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殿山 勇次 院長の独自取材記事

とのやまクリニック

(西条市/伊予西条駅)

最終更新日:2020/10/26

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伊予西条駅から徒歩5分ほどの「とのやまクリニック」。クラシック音楽が流れ、ゆったりとした落ち着いた雰囲気の院内で迎えてくれたのが、優しい笑顔が印象的な殿山勇次院長だ。うつ病や社会不安障害、パニック障害、睡眠障害、統合失調症など、心に悩みを抱えた患者ができるだけ安心してリラックスできるように、診療の際には一人ひとりのペースに合わせてゆっくりと話を聞くことを大切にしている。常に患者の目線に立ち、患者にとってより良い医療の提供に力を注ぐ殿山院長に、診療に対する思いを聞いた。
(取材日2020年9月10日)

患者がリラックスできるよう、院内のBGMも厳選

先生が、医師を志したきっかけは何ですか?

Df1

自分ではあまり記憶がないのですが、小学生の頃から「医者になりたい」と言っていたということを父から聞いたことがあります。しかも、当時から精神科の先生になりたいと話していたそうです。父は普通のサラリーマンでしたし、身内に医師がいたわけではないのですが、そのように思っていたみたいですね。その後、具体的に医学部に進もうと思ったのは高校2年の時でした。ちょうど文系か理系か選択しなくてはいけなくて、将来の進路を考える時期でもありました。その当時は、読書も好きだったので文学部にも興味がありました。その時に考えたのは、文学部に入ってから医師をめざすことは難しいけれど、医師になったあとに文章を書くことはできるなと思って、理系に進むことを決めたというわけです。

落ち着いた雰囲気のすてきなクリニックですね。何か設計時にこだわったことはありますか。

患者さんができるだけリラックスして過ごすことができるように、院内は木の素材をたくさん使ったやわらかい雰囲気になるようにお願いしました。以前、雑誌か何かで目にした沖縄のホテルがとてもすてきだったので、その写真を設計士さんにお見せして、そのようなイメージのクリニックにしてくださいとお願いしました。

院内に流れているBGMも心地が良いですね。

Df2

以前は、ヒーリングミュージックや、イージーリスニングなどを流していたのですが、なんとなくしっくりこないなと感じていたんです。そこで、とある作曲家のクラシック音楽を採用したところ、不思議なことに半日以上聴いていると耳が痛くなってくるんです。これはスタッフも同じ意見で、1、2時間なら大丈夫なのに、丸1日となると疲れてしまうんですね。それで、いろいろと試行錯誤してみた結果、特定の作曲家のクラシック音楽が良いということに気がつきました。曲数が多いので1日中流していても同じ曲の繰り返しにならず疲れないし、落ち着きやすく、私やスタッフはもちろん、患者さんにとっても最適だと思ったのです。以来、院内のBGMはその作曲家の音楽を流すようになりました。

患者のペースを尊重し、丁寧に真摯に向き合っていく

どのような悩みで来院する方が多いですか?

Df3

うつ病系統の悩みを抱えた患者さんが多いですね。「うつ病」と言っても、20年ほど前までは「何も原因がないのに落ち込む」という方が多かったのですが、最近は労働問題や家庭や人間関係の悩みなどが原因で気分が落ちこんでしまったり、つらさを感じたりしている方が多いのが特徴です。あとは、睡眠障害やパニック障害の患者さんも昔と比べて増えていますし、社会不安障害の方もいます。社会不安障害というのは、いわゆる対人恐怖症やあがり症と呼ばれるもので、例えば、働いている方が普段は大丈夫なのだけれど、ミーティングなどで人前で話をしなくてはいけないから何とかしたいと言って来院する場合もあります。患者さんの中には、習慣になってしまわない程度に一時的に薬を飲むという方法で乗り切っている方もいるんですよ。

物忘れの外来についてもお聞かせいただけますか?

物忘れの外来を受診するのは認知症の方が多いですが、その手前の段階の方もいらっしゃいます。来院された方にはまず、脳の器質的な疾患の可能性を排除していかなくてはいけないので、脳神経外科で診察をしてもらったことがあるか、脳のCT検査をしたことがあるかということを必ず確認しています。心ではなく体に何か問題がないかを確認し、ある場合にはまず体のほうからきちんと治していくことが大切だからです。物忘れがある場合には、その症状がどの程度なのかを調べるための簡易テストを行っています。高齢者の中には、うつ病が原因で認知機能が低下しているケースも多いので、その場合にはうつ病の治療を優先するようにしています。

初めて受診する際、不安な方もいると思うのですが、診療の流れをご説明いただけますか?

Df4

初めて受診をされる方は、しっかり時間を取って話をお聞きするためにも、電話で予約を入れていただいたほうが良いと思います。その際に、具体的な症状や状況をある程度ヒアリングし、その結果、脳の病気など、他の病気の可能性がある場合には、適切な診療科にかかることができるようにその旨をお伝えしています。わざわざ時間をとって来院したのに、無駄足になってしまってはいけませんから、ぜひ事前にお電話いただければと思います。また、初診の方は、まず30分ほど時間をかけて、看護師が細かく話を伺います。その際に簡易的なテストを受けていただいて、その結果をもとにしながら、カウンセリングルームで私が診察をしていくという流れが一般的です。

先生が診療の際に心がけていることは何ですか?

患者さんができるだけ安心できるように、その方のペースにゆっくりと合わせることを常に心がけています。あとは、患者さんが嫌だと感じることはしないということです。「嫌なことをしない」というのは当たり前のことなのですが、実際に医療機関の中には、忙しくて長い時間待たせているのに、診療となると患者さんを早く追い払おうとするような対応をしてしまうところもあります。そうしたことがないように、気をつけています。よく「患者さんに寄り添う」という言葉を聞くのですが、私はその言葉はあえて使わないようにしているんです。なぜなら、「寄り添ってもらっている」というのは患者さん自身が感じることで、医師の側が言うことではないと思うからです。

事前の電話によるヒアリングで、より適切な方法を提示

先生は、どのような時に精神科の医師としてのやりがいを感じますか?

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やはり、診療を終えた方が「うれしい」と喜んでくださった時ですね。もちろん、すべての方が早く順調に回復していくというわけではなく、人によって経過は異なりますが、内科などにずっと通っていて薬を飲んでいたけれどまったく症状が良くならなかったという方が、ここへ通うようになって少しずつ笑顔を取り戻す様子を見ていると、私もうれしいですし大きな励みになります。

お忙しい毎日だと思いますが、プライベートはどのようにお過ごしですか?

もともと、動画共有サービスや有料のメールマガジンなどで新しい情報をインプットすることが好きだったのですが、その中でも最近は日本史に興味があっていろいろと勉強をしています。科学は進化しても、人間の基本的な構造や脳と心は旧石器時代から進化していないと思うんです。人間の9割は感情で、考えるセオリーというのは昔も今も同じだと私は考えていて、感情で歴史をひもといていくととても面白いんですよ。日本の歴史以外にも、患者さんにとって有益な情報をアドバイスできることもあるので、いろいろな情報を柔軟に吸収していくことは今後も続けていきたいと思っています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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今後も、大風呂敷を広げるのではなく、丁寧に真摯に患者さんに対応していきたいと思っています。初めて当院を受診する方には、まずはお電話である程度の状況をお伺いした上で、当院で対応が可能なのか、それとも大きな病院を受診したほうが良いのかをお伝えするようにしています。実は東予地区というのは精神科救急が整っていないので、大きな病院を紹介する必要があった場合でも、多くの場合すぐに診てもらうことができません。ところが、最初から病院へ通っていればその患者さんは優先的に診てもらうことができるんですね。ですから、例えば入院が必要な状態の方の場合には、当院が間に入らずに最初から病院へ行ったほうがすぐに適切な医療を受けられることもあるんです。患者さんにとってより良い方法をお伝えするためにも、まずはご相談ください。

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