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貞元 洋二郎 院長の独自取材記事

さだもと胃腸内科クリニック

(北九州市小倉北区/片野駅)

最終更新日:2024/09/24

貞元洋二郎院長 さだもと胃腸内科クリニック main

北九州モノレールの片野駅より徒歩4分の場所にある「さだもと胃腸内科クリニック」。高い天井が特徴で自然光がたっぷりと入ってくる待合室は、居心地の良い空間だ。貞元洋二郎院長は、地域の基幹病院の消化器内科部長を務めた経験を持つ内視鏡のエキスパート。一人ひとりの患者と向き合う時間を大事にしたいと、2008年に故郷の小倉北区で開業した。以来、胃や腸の内視鏡検査に加えて、一般内科や訪問診療、在宅での看取りも行う地域のかかりつけクリニックとして着実に歩んできた。患者を診療するときは、「ちょっとお節介」がポイントと語る貞元院長。同院で受けられる内視鏡治療の特徴や治療方針、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2021年4月22日/情報更新日2024年9月18日)

研究マインドを持ちつつ、一医師として患者と向き合う

最初に、医師をめざしたきっかけから開業までの経緯を教えてください。

貞元洋二郎院長 さだもと胃腸内科クリニック1

父が同じ小倉北区内で内科医院を開業していました。自宅と医院の出入り口が同じで、患者さんともよく顔を合わせていました。ですから、将来は医師になるんだろうなと子どもの頃から思っていました。ただ、医学部に進学した当時は先進的な医療に携わりたくて、開業は特に考えていませんでした。大学卒業後は、福岡市と北九州市内の総合病院や大学病院で経験を積み、2003年に赴任した北九州市立医療センターでは、消化器内科の副部長と部長を務めました。そのまま勤務医を続ける選択肢もありましたが、管理職になると、組織マネジメントの仕事が増えてくるんですね。そういった仕事より、私は患者さんと接する現場が好きだということに気づきました。父を見て育ったからでしょうか。自分も一医師としてやっていきたいと思い、2008年に当院を開業しました。

総合病院や大学病院ではどのような経験を積まれたのでしょうか。

医師になるなら患者さんの命を預かる科に進みたいと思い、九州大学第三内科(現・病態制御内科学)に入局しました。九州大学では、消化管の中から超音波で病変を調べる、超音波内視鏡という特殊な検査のトレーニングを受けました。2004年に、その超音波内視鏡検査に関する研究で、学位を取得しました。消化管の内視鏡治療の分野がメインですね。内視鏡的粘膜下層剥離術といって、20年くらい前に消化管がんの早期治療として新しく開発された内視鏡治療があります。今は確立された方法ですが、その黎明期から治療手法やデバイスの開発にも携わってきました。さらには、内科ですので、消化器系の進行がんの化学療法も行っていました。

開業後も国内外の勉強会で発表もされているそうですね。

貞元洋二郎院長 さだもと胃腸内科クリニック2

2017年には、当院でのピロリ菌の除菌データをまとめ、欧州の消化器病の勉強会で発表をする機会を得ました。国内の勉強会でも発表をしています。地域に密着したクリニックですが、より良い治療をするためにも研究マインドは常に持ち続けていたいですね。また、今はウェブセミナーが花盛りで、ご依頼を頂くことが多くなりました。ピロリ菌だけでなく、便秘や検査をしても特に問題がないのに胃の不調が続く状態である機能性ディスペプシアなど、幅広いテーマで講演をしています。先生方が私の話を治療の参考にしてくださることで、間接的に多くの患者さんのお役に立てればという思いで、できる限りお引き受けしています。

スムーズな内視鏡検査で病変の早期発見を

ここで開業された理由と、来られる患者さんの層について教えてください。

貞元洋二郎院長 さだもと胃腸内科クリニック3

開業の場所にここを選んだのは、やはり地元愛でしょうか。出身中学はここから歩いて行ける距離にあり、出身高校も近いんですよ。自然が近くて、街の規模も大き過ぎず快適です。当院は、胃や腸の内視鏡検査もできる地域のかかりつけ医をめざしていることもあり、老若男女いろんな方が来られます。便秘や腹痛、胸の痛み、風邪など症状は多岐にわたります。高齢の方は、高血圧や糖尿病などでしょうか。潰瘍性大腸炎やクローン病の方もよくいらっしゃいます。これらは治癒する病気ではなく、生活に支障がない寛解状態を維持することが目標となり、長いお付き合いとなることが多いですね。

こちらで受けられる内視鏡検査の特徴について教えてください。

トイレつきの個室を5つ用意して、他の人と顔を合わせず検査を受けられるようプライバシーに配慮しています。自宅で下剤を飲むのが不安という方はこちらをご利用いただけます。ソファーも座り心地の良いものを選んでいるので、ゆっくり過ごしていただけます。もちろん、検査設備も先進のものを用意しています。鎮静剤を適切に使用し、眠ったような状態で検査を受けることも可能です。今は鎮静剤をご希望される方がほとんどです。また、できるだけ当日でも検査をお引き受けするようにしています。調子が悪くて来院されているのに、また別の日に予約を取ってくださいとなると、患者さんはつらいですよね。そういった点は、個人のクリニックだからこそのフットワークの良さではないでしょうか。スムーズに検査を行い、終了後には、結果の詳細な説明と生活のアドバイスもしています。

スムーズな内視鏡検査とはどのようなものでしょうか。

貞元洋二郎院長 さだもと胃腸内科クリニック4

こういう病変があったらAという処置をし、この場合はBという処置をするという治療方針のアルゴリズムが、自分の中ではっきりとしていることです。例えば、胃が赤く荒れている部分が見つかったとします。経験が少ないと、これはがんじゃないだろうかと、じっと見たり悩んだりしてしまうんですね。医師の判断は迷っているようでは駄目だと思います。経験を積んだ医師は、診療方法の引き出しがいっぱいあるんです。ですから検査を終えるのは早いと思います。あとは、内視鏡操作ですね。上手な人のやり方を見ていただけでいきなりできる人もいますが、やはり経験とともに短時間で大腸の奥まで入れられるようになっていくものです。つまり、病変を適切に判断する目と内視鏡を操作するスキルの高さによって、スムーズな検査が可能になるのです。

「ちょっとお節介」で患者の不安を取り除きたい

診療において心がけていることは何ですか?

貞元洋二郎院長 さだもと胃腸内科クリニック5

患者さんを自分の家族だと思って、熱意を持って診療することです。もし、自分の家族が受診したのに病気を見落とされていたら、ショックですよね。そういうことがないように、このくらいでいいだろうではなく、9割方大丈夫と思うけど、この検査もしてみたほうがいいかなということまで考えて診察しています。患者さんによく言うんですよ。「ちょっとお節介かもしれないけど、ここがつらそうですね」って。そうすると、「実は気になっていたので、検査を受けます」と言われることもしばしばです。家族からは「一言多い」と言われますが(笑)、患者さんに対しては、この「ちょっとお節介」が大事かなと思っています。ただ、何でも検査をすればいいのではなくて、ご本人の意思を尊重しながら、必要な時に必要な検査をするというバランス感覚を大切にしています。

地域のかかりつけ医として、患者さんとどのように接しておられますか。

かかりつけ医はその方の人生をずっと見続ける仕事だと感じています。年齢とともに通院が難しくなった患者さんも多くおられます。開業して15年以上がたち、認知症の対応が必要になったり、ご自宅での生活が難しくなって施設に入所されたり、ご本人が積極的な治療を望まず在宅での看取りをしたりということもあります。患者さんが困ったら何とかしてあげることが大切だと思っています。患者さんにとってどのような対応が最も望ましい形なのかを患者さんご本人、ご家族とともに考えて対応しております。必要に応じて適切な医療機関や介護施設などを紹介しています。幸いなことに、北九州は医師同士の仲が良いんですよ。元職場の病院をはじめ、地域の基幹病院の先生方と顔が見える関係も構築しています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

貞元洋二郎院長 さだもと胃腸内科クリニック6

おかげさまで開業以来、着実に患者さんは増えてきています。特に、内視鏡検査については、北九州市外からもお越しいただいています。年に1回当院で必ず検査を受けるという方も多いですね。そういった方からのご紹介で、来院される方が少しずつ増えてきたのかなと考えています。今後も変わらず患者さん一人ひとりとしっかり向き合って、質の高い診療をしていきたいですね。さまざまな症状の患者さんが来られますから、自分の専門ではない分野も含めて勉強を重ね、不安を取り除いてあげられるよう日々精進していきます。何か気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

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