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若尾 孝明 院長の独自取材記事

わかお内科クリニック

(尾張旭市/旭前駅)

最終更新日:2019/08/28

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名鉄旭前駅から徒歩10分、「わかお内科クリニック」は青い看板と曲線の屋根が目印の医院だ。名古屋大学医学部附属病院や総合病院での診療経験を持つ若尾孝明院長が2006年12月に開業。10年以上地域のかかりつけ医として診療を行い、特に糖尿病治療に力を入れている。また「優しい医院に」という思いから、患者とのコミュニケーションを大切にしていることも特徴。院内も、待合室は落ち着いたダスティーピンク、診察室は淡いグリーンを基調としており、優しくやわらかな雰囲気となっている。若尾院長の気さくで親しみやすい人柄から、長年通う患者も多いという。若尾院長に、診療にかける思いを語ってもらった。
(取材日2017年6月1日)

勤務医時代からの幅広い診療と、糖尿病への深い造詣

医師を志し、糖尿病を専門とされたのはなぜですか?

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私の母と祖母が助産師で、1960年頃に助産院を開院しました。特に母の仕事ぶりを何となく見ていて、医療に興味を持ち、中学時代には医師になりたいと思うようになりました。関西医科大学に入学、医師となり同大学病院で研修をし、第3内科に入局、出向。その後、愛知県内の病院に戻り消化器内科の医師として働いていました。その時の病院の内科部長が大学の先輩で、糖尿病を専門とされていて、自然と糖尿病患者さんを診る機会が増え、糖尿病がただ単に血糖が高いだけではなく、高血糖が続いたり血糖の変動が大きかったりすることにより、全身の血管に障害を起こす疾患であると再認識し、その奥の深さから専門にやっていこうと決めました。

糖尿病治療を行う際に、心がけていることは何ですか?

患者さん自身が、糖尿病とはどんな病気なのかを理解し、治療に参加していただけるようにしています。患者さんにどんな病気なのか、どんな治療があるのかなどを説明し、理解、納得していただき、自分で自分をコントロールしていただけるようになることが目標です。受診時には、血液検査、尿検査を行い、血糖値やHbA1cを測定、コントロール状態をリアルタイムで確認します。コントロール状態は、「まだまだ」「もう少し」「良好」「非常に良好」「低血糖に注意」などわかりやすく伝えます。そして、今後の方針を説明するようにしています。

患者さんとそれだけ長いお付き合いができるのは、やはり信頼関係があるためですね。

継続するためには、患者さんとの信頼関係が非常に重要になると思います。糖尿病の治療は継続することが大切で、コントロールが良くても悪くても、治療を中断することは絶対にしないでください。また、糖尿病は自己管理しないといけない疾患ですので、どのようにコントロールできるか、その人に合った治療を選択し提案する必要があります。インフォームドコンセントとして、患者さんに説明し同意をいただき、その上でインフォームドチョイスといって、患者さん自身に治療法を選択していただく、患者さん主体の治療をめざしています。

話しやすく優しい医院をめざして

開業するときにこういったクリニックにしようという指針はありましたか?

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“優しい医院”にしようと思いました。診療中、患者さんに対して怒ったりすることはありません。高圧的な診療ではなく、一緒に頑張ろうといった感じですね。まずは受診していただいて、気軽に会話できれば良いかなと考えています。お話しすることで、診療におけるインフォームドコンセント、インフォームドチョイスにもつながり、そして患者さんとの信頼関係を築くことができると思うのです。

患者さんには、どのようなことを話してほしいですか?

気を使うことなく、何でも話してほしいですね。会話をすることで、コントロール状態が変わる原因が理解できる場合が多いのです。例えば、普段の生活で変わったことはなかったか、食事や運動の自己管理はできているか、過労やストレスはたまっていないかなど、環境要因に変化がなかったかどうかを確かめることができます。また、季節的要因として、暑さや寒さの影響、食べ物、特に果物などの影響があるかどうかがわかります。その会話の内容を、カルテに簡潔に記録することが、次の診察の時に役立ち、診療の流れがスムーズになると思います。

建物の造りや院内の内装も優しいイメージで、美容サロンのような雰囲気ですね。

医院の建物の屋根は、直線ではなく曲線にしたり、女性の視点も必要ですので家内の意見を取り入れカーテンを選んだり、窓を大きくして圧迫感のない落ち着いた居心地のいい空間にしました。診察室では、高圧的な雰囲気にならないように、私の椅子には手すりをつけず、色は淡いグリーンを基調にしています。電子カルテは音声入力を利用しています。患者さんと向き合いながら、患者さんの言葉を私がマイクに向かって話し入力し、生活の変化や楽しいこと、悲しいこと、ストレスや食べもの、季節的な要因はないかなど、コントロールに影響を及ぼすことを中心にカルテに記載しています。

実際に開業されてみて、患者層はどうですか?

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小児を診ることはありますが、糖尿病の患者さんは10代から90代までと、幅広く診ています。内科と標榜していますので、高血圧症や脂質異常などの生活習慣病の患者さんもいらっしゃいます。以前に経験してきた、消化器内科の知識も何かと役に立っていると思います。また、対応するスタッフは看護師と事務員が常勤で2人ずつ、パートも2人ずついて忙しい時にも対応できるようになっています。開業当初より勤めているスタッフも3人いて、診察の流れはスムーズです。私よりスタッフに話しかける人も多いですよ。しかし、その話の内容をメモしておいてくれるので、そのおかげで診察が効率よくできていると思っています。また、管理栄養士も常勤しており、随時栄養指導も行っています。

コントロールの大切さ、検診の重要性

糖尿病の患者数は増えていると聞きますが、どうですか?

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糖尿病の患者さんはどんどん増えています。第二次世界大戦以前の日本と比べ、戦後食生活の欧米化が進み、昭和40年代外食産業が発展。摂取カロリーはほとんど変わりがないのに脂肪摂取量が増加しています。また、自動車の保有台数が増加していることもあり運動量が減少し体重が増加、社会生活も複雑化しストレスも増加など。その結果、糖尿病の患者さんが増えているわけです。1990年頃の糖尿病患者さんのBMI(体格指数)は23弱でしたが、2000年頃は24、2010年頃には25と徐々に肥満傾向が強くなっています。当院では、毎年9月に通院中の患者さんのコントロール状況のデータをとり、比較検討を行い、EBMを参考とし治療方針の見直しもするようにしています。

糖尿病の患者さんを診てきて、思うところはありますか?

若い人ほどコントロールするのが難しい、という印象です。仕事の都合で受診できなかったり、治療を一時中断してしまったり、生活が不規則で食事の時間がバラバラだったりで、自己管理をしようとしてもできない人が多いようです。次に、治療のドロップアウトが一番困った問題です。治療を中断したことによりコントロール状態が急激に悪化、高血糖による意識障害で緊急入院ということもあります。また、合併症が進行して一般生活に支障をきたすことにもなりかねません。コントロールが悪い人は、知らぬが仏タイプの人、わかっちゃいるがやめられない人がほとんど。やはり、しっかり自己管理をしていただかないと、と思います。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

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健康診断を受けましょう。糖尿病は、予備軍の段階から合併症が発症し進展する可能性があり、早期発見、早期治療が非常に大切です。糖尿病治療の目的は、合併症の発症、進展を阻止し、健康的な人と変わらない日常生活の質(QOL)を維持し、普通の生活を送られるようにすることです。そのためには、自分で自分を普通にコントロールできるようになることが大切で、治療の継続が必要不可欠です。

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