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久保田 敦 院長の独自取材記事

クボタ齒科醫院 

(松山市/道後温泉駅)

最終更新日:2022/06/20

久保田敦院長 クボタ齒科醫院  main

「日本三大古湯」の1つとして数えられる道後温泉。その風情ある街並みに溶け込むようにして立つのが、レトロな大正浪漫風の外観が印象的な「クボタ齒科醫院」だ。その歴史はとても古く、初代院長が約130年前に旧満洲の大連市で開業をしたのが始まりで、愛媛県宇和島市、松山市と場所を変えながらも代々受け継がれてきた。そして、現在4代目の院長を務めるのは、初代院長の曽孫となる久保田敦先生だ。東京歯科大学を卒業後、同大学大学院、ハーバード大学歯学部大学院で学び、ペンシルバニア大学歯学部の非常勤臨床教授も務める久保田院長に、同院の歴史や歯科医師をめざしたきっかけ、診療ポリシーについてさまざまに話を聞いた。

(取材日2021年12月27日)

約130年続く歯科医院の4代目として地域医療に貢献

非常に歴史のある歯科医院だそうですね。

久保田敦院長 クボタ齒科醫院 1

初代院長は私の曽祖父で、1890年に高山歯科医学院(現・東京歯科大学)の1期生として在学中に歯科医師国家試験に合格し、その後旧満州の大連市でクボタ齒科醫院を開業しました。2代目となる祖父は戦後宇和島で開業し、その歯科医院を私の父が3代目として継承。2000年には私が4代目の院長へと就任し松山に移転、2006年に現在の場所に移りました。

移転の地に松山を選んだのはなぜですか?

私の父が早い時期からインプラント治療を行っていたということもあって、宇和島にいた頃にも、遠方から来院する患者さんがたくさんいらっしゃったんです。患者さんの8割9割ほどが松山市からという感じで、私が診療に加わってさらにその数が増え、「松山に来てほしい」という声も多く聞かれるようになったため松山市での開業を決めました。当院の患者さんは若い方からご高齢の方まで幅広い世代が通われていますが、その多くがクチコミがきっかけで、中には東京から通ってくださっている方もいるんですよ。

こちらは、外観や内装もたいへん個性的ですね。

久保田敦院長 クボタ齒科醫院 2

ここは道後温泉の近くということで景観条例というものがあって、建物を建築する時にもその条例に合わせる必要があるのです。歴史ある道後の街並みに溶け込むような大正浪漫風の建物にするようにとのことでした。それで、たまたま道後の街並みというのが昔の大連の街並みと似ていたため、曽祖父が造った大連のクボタ齒科醫院を模して当院を建てたんです。院内については、歯科医院っぽくない雰囲気にしたかったので、和室のような内装にこだわりました。

大好きな祖父に背中を押され歯科医師の道へ

先生が歯科医師を志したきっかけについて教えてください。

久保田敦院長 クボタ齒科醫院 3

私は祖父にとてもかわいがられて育ったこともあり、私に父の後を継いでクボタ齒科醫院を継承していってほしいという祖父のとても強い思いがあったのが大きいと思います。祖父はその昔、宇和島藩で侍医をしていた森家の生まれで、もともとは医師をめざしていたのですが、久保田家の婿養子になるということで医大を退学して歯科医師になったんです。それでも歯科医師になってからは仕事にやりがいを感じていたようで、昔から私に「歯医者はいい仕事だぞ」ということをよく話していました。その祖父の影響で、私自身も小さい頃から歯科医師になろうと思っていました。

診療時間について、先生独自のこだわりがあるそうですね。

当院は診療時間が17時までで、一般的な歯科医院と比べて終わる時間がかなり早いんです。最近は19時、20時まで診療をしているところも多いのですが、そうすると実際にスタッフが帰れるのは21時過ぎになってしまうこともあります。朝9時から診療するわけですから、一般企業に置き換えるとかなり負担が大きいですよね。診療を17時までにすれば遅くても19時には帰れますし、看護師や歯科衛生士などのスタッフの負担も大きく軽減されます。一般企業と同じように、スタッフが働く環境を見直すことも大切だと思ったんです。それに、歯科治療では麻酔を使うことも多いんですが、遅い時間まで診療をした場合、麻酔で万が一のことが起きたときに他の病院や薬局が閉まっていたら、迅速に対応することができません。そうした安全面も含めて、いろいろな面で遅くまで診療することにはメリットがないと思っています。

感染症対策は、どのようなことを行っていますか?

久保田敦院長 クボタ齒科醫院 4

当院では新型コロナウイルスの感染が拡大する以前から、感染症対策として換気やマスクはもちろん、すべての医療機器の消毒・滅菌、患者さんごとの手袋やエプロン、紙コップなどの交換、診療台の消毒を行っていました。感染症対策というのは新型コロナだから特別に何かするというわけではなく、基本的にはどの病気に対しても「触らない」、「近づかない」というのが原則だと思います。これまでの歴史を振り返ってみてもSARSや豚インフルエンザなど10年ごとくらいに感染症がはやっていて、100年ごとくらいにパンデミックが発生していますから、当院では普段から1年分のマスクや手袋をストックするなどの備えを行なってきました。できるだけ接触を減らすためにキャッシュレス決済も導入し始めましたし、われわれ医療スタッフは「すべての患者さんが感染症に罹患している」と想定して、緊張感を持って感染防御対策をしています。

患者自身の選択を尊重し、幸せになる治療の実現を

先生が診療の際に心がけていることは何ですか?

久保田敦院長 クボタ齒科醫院 5

「説得をしない」ということです。例えば、先生によってはカウンセリングに十分な時間を取って、患者さんが納得いくまで説明をして治療するという方もいますが、私は患者さんを説得して治療を進めていくということはせず、基本的には「自分はこうしたいんです」という希望を聞くというスタンスでいます。当院では「最小限の侵襲による歯科治療」、「科学的・医学的根拠に基づいた歯科治療」、「最小限の治療で最大限の機能回復を計画」という3つを診療ポリシーに掲げているのですが、患者さん自身が「治療をしたい」と思わなければ、こちらがどれだけ説得しても継続して通院することは難しいのではないでしょうか。ただし、治療をせずにいるとどうなるかということはきちんと伝えます。治療におけるメリットとデメリットをはっきり伝えた上で、患者さんが幸せになる治療を患者さん自身が選択できることが大切だと考えています。

お忙しい毎日だとは思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?

趣味がいろいろと多いので、休みの日には趣味に没頭しています。私はペンシルベニア大学歯学部歯周治療学の非常勤教授でもありますので、新型コロナウイルスの感染が拡大する以前は1年に何回かはアメリカで講義をしたり、自分自身が学んだりということもしていました。

最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

久保田敦院長 クボタ齒科醫院 6

今後もこれまでどおり、患者さんが幸せになる治療を追求していきたいと思います。今はインターネットを使って多様な情報を簡単に知ることができる時代ですが、患者さんにお伝えしたいのは、インターネット検索して上位に表示された情報が必ずしも正しいとは限らないということです。ネットの中には歯科医師会などが否定している内容のものも多く、情報に溺れてしまっている方というのは注意が必要です。例えば、矯正ひとつとっても、今は「できるだけ早くから始めるべき」という情報が数多くあり、小さなうちから矯正相談に来る親御さんがたくさんいらっしゃいます。ですが実際には、子どもの歯の成長段階には「アグリーダックリングステージ(みにくいアヒルの子時代)」と呼ばれる時期があり、骨格が大きく成長する13歳まで待つべきという考えもあります。情報があふれている時代だからこそ、患者さんにはぜひ正しい情報を選択していただきたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/30万円~、ホワイトニング/1万5000円~

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