受けられるような診療体制をめざしている。その一方で患者の主体性を重視し、口内の健康を守るための啓発活動にも積極的だ。「なんともない」と言われるような治療をめざしているという秋山院長に、いろいろと話を聞いた。

(取材日2021年10月14日)

友人感覚での付き合いから広がる患者の輪

歯科医師を志したきっかけから開業までの経緯をお聞かせください。

秋山清院長 秋山歯科クリニック1

自分は本来文系で物書きになりたかったのですが、祖父と父が歯科医師という家庭の長男に生まれ、頑固親父だった父により、歯科医師になるというレールを敷かれてしまいました(笑)。それに対して当初は反発もありましたが、今となっては歯科医師になって良かったと思っています。大阪歯科大学を卒業後は大阪で勤務する予定でしたが、父が病気で倒れたため早々に帰郷し、父の秋山歯科診療所に16年勤務した後、この場所で開業しました。

どのような患者さんが多いですか?

近くに会社や役所などが多いので、やはりお勤めの方が多いですね。飲食店にお勤めの方も多かったんですが、新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、現在はだいぶ減ってしまいました。また近隣に学校などはありませんので、もともとお子さんは少ないですね。自分としては患者さんとは友人のような感覚でお付き合いさせていただくようにしているんですが、そのせいか知り合いから「歯のことで何かあったら秋山のところに行くといいよ」などと言われて来たという患者さんもよくいらっしゃいます。

印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

秋山清院長 秋山歯科クリニック2

かなり前から歯のことで困られていて、でも歯科は大嫌いという方が伯母の紹介でいらっしゃいました。恥ずかしいので口の中を女性のスタッフに見られたくないということで、初診時はすべて私が対応しましたが、ほとんどの歯がちゃんと噛めないような状態でした。最終的に上は総義歯に、下は残った歯を生かしてオーバーデンチャーにしたところ、「入れ歯をはめていても、なんともない」とたいへん喜んでいただけました。治療が終わってしばらくしてから、行きつけのお店でちらっと見かけましたが、何かおいしそうに召し上がっておられて、そのときは歯科医師冥利に尽きるような思いがしましたね。

先入観を持たず真っ白な気持ちで患者の声を聞く

診療方針として大事にしていることを教えてください。

秋山清院長 秋山歯科クリニック3

患者さんの主訴を、先入観を持たずに真っ白な気持ちでお聞きすることが大事だと思っています。診療経験が長くなると、どうしても先入観を持ってしまいがちになりますが、まず患者さんのお話を十分にお聞きして、こちらからも必要なことをご質問します。患者さん自身どこが痛いのかよくわかってなかったり、原因となっているところとは違うところが痛かったり、時には歯に異常がないのに痛いという方もいらっしゃいますから。まずそういったお話を伺ってから診察し、きちんと検査して診断し、それに対する治療の方法や期間、料金などをできるだけわかりやすく説明して、納得していただいた上で治療を始めます。ですから最初はある程度時間をかけて診察することになります。

患者さんと接する上で心がけていることはありますか?

患者さんが安心して治療を受けられるような環境をつくることです。安心していただくということは、私が患者さんに信用されるということです。そのためにまず患者さんのお名前と、できれば生年月日なども覚えるようにしています。お互いのバックボーンが把握できていることが、後の信頼関係につながります。それはスタッフにも伝えてあります。現在は取り外してしまいましたが、以前は私を含めたスタッフ全員のプロフィールを院内に掲示していました。そういったことからつくられる信頼関係を治療にも生かしていきたいですね。

診療において得意分野はありますか?

秋山清院長 秋山歯科クリニック4

歯科も現在はだいぶ細分化されてきていますが、特に得意としている分野はありません。「一般臨床医であればどの分野も60点以上であることを基準として、自分の好きな分野を伸ばしなさい」という恩師の教えのとおりの歯科医師になりました。でも強いて好きな分野を挙げるとしたら根管治療ですね。父から厳しく教え込まれた分野であり、自信もあります。患者さんが抜いてほしいと希望している場合を除いて、自分の技術と経験を最大限に生かして、残せそうな歯は極力抜かない治療を心がけています。あとは父の総義歯の技術についても、16年間の勤務を通して受け継ぎ、こだわりを持って作製と調整にあたっています。

歯の健康を守るために患者の意識も高めたい

ところで、お休みの日は何をしていますか?

秋山清院長 秋山歯科クリニック5

休日はボウリングかゴルフのどちらかが基本です。どちらも予定にない時は、散歩して気持ちのリフレッシュでしょうか。ボウリングは昔から得意でしたが、ある時久しぶりに甥っ子と一緒に行ったら下手になっていて。改めてボウリング教室に体験で行ったらハマってしまい、マイボールからシューズ、バッグ、ユニフォームまでそろえて練習していたのを偶然熊本県歯科医師会の先輩に見つかり、その場で歯科医師会のボウリング部に加入させられました(笑)。まだパーフェクトの経験はありませんが、ハイスコアは290です。平均で200以上出せないとカチンと来ます(笑)。でも最近はコロナ禍で大会がなくなってしまい、代わりに中断していたゴルフでストレスを解消しています。あと音楽が好きで、イギリスのとあるロックバンドを、母親がいつも聴いていたことから自分も子守唄代わりに育ち、今でもよく聴いて気分転換しています。

これからの目標にしていることなどはありますか?

父は75歳まで診療していましたが、私も歯科医師として働けるのはあと15年くらいかと思っています。その間は日本の歯科医療全体をより良くするために、医療制度の問題点を提起するような発信もしていきたいですね。現在も歯科衛生士の養成校で医療倫理を教えていますが、患者さんありきの診療姿勢を若い世代に伝えていきたいという思いもあります。単純に虫歯があるから削るという治療ではなく、どうやって削らずに患者さんの歯を守っていくかということが、これからの歯科診療の本流になっていくと思います。そのためには、家庭での正しいケアが不可欠です。治療すれば歯が健康になるわけではありません。早期発見・早期治療の時代は終わったと考えていいでしょう。現在は検査機器も進化し、削る必要のある虫歯かどうか、調べればわかるようになっています。そういったことを知っていただくための啓発活動にも力を入れていきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

秋山清院長 秋山歯科クリニック6

現代の医療は患者さんが主体です。患者さんが同意してくれなければ医療行為はできません。だから患者さんとしても正しい知識を得て、自分の考えを持ってほしいと思います。保険診療と自費診療にしても、それぞれの利点と欠点があり、保険診療には制限があります。そういったことも知っておいてほしいですね。僕自身は、治療が終わった患者さんに「なんともないです」と言っていただけたら安心します。常にそう言われるような治療をめざしています。もし満足いただけない場合はしっかり見直し、場合によってはやり直すこともあります。そういった姿勢でいたからこそ、今まで続けてこられたのだと思っています。これからも患者さんの歯の健康を守っていけるような診療をする一方で、患者さんの意識を高めていくような教育の必要性も訴えていきたいと思っています。

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