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松崎 太志 院長の独自取材記事

まつざきクリニック

(出雲市/大津町駅)

最終更新日:2022/05/20

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大型ショッピングモールや飲食店、ドラッグストアなどが立ち並ぶ出雲市中心地に位置する「まつざきクリニック」。駐車場も広く、一畑バスのゆめタウン出雲前停留所からも徒歩4分と、アクセスも良好だ。同院は院長の松崎太志先生が2008年に開業し、2014年に現在の場所に移転した。松崎院長は鳥取大学医学部卒業後、同大学精神神経科教室に入局。気分障害の薬物療法を研究していた先輩医師のもとで研鑽を積んだのち、隠岐病院精神科や、島根県立中央病院精神神経科で医長を務めた経験を持つ。「自分を責めたり、我慢を続けたりせず、ほんの些細な芽の段階でも構わないので、気軽に受診してほしい」と話す松崎院長に、診療のモットーや受診の目安についてなど語ってもらった。

(取材日2022年4月25日)

発展を続ける脳研究に惹かれ、精神科医師の道へ

先生が精神科の医師をめざされたきっかけを教えていただけますか。

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小さい頃から物事の仕組みを考えることが好きでした。中学生の頃に、社会の仕組みのエキスパートが弁護士で、人の体の仕組みについてのエキスパートが医師なんだな、と思うようになったんです。私は理系でしたので、その頃から「医師になりたい」と思うようになりました。私はもともと脳に関することに興味があり、1989年に医師になりました。その当時から、脳に関する研究が進むだろうと感じ、精神科の道に進むことで、より良い医療を患者さんに提供したいと思いました。また、心の病気は治りにくいというイメージがあるかもしれませんが、実際には快方に向かう人もいらっしゃいます。患者さんの病気が寛解につながり、喜んでいる姿を見ることができると考えて、精神科の医師の道を選びました。

開業までの経緯をお聞かせください。

大学卒業後、鳥取大学大学精神神経科に入局しました。そこで気分障害の薬物療法を熱心に研究されている先生に出会い、師事したのです。そして1994年から、隠岐病院の精神科で医長を務めました。当時は離島ということもあり、本州よりも医療資源が少なかったため、保健師や行政も含め、一丸となって取り組んでいましたね。その後は島根県立こころの医療センターや島根県立中央病院で精神科医長を務め、2008年にこちらに開業しました。出雲市を選んだのは、島根県立中央病院との連携がとりやすく、市の中心地にあり、通院も比較的容易なためです。2008年まではここから300mほど離れた場所にありましたが、地域住民の方も含め、多くの方が通いやすいクリニックにしたいと思い、2014年に駐車場も広いこの場所に移転しました。

移転の際にこだわった点はありますか?

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精神科、心療内科にいらっしゃる方にはリラックスしたり、休養したりしてもらうのと同時に、少しでも活力になりたいという思いから、院内は明るい雰囲気にしました。クリニックのロゴは緑ですが、中に小さくオレンジを入れることで、休養とエネルギーを表しています。実は院内の椅子もその配色にしているんですよ。以前の建物はあまり防音性も高くなく、待合室の音が診察室に入ってくることもあり、診療に集中しづらい状況だったため、この建物ではしっかりとした防音性を備えています。待合室のスペースも広めにとっていますので、患者さんがゆったりと過ごせるような環境になっているんじゃないかと思います。

原因の一つ一つに丁寧に向き合う診療を

診療時に大事にしていることをお教えいただけますか。

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精神科の病気は、「生物学的な要素」「心理学的な要素」「社会的な要素」が重なり合って起こります。具体的には、その人の脳の働き、生活や自分自身の性質、そして現在の環境です。例えば適応障害だと環境の因子が大きく、統合失調症だと脳の因子が大きいのです。さらに環境や人によっても変わってくるため、その3つをバランス良く診療し、原因の一つ一つに丁寧に向き合うことを大切にしています。また、患者さんが話しやすいように、親しみやすくいることも心がけていますね。精神科や心療内科には行きづらい、行っても自分の悩みをどこまで話していいのかわからない、という方も多いと思います。そんな方々が安心してご相談いただけるように、こちらから笑顔で、元気よくお声がけすることなどは常に意識しています。

精神科や心療内科では、どのような検査が行われるのでしょうか。

性格検査ですと、当院でよく行うのはバウムテストと呼ばれるものです。画用紙に木と、その木の実を書いてもらい、心理士がその内容から判断します。簡単なのですが、深層心理やその人の持っている心の状態が、絵の中に投影されるのです。質問項目をアンケート的に答えて解析していくものもありますし、知能検査もあります。その他にも尿検査や血液検査、メタボリック症候群の検査も行います。精神科の患者さんも薬を飲んでいますし、定期的な検査が必要であると考えています。また、一部の患者さんは食生活が乱れ、メタボリック症候群を発症している場合もありますので、そういった症状もフォローできる体制を整える意味もあります。さらに検査の結果、難しい症例がある場合は、専門の先生をご紹介することで、適切な治療に結びつけることもできます。患者さん自身もデータがあることで、客観的に内容を見ることができ、納得につながるのではないでしょうか。

先生の薬物療法に対するお考えをお聞かせいただけますか。

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精神科のお薬はずっと飲み続けなければいけない、と思うかもしれませんが、初めて病気になり治療した場合、ある程度治療が進んだ時点で薬をやめることを提案します。目安として、3ヵ月間安定すると寛解状態といわれています。ですので、その安定した状態がしばらく続いた場合は、薬をやめても良いと考えますね。しかし慢性的な病気の場合や、何回か病気を繰り返している場合は、予防的に薬を飲み続ける場合もあります。しかし一般的には、症状が改善につながれば、薬は一旦終了することを目標にします。

軽い相談のような気持ちで、気軽に受診してほしい

クリニックを受診する目安は、どんなタイミングなのでしょうか。

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患者さんの中には、「こんなこと相談していいのかな?」「自分の甘えなんじゃないのかな?」と思ってしまう方もいます。しかし実際にうつ病が進行すると、仕事や学校、家庭生活にも影響が出てきますから、その前の芽の段階でいらしていただくことをお勧めします。そのほうが、その後のご本人の負担も比較的軽くなりますからね。その他にも、インターネットでうつ傾向を評価するスコアシートなどがありますが、個人的にはそのスコアシートの結果を目安にしても良いと思っています。ただ、そのスコアシートを受けようと思った時点で、ご本人は「何かいつもの自分と違う」と感じている部分があるのだと思います。我慢や無理をせず、気軽にいらしていただけたらと思いますね。

どのような症状で受診される方が多いのでしょうか。

昨今は、発達障害の診断のために受診される方が増えてきました。発達障害は3歳から10歳頃までにわかることが多いですが、それは現代の話です。10~20年前までは、小さい頃に症状が出ていたけど軽かった人や、勉強ができた人などは発達障害の症状を見過ごされてしまっていることもあります。そんな人たちが大人になって、複雑な人間関係を構築するにあたり、つまずきやすい傾向にあるのです。あるいはうつ病がずっと治らず、検査をしてみたら発達障害だった、というケースもあります。また、当院の患者さんは、6割が女性です。若い女性ですと、摂食障害の方も多い傾向にありますね。

最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

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精神科や心療内科は、受診のハードルが高いと感じる方が多いかもしれません。でも当院の患者さんの中には、初めはちょっとした相談のために来院された方もいらっしゃいます。むしろそのくらいの気持ちで、気軽に受診していただけたらと考えています。自分が悪いんだ、自分は怠けているんだ、と我慢を重ねてしまう方もいらっしゃいますが、そんなことは決してありません。うつ病の生涯病率は女性で7人に1人、男性で10人に1人といわれています。精神疾患は珍しい病気ではないのです。最初は緊張したり、嫌だな、と思ったりするかもしれませんが、実際にお越しいただくと、診察や治療も含めて他の病院と変わらず、意外と淡々と終わります。当院は心のこと、体のこと含め、広く相談できる医療機関でありたいと思っています。ほんの小さなことでも構いませんので、気負うことなくご来院ください。

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