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中野 もとみ 院長の独自取材記事

中野ファミリークリニック

(名古屋市昭和区/桜山駅)

最終更新日:2019/11/22

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昭和区の商店街にある地域のかかりつけ医として、住民の健康を支え続ける「中野ファミリークリニック」。院長の中野もとみ先生は、この地域の青果店の娘として生まれ育ったため、市場での「お客さん」が今では「患者さん」になっているとか。中野院長を子どもの頃から知る患者は「もっちゃん」と呼んで慕っているのだそう。内科と小児科、専門の麻酔科を標榜し、中野院長は、子どもから高齢者まで幅広い患者から親しまれ、若いママ世代からは先輩ママとしても頼りにされる存在なのだそう。スタッフたちと協力し合い、患者一人ひとりに温かく向き合っていくことを心がけていると話す中野院長からは、患者やスタッフを想う優しさが十分に伝わってきた。
(取材日2016年11月15日/再取材日2019年10月4日)

以前の市場での「お客さん」が、今は「患者さん」に

まずは、開院までの経緯を教えてください。

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麻酔科の医師として、大学病院などで手術や集中治療、救急に18年余り携わってきました。手術での麻酔管理だけでなく、内科・外科を問わずあらゆる診療に携わるうちに、もっと患者さんの生活に寄り添った医療を行いたいと思うようになり、2007年に生まれ育った土地に開院することができました。私は滝子商店街にある青果店の娘として生まれまして、当院の待合室の部分は昔の市場だったんですよ。当時のお客さんが今では患者さんになっています。子どもの私を知る年配の方々は、いまだに私を「もっちゃん」と呼んでくれますよ。

まさに、地域に密着したクリニックですね。

そうですね。昔からお付き合いのある方はもちろん、開業から月日がたち、多くの患者さんと親しくなってきました。病歴や家族構成などもよく知っていますので、日頃の診療に役立っていますよ。3世代にわたる患者さんもいて、例えば、おじいちゃんが風邪で来たら、ひょっとしたら一緒に暮らすご家族にもうつっているかもしれないとか、おばあちゃんが来院したときに「最近、体がしんどい」と言っていたからお嫁さんが疲れているのかなとか、患者さんの話にしっかり耳を傾けていれば、患者さんとその家族を丸ごと助けられる診療ができるのではと思っています。

診療や考え方に影響を与えたようなエピソードはありますか?

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来年100歳を迎える患者さんの話です。1年前、離れて暮らすご家族が、その方のために病院へ健康診断の短期入院を申し込まれましたが、入院して間もなく体調が悪くなり、ご自身も夜も眠れず、腹水もたまる状態でしたが、退院を希望されたんです。退院されてからは私が往診し、いざという時のために、私もクリニックに泊まり込んで待機した夜もありました。大きな病院では、普段の生活よりは管理体制も良かったはずなんでしょうが、好きなものを食べ、好きな時間に寝るほうが、その方には良かったのかもしれないですね。高齢者にとって突然環境が変わるのは良くないのだと改めて感じました。

誠心誠意尽くしてくださる様子が伺えます。

できることを精一杯することが私の役割だと思っています。患者さんのことは自分の家族のように思えてきますし、自分もそうやって年をとっていくのかなと考えると、本当は誰もが自宅で最期を迎えたいものですので、できるだけ患者さんの健康寿命が少しでも延びるような治療を心がけていきたいと思います。

スタッフ全員で患者を支え、一緒に年を重ねていきたい

在宅医療もされているようですね。どのような思いがありますか?

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大学病院から「40代後半の肺がん末期の患者さんが自宅で最期を迎えたいと希望しているのですが」と打診があり、スタッフに負担がかかることが気がかりだったので相談したところ、全員一致で「やりましょう」と言ってもらえたことがあります。その言葉で、私も安心してスタッフと一丸となって患者さんの在宅医療にとりかかれました。肺に穴も開いていて、クリニックの小さな滅菌器をフル回転させながらガーゼの交換をするなどして緩和ケアを続け、ご自宅で看取りました。延命が図れるなら設備が整った大きな病院に行くべきだと思いますが、自分の親も高齢になっている今、身内ならどうするかと考えたとき、できる限り患者さんの意向に沿う医療ができればと思っています。

スタッフの方々も同じ温かい気持ちで医療にあたっているのですね。

はい。スタッフ全員で患者さんの立場などを理解しながら寄り添っていくように努めています。例えば、身内の介護を経験しているスタッフもいますので、ご高齢の患者さんやご家族への細かい気遣いを大切にしています。また、私も含めてスタッフ全員が母親でもあるんです。小さいお子さんの扱いも慣れていますよ。お子さんの具合が悪そうだったら、「昨日お母さんは寝ていないんじゃない?」とか、親御さんへの声かけも欠かさないように心がけています。若いお母さん方には、私も微力ながら母親の立場からアドバイスさせていただくこともあります。最近は核家族化が進み、身近な相談相手がいないお母さんも少なくありません。本で熱心に勉強されるあまり「まだおむつが取れないんです」などと心配されるお母さんも多く、「時期が来ればちゃんととれるから大丈夫よ」という言葉がけだけでも安心されるようです。

クリニック全体で患者を見守っている様子が伺えます。

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スタッフたちは患者さんを家族のように大切にしてくれています。患者さんが医師に言いそびれたことがないかを受付や看護師が確認してフィードバックしてくれたり、患者さんの既往歴やご家族の情報などを全員で共有したりと、スムーズな診療につながっていますよ。スタッフ同士の仲も良いんです。スタッフの誕生日をみんなでお祝いしたり、夏にはお昼休みに近所にかき氷を食べに行ったりと交流を深めています。ちなみに、スタッフが近隣で患者さんとお会いした際には、お互いに声をかけ合っているようです。自慢のスタッフがそろっていますので、患者さんはもちろん、スタッフたちとも一緒に年を重ねていけたらすてきだなと思いますね。

医療を通じて、生まれ育った町に貢献していく

診療で心がけていることは何でしょう?

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患者さんにわかりやすく説明をして、納得してもらえるようにすることです。私自身も納得しないと前へ進めない性分なんですよ。最近は医療情報があふれていますが、上辺だけの情報に左右されてしまう患者さんも少なくありません。「先生、この薬は危ないって書いてあったから飲まないほうがいいの?」と言う患者さんがいて、「車を運転すれば交通事故に遭う確率はゼロじゃないけど、車は便利でしょう? 薬も100%安全とは限らないけれど、そのために私が責任を持って薬を処方しているのであって、飲まないほうがもっと危ないのよ」と説明したりします。私の家族も医療従事者ではないので、医療の話をしていると「どこまでわかっているんだろう」と感じることがあります。なるべく一般の人にもわかるような言葉を使うようにしていきたいです。

ところで、お忙しい毎日だと思いますが、休日はどう過ごしていますか?

休日は1週間分の食料品の買い物と家事です。患者さんからは「先生すごいね。家事もやって診療もやって」と言われるんですが、要領が悪いのか、実は家のことはバタバタの状態です。家族に迷惑をかけながらも開院以来、最新医療や漢方などの勉強は続けています。診療終了後の勉強会などにもできるだけ参加しています。新しいことの勉強の時間は深夜の12時から1時間くらいですね。漢方薬の効き目は人によって異なりますので、患者さんと相談しながら使っています。

今後の展望についてお聞かせください。

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昔、この場所が市場だったこともあって、患者さんの中には「久しぶりに○○さんとここで会って、ゆっくり話ができたわ。昔は買い物しながらよくおしゃべりしたけど、最近は顔を合わせることが少なくて」と、会えたことを喜んでくださる患者さんもいます。商店街も寂しくなってきた昨今、地域の方々の交流の場にもなるようなクリニックであればいいなと思います。今はまだ夢なんですが、お昼休みの時間帯を利用してここをサロンとして開放できればいいなと思っています。おばあちゃんも赤ちゃんを抱いたママさんも世代を超えたみんなが気軽におしゃべりできる場所であり、健康になれる場所になれば、すてきですよね。

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