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池田 耕一 院長の独自取材記事

池田脳神経外科

(春日市/南福岡駅)

最終更新日:2021/11/08

池田耕一院長 池田脳神経外科 main

2008年に開業した「池田脳神経外科」は、頭痛や物忘れをはじめとした診療から脳ドック、風邪や生活習慣病などの内科疾患、予防接種まで、幅広い医療を提供している。院長を務めるのは、福岡大学筑紫病院をはじめ、さまざまな医療機関で脳神経外科を専門に研鑽を積んだ池田耕一先生。「わかりやすく温かい説明」をモットーに患者一人ひとりの受診背景や家庭環境にまで気を配る。また診療以外にも、院外で講演活動を行ったり、地域の子どもたちのラグビークラブのチームドクターも務めたりと多忙な日々を送る院長だが、開業以来毎日、医院の外掃除も欠かさないという。「地域住民が気軽に相談できる町の保健室を立ち上げるのが目標」と語る院長に、日々の診療での心がけや地域に対する想いなどを語ってもらった。

(取材日2021年1月27日)

一般診療から脳ドックまで地域の幅広いニーズに応える

先生のご経歴や開業までの経緯をお聞かせいただけますか?

池田耕一院長 池田脳神経外科1

長崎の自営業を営む家に生まれましたが、家業を継ぐのは気が進まず、田舎を出たいと思っていました。同時に人に喜ばれる仕事をしたいと考えた結果、医師を志すようになったのです。福岡大学医学部を卒業後は、大小さまざまな医療機関で勤務をし、多様な地域、環境で経験を積んできました。開業場所を春日市にしたのは、福岡赤十字病院で勤務をしていた時、自宅のある大野城市から春日市を通って毎日通勤していたので、なじみがあったからです。ファミリー層が多く「エネルギーのある街」という印象ですね。その春日市で2008年に開業し現在に至ります。地域の方々に気軽に通っていただけるよう、院内に花を飾ったり、熱帯魚の水槽を設置したりして明るい雰囲気づくりを心がけています。

患者層について教えてください。

大きく分けると、頭痛、めまい、しびれ、物忘れの4つの症状の方が多くを占めます。中でも頭痛が約3割と最も多いですね。実は開業当初は、頭痛や脳卒中といった働き盛りの方を診ることになるだろうと思っていました。しかし、社会の高齢化に伴って認知症のご相談が増え、特にここ5年ほどはニーズの増加を感じていますね。例えば、家族の様子に違和感を感じているけれど、精神科に連れて行くのはハードルが高いので当院を受診した、といったケースもあります。その結果、認知症だと診断され治療へと進む方も少なくありません。また、脳卒中の患者さんの場合、高血圧や糖尿病などを併せ持っている方もいらっしゃいますので、生活習慣病の治療もしています。加えて、風邪の治療や予防接種といった一般診療もしていますし、木曜の午後には、パーキンソン病などの神経難病で歩行が困難で通院が難しい患者さんを対象に訪問診療もしています。

脳ドックについて具体的に教えてください。

池田耕一院長 池田脳神経外科2

MRIや頸動脈エコーなどを受けていただきます。当院では、一般的な脳ドックのほか、脳卒中、認知症に特化したものもご用意し、4種類のコースからご本人の希望に応じて選択いただけます。事前にホームページを見て「このコースを受けたい」と受診される方が多いですね。何年に一度と決めて定期的に脳ドックを受けに来られる方、家族に脳卒中や認知症の既往歴があるので調べておきたいという方もおみえになります。当院は大きな病院に比べればアクセスしやすいので、気軽にお越しいただけると思います。軽い頭痛でも危険な病気が隠れているケースもありますので、40歳を過ぎたら症状がなくても検診を受けることをお勧めします。

毎朝誰よりも早く出勤し、準備をするのが日課

普段の診療で心がけていることはありますか?

池田耕一院長 池田脳神経外科3

患者さんが望んでいることが何なのかをきちんと把握するようにしています。診断をしてほしいのか、治療をしてほしいのか、検査をして異常がないことを確認して不安を解消したいのか、それぞれ違うわけです。中には家族に言われて渋々来たけれど、本当は治療したくない方もいらっしゃいます。患者さんそれぞれのニーズや状況をこまやかに感じ取ることを大切にしています。そのためにも初診の際に書いていただく問診票は頭痛の患者さん用、認知症の患者さん用、認知症のご家族用をそれぞれ用意していますし、細かい項目まで書いていただき、それをもとに診察に臨んでいます。また、患者さんの家族構成や家庭環境も含めて気にかけるようにしています。ご家族が来られたときに「誰々さんのお姉さんね」という感じで理解した上で接して、患者さんに安心感を与えることができれば、と思います。

現在のスタッフ体制についてお聞かせください。

私のほかに看護師が2人、MRIやエコーを担当する臨床検査技師が1人、受付スタッフが2人です。スタッフみんなに声をかけて回ることを心がけています。毎朝、私が最初に出勤してスタッフルームの冷暖房や機器の電源を入れています。医院の外の掃除も一人でしています。以前、勤務していた白十字病院の理事長が一人で外の掃除をされているエピソードを聞いてとても感激しました。それ以来、いつか私も自分の医院を持てたら同じようにしたい、と思ったのが掃除を始めたきっかけで、開業以来13年間続けています。

これまでのことを振り返って、印象的な患者さんはいらっしゃいますか?

池田耕一院長 池田脳神経外科4

本人も「大したことないだろう」という感じで受診し、検査をした結果、大きな脳腫瘍が見つかった中学生の患者さんですね。検査結果をまずはお母さんに伝え、本人に伝えるかどうか、伝えるならどう伝えるかを相談しました。お母さんは思わず涙ぐみましたが、「お母さんが泣いたら本人が心配するから気持ちを切り替えて聞いてくださいね」と伝えて、その日のうちに専門の病院を紹介し、手術を行いました。20代に成長した彼女が今も元気でいてくれることは、とてもありがたいことだと思っています。

誰でも気軽に相談できる「町の保健室」をめざして

先生ご自身の健康法について教えていただけますか?

池田耕一院長 池田脳神経外科5

自分の直感を大切にしています。例えば、今日はこれをする日と決めることもあれば、一方で何もしないと決めたら、何もせず休息することに専念する日もあります。毎日平均して何かをするのは努力が必要ですので、意識的に切り替えています。とはいえ、仕事などしないといけないこともありますので、いつまでにする、という締め切りだけは決めておいて、休みたければ休んでしまう。そうすることでになるべく時間に追われないようにしています。

ケアマネジャーとの勉強会を行っていると伺いました。

当院では介護や訪問看護に携わる別組織を立ち上げていて、診療時間外に、ケアマネジャーや看護師、介護スタッフが一緒に勉強する会を2ヵ月に一度のペースで開いています。新型コロナウイルス感染症流行の影響で現在は休止していますが、2011年から通算50回以上開催してきました。ケアマネジャーのスキルアップによって患者さんの満足度が上がることを目的として始めましたが、医師とケアマネジャー双方が学び合い、知識をブラッシュアップできていると感じています。

先生の今後の目標や展望についてお聞かせください。

池田耕一院長 池田脳神経外科6

地域づくりに貢献したいですね。高齢化が進む中、これからの地域づくりは行政だけではなく、医療も担っていくべきだと考えます。訪問看護やケアマネジャーの事務所を立ち上げたのは、医師に話すまでもないようなちょっとしたことを相談できる存在がもっと必要になると考えたからです。今後は、お子さんから高齢者まで地域の皆さんの心配事を気軽に相談できる「町の保健室」のような存在も必要だと思っています。今はインターネットなどデジタルの媒体からたくさんの情報を得られますが、あまりに情報量が多く取捨選択が難しくなりました。今後は振り子の揺り戻しが起こって、アナログなものの価値があらためて見直されるのではないかと思っています。今でも電話でさまざまなご相談を受けますが、医師だけでなく、訪問看護師やケアマネジャーなどの目線も参考にしながら相談に乗れたらと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

インターネット記事やホームページを見て情報を集めたら、電話でもいいので直接尋ねてほしいですね。医師と患者も人と人ですので、相性ってあると思います。実際に話をしてみて波長が合うかどうか見極めて、主治医を決めてはいかがでしょうか。当院の場合、脳神経外科と聞いて敷居が高く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、構えてくる場所ではありません、「頭のかかりつけ医」として気楽に来院していただきたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

脳ドック/簡易コース:2万2000円
     脳卒中コース:2万7000円
     認知症コース:2万6000円
     日本脳ドック学会推奨コース:3万3000円

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