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前谷 修 院長の独自取材記事

前谷耳鼻咽喉科クリニック

(大阪市此花区/千鳥橋駅)

最終更新日:2020/01/20

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阪神なんば線の千鳥橋駅から5分、右手にひときわ目を引く黄色と青の鮮やかな看板が目に入る。「前谷耳鼻咽喉科クリニック」。院長の前谷修先生が23年前に市内の玉出で開業、2007年にこの地に移転した。前谷先生は大阪大学の心臓外科から耳鼻咽喉科に転科した経歴の持ち主。「難しい症状に対し、外科だけをしていても耳鼻咽喉科だけをしていても気づかなかったアプローチができるようになった」と言い、地域の人だけでなく日本全国から前谷先生のもとにやってくる患者も。めまいなど長年悩む人が多い症状を扱う診療科だが、一人ひとりの患者とじっくり向き合う診療スタイルを貫き、その積み重ねで得た経験や技術には自信をみせる。自身でも「ユニークな医師だと思う」と言う前谷先生の治療にかける思いを聞いた。(取材日2019年6月20日)

外科からの転科で知った耳、鼻、喉(のど)の重要性

医師の道に進まれたのはなぜですか?

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人の役に立つ仕事をしたいと思っていました。高校生の頃、弁護士になるか医師になるかとても悩みましたが、人の命を助ける「絶対善」とされる医師の道を選びました。医師であれば、相手が悪人であれ善人であれ、治療をして救うことで、また善の道に進ませることもできると思いました。医学への関心は、中学生の頃からありました。塾の行事で行った琵琶湖遊泳で、大学生ボランティアの方が溺れてしまったことがきっかけです。引き上げたときには生きているように見えましたが、すでに亡くなっていたと後から聞かされました。死に触れる機会がそれまでなかったこともあり、ショックでした。振り返れば、そのときから“生とは何か、死とは何か”について考えるようになり、医学に興味をもつようになったのでした。

どうして心臓外科から耳鼻咽喉科に移られたのでしょうか?

心臓外科では極端なチーム医療が求められ、たくさんの医師が作業を分割していました。開業するにあたり、ある程度自分一人で完結できる科へ転向しようと考えたんです。耳鼻咽喉科ならば、外科の医師として学んだ全身管理の知識を生かせると思いました。耳鼻咽喉科の領域でも手術は全身麻酔をしますし、がんの術後管理にもそれまでの経験が役に立ちました。実は自分で足を踏み入れるまで、耳鼻咽喉科には「耳、鼻、喉(のど)を診る」というイメージくらいしか持っていませんでしたが、勉強を始めると、その耳、鼻、喉がいかに人間にとって大きな役割を果たしているかを再発見しました。耳、鼻、喉を守ることが、全身を守ることにつながると感じています。

どのような患者さんが来院されますか?

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生後1ヵ月の赤ちゃんから90歳の高齢者まで、幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃいます。お子さんの診療では自分自身がリラックスするようにしています。研修医の頃、一生懸命、赤ちゃんをあやそうとして、看護師から「よけい怖いです。」と言われてしまったことがあります。小さな体を診るのに自分が緊張してしまっては、お子さんにも緊張が伝わります。しっかり目線を合わせて、お子さんが医者の存在を変に意識しないよう、対等な関係を築くように心がけています。1回目は泣いていたお子さんも、2回3回と来院しているうちに、泣かなくなったりします。吸入が終わった後、わざわざ僕のところに駆け寄って抱き着くお子さんもいるんです。かわいい消しゴムが入っているカプセルトイを置いて、治療を頑張ったお子さんへのご褒美にしています。

一人ひとりに向き合い、難症例にもしっかり対応

ホームページのブログでもいろいろ発信されていますね。

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診察中にはどうして自分がクリニックを開業するに至ったかや、どういう思いで診療しているかまではお話しできません。医師になりましたが、それを単なる生活の道具、お金を稼ぐ道具にすることは悲しいことだと思っています。そういうことをしっかりと患者さんや地域の方にも知ってもらいたいと思い、始めました。

理想像として「自分がかかりたいと思える医師」をあげておられますね。どういう医師でしょうか?

患者さんの話をしっかり聞き、優しく受け止めてくれるような思いやりのある医師です。ただ話を聞くだけでは医師ではないので、医学的な根拠をもってきちんと治すということも大事な要素です。「ほかの病院で何年かかっても治らなかった」と言って当院を訪れる患者さんもいます。もちろんすべての患者さんが当院に移ってきて「絶対に治る」とは言えませんが、少しでも治る方向にもっていくことができるよう、薬や治療法をできるだけ工夫してみようという気概で取り組んでいます。西洋薬で限界があるものに対しては、漢方薬も積極的に取り入れてきました。また、医師としてのセンスも大事です。患者さん一人ひとりの訴えをよく聞きながら、経験して蓄積してきた知識をもって自分にしかできない治療法を探ってきました。そうやって長年、患者さん一人ひとりの症状に対し、逃げずに真摯に向き合ってきたからこそ、対応できるようになった症状もたくさんあります。

「全国から自分の治療を求めて患者さんが来る医師」も目標にされています。

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せっかく医師になったからには、自分にしかできない医療をしたいと思っていました。外科医時代には全身の管理をしていましたが、主に首から下を扱っていました。その頃からさまざまな症状に対して、医学的な疑問をもってきましたが、耳鼻咽喉科の医師になり、首から上に集中する重要な器官について理解を深めると、私の頭の中で上と下がつながり、治療の糸口がつかめることも増えてきました。その1つが、手足に水疱ができる掌蹠膿疱症です。原因不明の、治療が難しい病気で、皮膚科の病気という印象もありますが、耳鼻咽喉科的に独自のアプローチで取り組むことによって、今では日本全国から患者さんがこの掌蹠膿疱症の診療を受けに当院にいらっしゃいます。

治療も医院づくりもオリジナルで

医院づくりでこだわったところがあれば教えてください。

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私のいる診察室から、待合室、受付、聴力検査室、吸入をするスペース、レントゲン室などすべてが把握できるよう、診察室を中心に設計しました。死角になっている待合室も、モニターをつけて患者さんの様子を確認できるようにしました。診察が終わった後、吸入をしてから帰る患者さんが再度診察室を通るので、声をかけることができます。キッズスペースがあり、化粧室はゆったりとスペースを広くとり、おむつ替え台もあるので、お子さん連れの方でもお気軽に受診してもらえるかと思います。また、空気清浄機や、スリッパを自動で殺菌する装置を取り入れて、衛生面にも配慮しています。

院内にはすてきな絵も飾られていますね。

フランスやロシアで活動していた、抽象画や印象派で有名な画家の絵が好きなんですよ。彼らの絵を待合室に飾っています。僕自身、高校では美術部に入っていました。本来、形にできない心の中の世界まで表現できるのが、抽象画の魅力ですね。今ではクリニックでの仕事が忙しく、じっくり描く余裕がありませんが、休みには本を読んだり散歩をしたりとゆっくり過ごすことが多いです。ただ、クリニックの象のロゴマークや、院内全体も自分でデザインしています。待合室の天井を青くして、白い照明をつけていますが、これは青空に浮かぶ雲を表現しています。2度移転しており、自分のクリニックは3つ目ですが、このクリニックを一番気に入っています。

最後に読者にメッセージをお願いします。

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右から左に流れ作業のように患者さんを診ていくのではなく、一人ひとり真摯に向き合って診察にあたるようにしています。例えば耳の調子が悪くて来られた方も耳だけを診るのではなく鼻や喉もしっかり調べて、原因を探ります。基本的な耳鼻咽喉科の疾患はもちろん、めまいの症状でいらっしゃる方でも、「どうしても治らなくて困った」というケースはほとんどありません。今では先に述べた掌蹠膿疱症をはじめとして、全国各地から患者さんがいらっしゃいますが、まだまだ道半ば。もっと多くの苦しんでいる人のためになりたいと思っています。これからも、患者さんの信頼に応えられるよう、一人ひとりに対して真摯に向き合っていきたいですね。

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