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中村 浩 院長の独自取材記事

なかむら歯科

(本巣市/モレラ岐阜駅)

最終更新日:2025/02/18

中村浩院長 なかむら歯科 main

本巣市にある「なかむら歯科」。中村浩院長は、手間を一切惜しまない診療を信条に、日々患者と向き合っている。「一生物の治療はない。だからこそ、患者さんには少ない負担で良い治療を提供し続けていきたい」と語り、保険診療をベースに治療プランを組み立てていく。患者のことを考え抜く中村院長が、開業当時からこだわるのは金属フリー。口腔内に金属があるリスクを考え、徹底しているという。もしも多くの歯を失ってしまった場合には、専門である義歯(入れ歯)治療を行うなどして、患者の「噛める」の維持に努めている。そんな中村院長に、診療に対する思いや歯を守ることの大切さなどをたっぷりと語ってもらった。

(取材日2025年1月27日)

1回の診療に時間をかけて、治療期間の短縮を図る

開業までの歩みについてお聞かせください。

中村浩院長 なかむら歯科1

父親が歯科医師で、診療所兼自宅で生活していたものですから、幼心に同じ道を歩むんだろうなって思っていましたね。朝日大学歯学部進学を機に、地元の京都から岐阜に出てきました。特に専門的に学んだのが入れ歯の治療です。大学院修了後には付属病院に入職して、その後もずっと義歯治療をメインに研鑽を積んできました。2001年に妻の地元で開業。地域の不動産屋さんから、ここに歯科医院をつくってくれたら助かると言われ、「それならば」と決めました。

どのような患者さんが多いですか?

得意としていることもあって、義歯治療を求める患者さんが多く、進行した歯周病などの相談もあります。メンテナンスで継続して通院する患者さんも多いです。他院のやり直し治療に関しても、スタッフからは「先生やり直しばっかりしてますね」と言われるくらいしています。「ほかの歯科医院で治療を受けてもなかなか改善しない」「お口のことで困っているから本気で治したい」という人に来てほしいですね。また、当院では治療に関する相談のみという方にも対応しています。これまでの経験から、治療の引き出しは多いので、当院では対応していない矯正治療やインプラント治療の説明も可能です。本当に聞きたいことがあれば、セカンドオピニオンでも歓迎しますので、お電話で予約をお願いします。当院が歯科治療の駆け込み寺になれればうれしいです。

朝7時から診療されているのも特徴の一つですね。

中村浩院長 なかむら歯科2

歯科衛生士の出勤するのが朝9時なので、その時間まではできることが限定的になりますが、7時から診療しています。診療は完全予約制で、治療もメンテナンスも1人あたり原則1時間かけて、一度にできることをとことんやりきるんです。メンテナンスで虫歯を見つけたらその場で治療しますし、臨機応変に対応するためにあらかじめ時間も確保しています。時間がかかる治療のときは、午前中いっぱい1人の患者さんに時間を取って治療を行うこともありますよ。何度も通ってもらう歯科医院は多いですが、治療期間が長くなるとその間に悪くなっていくこともあるため、個人的にはその方法が正解だと思いません。保険診療の範囲でできるだけ一気に治す。当院はこの方法で長年治療を行っており、半年以内に治療を完了させることをめざしています。

手間も時間も惜しまず患者のことだけを考える治療方針

診療で大事にされていることは何ですか?

中村浩院長 なかむら歯科3

保険診療を軸に、1回の診療でできることをやりきる。患者さんを噛めない状態で帰すようなことはしない。この2つに尽きます。例えば歯を1本抜いたら、必ずその日のうちに仮歯をつけています。何かが「減った」状態で患者さんを帰らせるのは、僕にとって耐え難いんです。どうしても仮歯が入れられないのなら、あらためて日程を調整します。仮歯も、急場しのぎのものではなく、きっちり作り上げるという点にもこだわっています。勤務医時代、よく先輩から「仮歯をきれいに作りすぎる」と言われました。実はこれ、褒め言葉ではないんです。仮歯の仕上がりがきれいだと、仮歯でも不自由ないと感じた患者さんは治療からフェードアウトしてしまうので、先輩としては「患者さんに次回も診療に来てもらえるような意識を持て」と言いたかったんでしょう。あとは、口腔内を健康的に保つ大切さを実感してもらうため、歯磨き指導も徹底しています。

患者さんにかける時間や熱量がすごく大きいと感じます。

歯磨き指導にしても、最初は1時間みっちり時間をかけます。指導中に僕や歯科衛生士が患者さんの歯を磨くのですが、普段自分で磨いているときと感覚が違うと驚かれると思いますよ。歯茎が炎症を起こしている方は、指導中に痛い思いをされることもあるかもしれません。でも、痛みを実感してもらうのはとても大事なことだと思っています。なぜなら、ナイロンのようにやわらかい素材で触れて血が出るなんて、すでに正常とはいえない状態になっているということ。ですから、歯磨き指導では、まずそれを理解してもらわなければいけないと思っています。「今は歯磨きだけで痛いと思っていても、きちんとケアを続けていけば改善が期待できる」とちゃんと説明して理解してもらう。一度痛感したら、治療後のメンテナンスの重要性も理解してもらいやすいですからね。

保険診療に重きを置かれているのはなぜですか?

中村浩院長 なかむら歯科4

僕の持論ですが、自費での治療は「保険診療ではできないことをやるためのもの」なんです。当院で対応していない矯正治療やインプラント治療以外のことなら、当院で保険で治療します。自由診療で良い素材で作った入れ歯でも、かぶせ物も、治療後のメンテナンスがきちんとできなければ、いずれ不具合が起きてしまいます。保険であれ自費であれ、一生持つ治療というのはありません。必ずしも「自費=長持ちする治療」とは言えませんし、費用面などで患者さんの負担の少ない保険できっちり治療するほうが良いと僕は思っているんです。要は手間を惜しまないのが一番大事。以前、入れ歯の作製を歯科技工士に依頼した際、手間のかけ方に対し「これって自費の入れ歯ですよね?」なんて歯科技工士から言われたこともありました。保険の入れ歯だと伝えたら驚かれましたけれど、僕にとっては当たり前なんですよね。

歯科医師である自分にできることを考え患者に伴走する

そのほか、大事にされていることはありますか?

中村浩院長 なかむら歯科5

補綴物の“金属フリー”は開業当初から徹底しています。口は内臓の入り口なので、金属を入れることは僕はしたくないんです。口の中に金属があれば、金属から発生したイオンを体に取り込み続けることになり、金属アレルギーを引き起こす可能性もあるんです。どうしても金属の補綴物を希望される場合は、なるべく体に影響が出にくい素材で対応しますが、基本的に金属を入れることはお勧めしません。歯周病治療についても同じ考え方です。歯周病の原因菌は体に良くない作用をしているから歯茎に炎症が起きるんです。原因菌を飲み込んでしまうことを考えたら、時間と手間を惜しまず、徹底的に治す必要があります。

治療後のメンテナンスの取り組みについてもお聞かせください。

治療後は、基本的には月1回、お口の状態を見せに来ていただくようお願いしています。入れ歯を作ったら、年に2回、多い方は年に3回のペースで入れ歯の状態をチェックして、メンテナンスを行います。口の中の状態は刻々と変化するため、メンテナンスは必要不可欠です。6回目のメンテナンスくらいが、次の入れ歯を作るタイミングになります。ただ、治療後の通院はあくまでも「お願い」程度にしています。僕らはあくまでもお口の健康を守るお手伝いをする立場です。メンテナンスは患者さんが必要性を感じて、自主的に取り組んでもらうものだと思います。良い状態を維持していくには、患者さん自身のご理解と頑張りが不可欠なんです。

先生にとって診療のやりがいとは何ですか?

中村浩院長 なかむら歯科6

やはり「噛める」を持続できるようにすることですね。噛めなくなると唾液が減って細菌も増殖しやすくなります。そうすると結果として口の中だけでなく、全身に影響を与えますから。入れ歯はよく「噛めない」「噛むと痛い」なんていわれますが、僕は、噛めないような入れ歯は入れ歯だと認めません。当院では、入れ歯のクッション材の使用も禁止しています。本来はしっかり噛めるはずのものなので、当院では入れ歯を入れたら「なんでも食べて良いよ」と伝えているんです。入れ歯は義手や義足と同じく、機能を補うもの。毎日ちゃんと噛めるという機能を果たせるように治療していくのが、僕の役割にほかならないと思っています。

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