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土居 聖 院長の独自取材記事

どいクリニック

(神戸市中央区/春日野道駅)

最終更新日:2022/01/28

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阪急神戸本線の春日野道駅より徒歩1分のところにある「どいクリニック」は、胃腸内科、外科を中心に診療を行う身近なホームドクターだ。院長を務める土居聖(きよし)先生は、約20年間の病院勤務の経験を経て、2008年に開業。以来、地域住民に寄り添い一人ひとりの体の悩みに本気で向き合っていくことを心がけているという。やわらかい物腰が特徴でどんなことでも気軽に相談しやすそうだ。そんな土居院長に、同院ならではの特徴や漢方薬と西洋薬を併用するスタイルなどについて話を聞いた。

(取材日2021年10月12日)

しっかりコミュニケーションを取り、丁寧に対応

どのような患者さんが多いですか?

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年齢層は幅広く、若い方から高齢の方までさまざまです。症状的には、外科系よりも内科系の患者さんが多いですね。特に、風邪、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の患者さんが目立ちます。また、時期によって増減はありますが、急性胃腸炎やノロウイルス感染症のような食中毒といった胃腸の疾患で来られる患者さんもいらっしゃいます。外科の患者さんでは、ちょっとしたけがや粉瘤などの症状で来られる方もおられます。内科、外科のみならず、「症状が治まらずどうすればいいかわからない」という患者さんに対しても幅広く対応しています。患者さんからご家族の健康相談をされることも多く、ご自宅でできる範囲での健康指導にも対応しています。

診療の際、患者さんに対して心がけていることは?

とにかく「丁寧に」ということですね。説明も、できるだけわかりやすく行うようにしています。相談するのが苦手な患者さんもいらっしゃるかと思いますので、うまく話を聞き出せるよう工夫しています。昔、おなかが痛くて下痢をしている、2〜3日前から微熱もあるという学生さんを診療したことがありました。最初は原因の見当がつかなかったんです。そこで、食中毒やノロウイルス感染症の可能性を考え、腹診をしながら外科的な疾患がないか診ていったのですが、生活のことや食べ物のことを聞いていくうちに、学校でプールの授業が始まったこと、さらにクーラーの効きすぎによる冷えがあったことが判明しました。患者さん一人ひとりの状況を考え、丁寧に診察することの重要性を改めて感じましたね。また、子どもの場合は、本人が訴えられないことを家族から聞き出すようにしており、そういった意味で、親御さんとのコミュニケーションもとても大切にしています。

こちらのクリニックでは、どのように感染症対策をされているのでしょうか。

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日頃から院内をまめに消毒することを心がけています。もしも発熱した人が来院するとそこで診療がストップしてしまうので、熱がある場合は事前に電話で連絡をしていただくようにお願いしています。「計っていないけれど、熱がありそう」という連絡でも構いません。熱がある方とない方が一緒にならないように、場合によってはクリニックの外でお待ちいただくことになるため、熱がある場合は必ずお電話で相談の上ご来院ください。新型コロナウイルス感染症のPCR検査が必要だと判断した場合、当院では対応できないため、検査ができる病院を紹介しています。地域連携室と連携を取り、患者さんが不安なく検査や治療を受けられるよう手配しますので、ご安心ください。新型コロナウイルス感染症の疑いがある患者さんの診療の際は、われわれスタッフも防護服を着て対応しています。

西洋医学と漢方医学の両方の観点から診療

こちらのクリニックでは漢方薬を治療に取り入れているとお聞きしました。

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診療に携わっていると、西洋医学的な検査では異常が見つからないのに、症状が治まらずつらいと訴えるケースに直面することがよくあります。そういう方に対しては、漢方の視点から診させていただくことが当院の特徴です。西洋薬と漢方薬を併用する場合もありますし、漢方薬だけ、西洋薬だけを用いる場合もあります。開業前に勤務していた坂上田病院では、急性期ではなく療養型の病床だったので、長い間入院している方が多く、褥瘡(じょくそう)、つまり床ずれができる方が多くいらっしゃって。栄養状態が良くなかったり、動けなかったりすると治りが非常に悪いので外科的な処置をするのですが、それでも難しいケースがあります。そういった場合に漢方薬が役立つことがあり、当院でも漢方を取り入れるようになりました。

漢方薬を希望される患者さんは多いですか?

最近はインターネットで検索され、漢方薬を求めて来院する人が増えていますね。皆さんいろいろな主訴で来院されています。体がつらい、下痢が止まらない、食欲がない、さまざまです。天候の変化で体調が変わるのがつらいという方もいらっしゃいます。西洋医学では診断がつかないと心療内科に行ってくださいと言われてしまうこともあると思います。もちろん、西洋医学で調べることも大事ですが、検査では見えないが、本人が感じている症状もあります。そういう場合に、漢方医学的視点で見ると所見があるケースがあるのです。

自分の症状に名前がつくだけでも、気分が楽になりそうです。

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以前、感染症から回復された方を診た時の経験です。その方は喉の渇きを訴えられました。しかし検査を受けるとウイルスの存在はもうない。おそらく、感染症で発熱したことで体の中に熱がこもって、陰陽のバランスが傾いた結果だと考えました。もちろん漢方ならすべてを解決できるというわけではありませんが、漢方が役立つ場面は多いです。

こちらでは院内処方をされていますね。

院内処方だと、その場ですぐ処方できるというメリットがあるのはもちろん、患者さんの医療費の負担が少ないのがいいところです。今でこそ近隣に薬局がありますが、開業当初はなかったので、当院では院内での処方となりました。どうしても当院にない薬が必要な場合のみ、院外処方とさせていただいています。

学生時代、虫垂炎を経験したことから医師を志す

医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

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小学6年生の時に虫垂炎になったのですが、中学受験の1週間前だったので抗生物質で何とか乗り切りました。しかし、中学2年の時に再発。強い腹痛におそわれすぐに手術を受けることに。もう少し遅かったら破れて腹膜炎を起こしていたと言われました。その経験から医師になりたいと思うようになりました。医学部卒業後は大学に残り、外科研修後、大学院で研究に取り組みました。その後は、再び外科に戻って麻酔科などの臨床に携わり、大学関連病院の宝塚市立病院、八尾総合病院、西宮の坂上田病院の勤務を経て、2008年に開業しました。

今後の展望についてお話しください。

西洋医学では捉え切れない症状を訴える患者さんも多いので、今後も、より漢方医学的な観点を取り入れ、漢方薬を使った診療をしていきたいと考えています。慢性期の疾患の場合は、継続して薬を飲んでいただくケースもありますが、風邪や下痢など急性疾患の場合は、漢方薬がすぐに働く場合もあります。漢方薬は人によって結果の出方が違うので、舌診や脈診、腹診をしながら、それぞれに応じた処方をしています。開業して13年がたちましたが、今後より一層地域に密着したドクターになれればと思います。

読者の皆さんへ、メッセージをお願いします。

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当院では新型コロナウイルス感染症のワクチンをはじめ、いろいろなワクチンの接種を行っています。予防接種を希望される方はぜひご来院ください。気になる症状があれば、些細なことでもお話をお聞きします。もし当院で対応できない場合は他のクリニックや病院をご紹介しますので、かかりつけ医として頼っていただければと思います。

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