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高橋 祥 院長の独自取材記事

たかはし脳外科皮フ科医院

(新発田市/西新発田駅)

最終更新日:2022/01/12

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新潟県北部の歴史ある城下町・新発田市。国道に囲まれた街の中心部で、開業から15年目を迎えたのが「たかはし脳外科皮フ科医院」だ。院長の高橋祥先生は、岩手に生まれ、山形で学び、新潟で医師として歩み出した。新潟大学での研究生活を経て、県内の基幹病院で働いている時に首を痛めたことがきっかけで退職し、クリニックを開業。ところが、その「首」に着目することによって、原因のわからなかっためまいや頭痛について研究が進み、論文を発表するまでになった。その論考に基づいて、高橋院長が採用しているのは漢方を用いた治療法。地方のクリニックでありながら、時には海外からも治療のアドバイスを求められる高橋院長の、医療に対する情熱や好奇心、研究心が感じられるインタビューとなった。

(取材日2021年12月8日)

治りにくいめまいの原因を論文で発表。治療に生かす

クリニックの特徴をご紹介ください。

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当院は日本脳神経外科学会脳神経外科専門医の僕と、日本皮膚科学会皮膚科専門医の副院長が診察を担当するクリニックです。僕は脳神経外科以外に内科、神経内科、脊椎疾患なども診察し、副院長は皮膚科のほかにアレルギー疾患も診ています。新発田は地域的には高齢の方が多いのですが、来院される患者さんは0歳から100歳まで幅広い世代にわたっています。訴えとして多いのは、僕の担当だと頭痛、めまい、手足のしびれ、顔面神経麻痺、顔面けいれん、三叉神経痛など。皮膚科では、子どものアレルギーからお年寄りの床ずれまで、こちらも幅広く対応しています。ここは新潟市内や東京と違って田舎ですから、広告宣伝よりもクチコミでの来院が圧倒的に多いですが、遠方から来られる方は、当院のホームページを見て来院される方がほとんどです。また、僕が発表した論文を読んだ海外の方から、メールで医療相談をお受けしたことも何度かあります。

開業までの経緯を教えてください。

僕は岩手県盛岡市出身です。山形大学医学部を卒業後、新潟大学医学部の脳神経外科教室に入り、カナダへの留学や県内の基幹病院での勤務を経験した後、当院を開業しました。実は、開業のきっかけは野球なんです。野球が大好きで、転勤するとどこの勤務先でも、必ず野球部に入っていましたし、特に新発田にはバッティングセンターがあって、通い詰める日もありました。ところが、それで首を痛めてしまったんです。脳神経外科の手術はたいへんな長時間となるため、身体的にも耐久力が必要なんですね。それでもう勤務医は無理かと考えて「手術はできないから、開業しよう」と皮膚科医でもある妻に話すと、反対どころか「じゃあ、私も」と乗ってきてしまったので、開業することになりました。

院長がご専門にしてきたのはどんな分野でしょうか。

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新潟大学では、脳腫瘍を専門的に扱ってきました。開業してからは、めまいや頭痛でお困りの患者さんが多いこともあり、数多く取り組んでいます。特にめまいについては、耳鼻科やほかの神経内科で治らなかった方に詳しくお話を聞いて、首が原因となる「頸性めまい」の研究を進めて論文も発表しています。とはいえ、あまり難しいことを説明しても患者さんにはわかりませんので、症状を伺いながらお薬を選び、治療を進めていきます。薬は西洋の薬だけでなく、漢方薬も積極的に使います。また、昨年2020年には、子どもの難治性めまいに関する論文も発表しました。カナダ時代の友人によると、僕の論文が海外でディスカッションの材料になっているそうです。知らない土地でも誰かの役に立っていると思うと光栄ですし、勉強したかいがあります。

子ども時代の入院経験で、医師になろうと決意

漢方薬を積極的に使っているのですね。

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そうですね。治療の一例として、女性の肩凝りがあります。男性に比べて筋肉量は少ないのに、同じような重さの頭部を支える首の負担、女性ホルモンの影響、ストレスなど、原因は多岐にわたり、重なり合って治療を難しくしています。そこで、積極的に用いているのが漢方薬です。めまいに対する漢方薬については、3年前に英語の論文を発表。ウェブ会議システムを使った同じテーマの講演では、外国からの視聴者も少なくありません。海外の医療者や患者さんにとって、漢方を用いた治療は興味深いテーマなんでしょうね。

スタッフの雰囲気を教えてください。

全員が女性で、現在は11人ほどのスタッフが勤務しています。患者さんからたまに「私語が多いのではないか」とお叱りを受けるくらい、仲が良いんですよ。ただ、副院長が女性ですから、困ったことがあれば、みんな最初に副院長に相談に行ってしまいます。僕が積極的に呼ばれるのは、切れてしまった電球を交換してほしいとかの用事がある時(笑)。新型コロナウイルスの流行以降は、皆で食事に行くこともなくなりましたが、それまではスタッフ全員で焼き肉屋に行ったり、薬局のスタッフやMRさんにも声をかけて50人くらいでバーベキュー大会をしたりもしました。開業して15年、患者さんも増えて忙しく、それでも伝えたいことが多くて、僕はついつい患者さんに早口でたくさんガーッと話しかけてしまうんですが、スタッフには患者さんに優しく接するようにと伝えています。

医師の仕事を志したのはどうしてですか?

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両親は医師でも医療関係者でもありませんが、親戚にはたくさんいます。僕が幼稚園児だった頃、母が野口英世の伝記本を買ってきてくれたことが、この仕事に関心を持つきっかけになりました。絶対に医師になると決意したのは、小学校3年生の時です。ネフローゼという腎臓の病気になり、岩手の小児科総合病院に入院することになったんです。入院当初は長く入浴ができず、あちこちがかゆくなりますが、体の汚いところにも、看護師さんが迷わず薬を塗ってくれたのに感動したんです。叔父が東北大学医学部で研究者として働いていたこともあり、叔父やいとこから話を聞くなどして、年を重ねるごとに医学部進学への決意が固まっていきました。

いつもそこにいて、困った時に頼りにできる存在

医師という仕事のやりがいは何だと思われますか? 印象に残っている出来事なども教えてください。

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医師の仕事の醍醐味は、人を助けられる、困っている症状を良くしてあげられる、もちろんそこです。真面目な先生なら皆同じではないでしょうか。以前、めまいと頭痛がなかなか治らず困っておられた患者さんを診療したことがあります。医師が一番やる気を出すのは、どこに行っても治らなかった患者さんを目の前にした時なんです。その方の場合は、2年間にわたって根気強く治療を続けました。治療が終わって、最後に「こんなに自分の話を聞いてくれた先生はいなかった」と言ってくださった時は本当にうれしかったですし、諦めずに治療を続けてきて良かったと思いました。

休日の過ごし方を教えてください。

仕事の延長ですが、勉強や講演の準備をします。昨年は感染症対策のためゼロでしたが、一昨年までは医師向けに頸性めまいや子どもの難治性頭痛について、一般の方向けに認知症関連など、月に1回くらいのペースで講演を行っていました。時間がある時は、山に行きます。昆虫が好きで、珍しい虫を見つけて喜び、情報交換をするのも楽しいです。1人で出かけることが多いので、家族に気を使わないで済むのもいいですね。ある時、山の家で本を読んでいたところ、屋根のほうからものすごい足音がして、行ってみたら猿の群れでした。僕が出ていったので散り散りに逃げていきましたが、ボス猿だけが残って、僕とにらみ合いになったこともあったんですよ。野うさぎなんかもしょっちゅう見かけますし、自然の中にいると心が解放されます。

クリニックの今後についてお聞かせください。

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薬の効き方は一人ひとり違いますから、ワンパターンではなく、それぞれの患者さんに合わせて考え、ベストを尽くそうという方針でやってきましたし、それはこれからも変わりません。そして、地域の皆さんにとって「当たり前のようにいつもそこにいて、困ったことがあれば治療してくれる」そんな医師であり続けたいです。皆さんにお伝えしたいのは、頭や首を痛めると長引くこともよくありますので、けがなどしないように気をつけていただきたいということですね。そして、なかなか治らない頭痛やめまい、肩凝りにお困りでしたら、一度ご相談いただければと思います。

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