山田 浩二 院長の独自取材記事
やまだ耳鼻咽喉科
(大阪市平野区/出戸駅)
最終更新日:2023/03/07

大阪メトロ谷町線・出戸駅から徒歩15分のところにある2007年開院の「やまだ耳鼻咽喉科」。開院10周年となる2017年に、医院を移転した。新しい院内に一歩足を踏み入れると、広く居心地の良さそうな待合スペースに目を奪われる。熱帯魚の水槽、窓には観葉植物の緑を配し、奥には楽しげな装飾のキッズスペースも見える。感染性の患者向けの個室待合室や、空気清浄機による清潔な空気、新しくそろえた医療器具も、この医院を頼ってきてくれる患者を思えばこその設備。一方で説明の丁寧さや子どもへの気配りと、設備に負けない真摯な姿勢も、山田浩二院長の持ち味。そんな山田院長から諸症状の治療法や、医院としての取り組みについて話を聞いた。
(取材日2017年9月14日/更新日2022年11月25日)
細かなこだわりを実現するため、開業する
とてもきれいな医院ですね。移転後の特徴を教えてください。

開業から10年の節目の2017年の8月7日に移転しました。新しいクリニックでは、伝染性疾患の方向けに、個室の待合室を設けました。インフルエンザなどで高熱が出ている場合、受付で判断して、他の患者さんとは別の動線で個室に入っていただきます。気兼ねなく過ごしていただけますし、院内感染を防ぐことにもつながりますので、皆さんが安心して来院できるメリットがあります。キッズコーナーは前からあったのですが、待合スペースから少し離し、大人もお子さんもストレスなく過ごせるようになっています。2022年4月からは、医師2人の二診制で診療しており、待ち時間が軽減され、より一層患者さん一人ひとりにきめ細かな診察が可能になりました。
ご経歴についてお教えください。
医者になりたいと考えた時は、内科か外科かどちらにしようか迷っていました。さまざまな専門にふれる中で、耳鼻咽喉科なら興味のある分野を見つけられると思うようになりました。扱う症状は狭くなっても、赤ちゃんからお年寄りまで、手術を含めたその分野について、責任を持ってやるスタンスが自分には向いていました。卒業後、勤務医をした病院は「医者の経験に関わらず、初診で診た医者が最後まで担当する」という方針でした。ですから若い頃からさまざまな患者さんを診察させていただいて、貴重な症例に出会う機会も多かったように思います。
こちらに開業されたきっかけや移転されたきっかけはいかがでしょうか。

研修医として2年、市民病院に移って約10年勤務医として経験を積みました。もともと開業志向が強かったわけではないのですが、大きな組織の中では自分の思うような診療ができないこともあり、小回りの利く開業医になることを決心しました。この土地に巡り合ったのは偶然ですが、良縁をいただいたと思います。この土地は大阪の下町という印象で、皆さまフランクに接してくださいます。自分に合っている土地柄だと思っています。前の医院でも、取り入れたい設備はできる限りそろえていましたが、どうしても手狭になってしまって、移転することにしました。多くの方が来院できるように駐車場を広くしたいという思いもあり、医院を2階に造り、屋根つき駐車場を設けました。
鼻の治療に専門性。クリニックで中耳炎にも対応
ご専門と、診療状況について教えてください。

研修医・勤務医時代は耳鼻咽喉科の中でも、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などといった鼻の症例を担当させていただくことが多かったので、自分ではそのあたりを専門だと考えています。当院に来院される方の症状で最も多いのは風邪の症状です。その中にはアレルギー性鼻炎を併発している例があったり、長引く中で副鼻腔炎を発症したりというケースがあるので、そういった場合には同時に治療していきます。その他、中耳炎での来院もよくあります。年齢層としてはお子さんが最も多いのですが、成人の方やご高齢の方も来院されます。
鼻炎の治療法を教えてください。
アレルギー性鼻炎については3つの方法があります。最も一般的なのはアレルギーを抑えるためのお薬を使う薬物療法。また、レーザーで鼻の粘膜を焼いて症状の軽減を図るレーザー手術も、当院では行っています。もう1つは免疫療法、簡単に言えば体質改善。アレルギー体質を軽減し可能なら治していくことをめざすというものです。当院では患者さんとの相談の上、重症度やご本人の希望によって使い分けています。副鼻腔炎の場合、手術が必要であれば大きな病院をご紹介しますし、当院では薬物療法で対応させていただきます。ただし副鼻腔炎は治療に時間がかかる病気ですから、しっかりと必要性をご説明して、継続した治療をさせていただきます。
中耳炎の症状と治療法について教えてください。

中耳炎のうち、急性中耳炎は一般的な治療で制御可能です。一方、お子さんに多い滲出性(しんしゅつせい)中耳炎は治療に時間がかかり、放置すると聴力に影響を及ぼします。症状が目に見えづらく放置されがちなのですが、音や言葉を覚えていく時期に必要な「きこえ」に不利益を及ぼす病気です。治療として、当院では鼓膜を切開してチューブを通す手術も行っております。鼓膜の切開は難しく、これまでは大きな病院での全身麻酔による入院、及び手術が一般的でした。現在、この治療について治療法が進んできていますので、当院のようなクリニックでも、治療を行っていくことが可能になりつつあります。
来るのが怖くない、気兼ねなく来れる医院をめざして
医院としての方針を教えてください。

方針は3つです。1つ目は、診療において「説明をしっかりする」ことです。「現状、何が起こっていて、なぜ起こっているのか、解決するために何がベストか」を丁寧に説明することを心がけています。例えば、成人の方のご来院で多いのが、喉の違和感です。要因の一つとして胃酸の逆流が多いです。でも、患者さんは喉が悪いと思ってうちに来ているわけですし、ただ胃のお薬を出されても困惑します。ですから、丁寧な説明が必要になります。2つ目は、「医院のシステムづくり」です。なるべく患者さんをお待たせしない、もしくは快適にお待ちいただけるよう心がけています。混雑する時間帯はありますが、ホームページから診療の予約ができますのでスムーズにご案内できます。3つめは、「地域のかかりつけ医として患者さんに提供する治療にこだわる」ことです。昨今新しい治療が開発されています。当院では安全性や有用性をしっかり見極めた上でご提供しています。
子どもの来院が多い印象ですが、気をつけていることは?
診察のときに、なるべく話しかけるようにしています。例えば「お昼ごはん何食べた?」とか「休みの日どこか遊びに行った?」とか、治療にまったく関係のないことです。答えている間に処置が終わっているように。注射なども、注意がそこに向くと実際の痛み以上に痛さ・怖さを感じますから、なるべく気が紛れるようにするわけです。耳鼻咽喉科って、子どもが嫌がる、怖がる場所ですから、少しでも居心地良くできるよう努めています。この新医院を開院した際は、記念として、子どもに人気のテレビキャラクターのショーを開催したんです。お子さんたちも喜んでくれました。
先生のご趣味や休日の過ごし方は?
大学生の頃はテニス部に所属して、毎日遅くまで練習していました。それから、やはり学生の頃からの趣味はサーフィンです。大好きなのは種子島で毎年のように出かけています。今は、休日3人の子どもと過ごしています。11歳の双子と、7歳の子どもがいるんですが、あちこちに連れて行って遊んでいます。診察室に置いているキャラクターグッズなどは、子どもと一緒にテレビを観て「今、こんなキャラクターが人気あるのか」と情報を仕入れているんです。
最後に患者さんへのメッセージをお願いします。

私を頼って来院される患者さんの声が、やりがいにつながっています。当院はお子さんの診療に力を入れておりますので「こんなこと耳鼻科で聞いてもいいのかな?」「耳鼻科に関係あるのかな?」ということでも気兼ねなくご相談ください。また、成人の方やお年寄りの方も診療させていただいているので、親子3世代でも頼っていただければと思います。また、今後も設備を充実させていきたいと思いますので、ご期待ください。