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伊藤創平 院長の独自取材記事

ITO DENTAL OFFICE

(浦安市/新浦安駅)

最終更新日:2019/08/28

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新浦安に信頼できる確かな技術を持った歯科医院を作りたい。そんな伊藤創平院長の想いから「ITO DENTAL OFFICE」は2007年に開院した。当院には、伊藤院長が得意とするマイクロスコープを使った治療を受けようと、患者は県外からもやってくる。伊藤院長がこの高い技術力を持つことができた理由のうちの1つに自分への厳しさがあるように思う。理想と現実の間で大きな壁にぶち当たった時、多くの人間が自分を甘やかし、妥協する。しかし、伊藤院長はそれをしなかった。一度は歯科医師を辞めようと思いつめたこともあったようだが、なにがそこまで伊藤院長を「理想の歯科医院作り」へと駆り立てたのか。伊藤医師の今に至るまでの長い軌跡について、詳しく話を伺った。
(取材日2015年11月13日)

マイクロスコープを使い、精度の高い歯内療法を

先生が得意とされている治療について教えてください。

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最近ではマイクロスコープを使った治療に力を入れており、関東圏内であれば遠方からも患者さんが来院されています。マイクロスコープはコンポジットレジンの修復やクラウンの形成、サイナスリフトなどさまざまな場面で使用できるものです。僕はその中で、歯の根の内部を治療する根管治療と外科的歯内療法によく使っています。マイクロスコープでの治療が功を奏すとデータで実証済みなのは外科的歯内療法です。歯内療法とは歯の根を掃除することで根の先端に病気を作らないようにしたり一度起きてしまった病気を治す治療です。しかし、通常の根の治療だけでは必ずしも根の先端の問題が解決できない場合があります。そうしたとき、歯茎の一部を切り開いて外側から歯の根っこを治療するのが外科的歯内療法。有用な治療なので、僕も処置ができるようになりたいと思ってトレーニングを受けました。他の歯科医院で抜かなければだめだと言われた歯が抜かずにすむこともあり、地域の皆さんのお役に立てているかと思います。

予防歯科にも力を入れていると聞きました。

当院では患者さんがみえたら、必ず資料を使って予防歯科の大切さを教えます。スウェーデンなど北欧諸国では予防歯科が効力を発していますが、スウェーデンの人が特別なのではなく、予防歯科に対する知識があるかないかというだけだと思うのです。開業当初と比較してここ10年で世間の意識もだいぶ変わってきていて、こちらの話もよく伝わるようになりました。当院に歯科衛生士が多いのも予防をきちんとしてほしいからです。当院では唾液を使ってどれだけ虫歯にかかりやすいのかリスク検査することもできます。予防について患者さんに興味を持ってもらうこともできますし、間食の習慣などを聞くことで患者さんの生活にも少しだけ入り込めます。コミュニケーションツールとしても役に立っていますね。

ホームページに掲載されていた「利き噛み」の話についても知りたいです。

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よく巷では「左右の歯で均等に噛まないと顔が歪む」と言われていますよね。でも、既に骨格が決まった18歳以上の人がいきなり左右均等に噛もうとすると顎関節症になる恐れもあるのです。右利きの人がある日から左手を利き手として使い始めると、人によってはひどい肩こりの症状が出てしまうのと同じことです。左右均等に噛んで効果があるのは5〜10歳の骨のやわらかいうち。手が右利きでもそれによって体が大きく歪んだりしないように、利き噛みはそのままで問題ありません。また、利き噛みを知っていると、入れ歯を作るときによりその人の噛み方に合わせたものが作れます。その方が元々持っていらっしゃった歯や顎の筋力を最大限生かすことができるのです。

祖母譲りの意志の強さでぶれない治療を実現

先生はなぜ歯科医師になろうと思われたのですか?

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きっかけは祖母の言葉ですね。僕は両親と祖母の4人で暮らしていたので、とてもおばあちゃんっ子だったんです。祖母は頑固で気が強い、ゴッドマザーといった態の人で(笑)、あまり人に弱みを見せません。そんな祖母がある日ぽろっと入れ歯の悩みを口にしたのです。珍しいことでした。話を聞いてみると、家の周りの歯科医院を5〜6軒回ったけれど入れ歯が合わないということでした。祖母だけかと思いきや、ご近所の方も同じような悩みを抱えていらっしゃったようで……。そこで「あの歯科医院に行けば安心」と思える場所を地元である新浦安に作りたいと思い、歯科医師をめざすようになりました。

先生が開院の際、心がけたことについて教えてください。

誰かに頼まれたのではなく、自分で作りたくて作った歯科医院である以上「歯科医院になんて行きたくないけれど、あそこなら行ってみる」と人に言ってもらえる歯科医院でなければならないと思っていました。特に、自分よりも年上の方からも「若いけれど、きちんとしている」と思ってもらえるよう気を遣いました。歯科医院に入った瞬間からその思いが伝わるよう、内装などのハード面はきちんとしたつもりです。これは、両親に結婚の許しをもらいに行くときにジーパンでは決して行かないのと同じことだと思うのです。実際、当院は多くの人生の先輩方からも気に入ってもらえる歯科医院になったと感じています。実際に僕は年齢の割に固いと思われているようで、そういう面がプラスに働いたのかもしれません。

セミナーもさまざまな分野のものに多数参加されていますね。

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自費診療の導入を検討した際に「もっときちんと学ぶべきでは」と思い、積極的に参加していました。でも、最近は無闇に裾野を広げることはせず、歯内療法の勉強に集中しています。最近はセミナーで教わるだけでなく、教える立場にもなってきたので、これまで以上に歯内療法に力を入れる必要性を感じています。それに、世に出る新しい技術が枝葉末節だとわかってきたこともあります。治療は基本的なことを確実にやれば成功率が格段に上がります。そこをないがしろにして器具ばかり新しいものに変えても意味がありません。また、新しい治療の効果のほどがわかるには5年ぐらいの年月がかかるでしょう。当院はその結果を待たずに、患者さんを使って治療の実験をする診療所ではありません。患者さんにそこまでのことはなかなか理解してもらえないかもしれませんが、そういうことはしたくないという思いがあります。

「もう辞めたい」失意の中で見た海外の歯科医師の姿とは

開院前はどのような経験を積まれましたか?

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卒業してすぐに勤めた歯科医院で、分院を任されることになってしまいました。治療でさえわからないことがたくさんあるのに、経営のことなどわかるわけがありません。「こんな医療体制でいいのか」という疑問から鬱屈とし、ビジネス書や自己啓発書をひたすら読む日々でした。その結果、患者さんから感謝されることも増えました。しかし一方で、日々の診療から「自分はまだ一人前の歯科医師ではない」と強く感じていたんです。地元の人から頼られる歯科医師になりたかったのに、こうした状況にいることの違和感から自分がバラバラになりそうになり、卒業後2年半で歯科医師を辞めようとまで思うようになってしまいました。でも、最後に質の良い歯科医療を見たいという思いから、ロサンゼルスで働く日系人歯科医師を調べて訪れてみたんです。ありがたいことに見ず知らずの私を米国の歯科医師たちは快く歓迎してくれました。彼らは自分の職業にプライドを持っていることがわかる、とてもいい顔をしていて。こういう仕事なら自分もそんな歯科医師になることをもう少し目指してみようと思い、気持ちを入れ替えて再出発したんです。

帰国後はどのように過ごされたのですか?

東京SJCDというスタディグループで理事をされていた難波医師に師事し、必死で働きました。難波医師の勧めでよく勉強会にも行きましたね。とてもセミナーに通うお金がない中、難波医師が僕のセミナー費を全額負担してくれたのです。歯科医師同士の交友関係もそこで増えました。7年間は本当に勉強漬けでしたね。難波先生にセミナー費を返そうとした時、「返さなくていいから、開業して後輩ができたらまた同じことをしてほしい」と言われました。それで、今までに3人の後輩を僕と同じコースのセミナーに送りました。歯科衛生士のセミナー費用もすべて出しています。よく学んだら、よく遊ぶというのが僕のポリシー。その振り幅が大きくなれば、自分の知らなかったことも見えてきます。スタッフを連れて香港旅行にも行きましたよ。以前、妻と訪れて、忘れられなくなるほどおいしかった牡蠣料理をスタッフにも食べさせたかったんです。良い経験をすることでそれが人としての幅を広げ仕事にも良い影響を与えると思っているからです。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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患者さんが歯科医院のマッチングをしやすくなるように、ホームページで自分の強みやなぜ当院を選んだほうがいいかのUSP(Unique Selling Proposition)を明確に出していきたいです。また、内部的には得意分野を強化していきたいと考えています。今までの歯科医院はすべての分野で60点を取ることをめざしていました。しかし、90点以上の診療を求めてやってくる患者さんももちろんいらっしゃいます。そんな方をがっかりさせないために、ある分野では90点以上が取れる歯科医院でありたいです。当院は歯科衛生士にも1人1台ルーペを持たせているのですが、それも誰か一人ではなく、クリニック全体としてレベルの高い治療を提供することを目指しているためです。衛生士も入ったばかりの頃は肩がこるなど口実をつけて外そうとしますが、やがてルーペなしではメンテナンスができないようになります。いずれは歯科衛生士もマイクロスコープを使ってメンテナンスにあたるくらいになるのが理想ですね。歯科は一度施した治療を元に戻すことができません。患者さんには分野ごとに適切な歯科医師を紹介できる、信頼できるかかりつけの歯科医師を持ってほしいな、と思います 。

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