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中西 賢一 院長の独自取材記事

弥富通クリニック

(名古屋市瑞穂区/瑞穂運動場東駅)

最終更新日:2022/12/02

中西賢一院長 弥富通クリニック main

弥富通4丁目に建つ「弥富通クリニック」。れんが風の温かみのある外壁に天窓のついた建物で、院内はパステルトーンでまとめられており、やわらかい雰囲気が漂う。中西賢一院長は大学病院や総合病院の外科で数多くの手術に携わり、一般内科においても幅広い経験を積んできた。開業して20年近く、現在は高血圧や高脂血症といった生活習慣病から、けがや腹痛、花粉症、皮膚疾患、痔、小児科まで幅広い症例を受け入れている。「何科に行ったら良いのかわからない、という方にとって気軽に受診しやすい最初の医療機関でありたい」と中西院長。必要に応じて専門の医療機関に紹介することも町のクリニックの役割、との姿勢を貫く。「病気だけではなく人を診て、その方にとって一番良い医療を提供したい」と話す中西院長に、地域医療にかける思いを聞いた。

(取材日2022年10月3日)

地域密着型のクリニックとして幅広い症状に対応

先生のご経歴について教えてください。

中西賢一院長 弥富通クリニック1

私は長崎の出身で、名古屋大学医学部卒業後、群馬県の総合病院や名古屋大学医学部附属病院に勤務しました。その後、米国ノースカロライナ大学医学部血管外科に留学の機会をいただき、帰国後は複数の総合病院にて血管外科、消化器外科、肛門科、一般外科の手術や救急診療にも携わりました。独立を考えるようになった頃たまたまこの土地に巡り合い、2004年開業に至った次第です。この辺りは地下鉄の駅へは徒歩十数分で、いろんなお店や飲食店もたくさんあり、住みやすい環境だと思います。患者さんは近隣の方が中心で穏やかな方が多いですね。

院内はアットホームな雰囲気を感じます。

開業時には患者さんが来やすく、過ごしやすい環境にしたいと考えて、全体の色合いは「ピーチ」をイメージしました。待合室のソファや床はピンクやアイボリーにしており、スタッフの制服にもピンクや花柄を取り入れています。また私もスタッフも患者さんが常に何でも聞きやすいような姿勢を心がけています。スタッフは長く勤めてくれている人が多いので、患者さんの背景もある程度把握しており、若い人にとっては「お母さん」のような存在になっている人もいますね。開業して18年以上になりますので、近頃ではおじいさんおばあさんから親御さん、お孫さんと家族そろって通院されているケースも多く、昔は小さかった子が大人になって結婚して赤ちゃんを産んで連れてきてくれることも。とてもありがたく思っています。

患者さんはどのような症状で来られていますか?

中西賢一院長 弥富通クリニック2

長年通院されているのは高血圧や高脂血症、糖尿病など生活習慣病の高齢の方でしょうか。最近ではホームページを見て、当院が肛門科も対応していることを知り、他の区からでもお尻に症状をかかえた患者さんが来られます。痔は比較的若い方が多いですね。小児科も標榜していますので、夕方はお子さんもよくいらっしゃいます。よくある内科的症状の他、下肢の痛みや腫れ・むくみ、静脈のふくらみ、アレルギーやじんましん、頻尿、腰痛、更年期障害、うおのめからけがややけどまで多彩です。特定健診や予防接種、経鼻胃内視鏡検査などでも来院されます。通院されている方からは、最近気になるちょっとした事やご自分ではなくてご家族のことで「具合が良くないが病院に行ったほうがいいだろうか」「高齢の親に適した施設はどこか」といったご相談を受けることもあり、病診連携や介護事業とのネットワークを生かし、できる限り対応しています。

適切に診断し、振り分けることも開業医の役割

外科、内科、小児科、胃腸科、肛門科と幅広く診療されていますね。

中西賢一院長 弥富通クリニック3

はい、患者さんによっては皮膚も診ますし、花粉症や腰痛、頻尿、漢方薬などのご相談にも応じています。総合病院では長く外科医として血管外科手術に携わりましたが、外科は患者さんの術後管理など内科の持病も含めて全身管理を行います。そうしたことも含め一般内科の診療経験も幅広く積んできました。今はその経験を生かし、経鼻胃内視鏡をはじめさまざまな検査を行っています。総合病院と違い、町のクリニックはまず、「気軽にかかりやすい」と思っていただくことが大事。患者さんの中には「体調が悪いけれども何科に行ったらいいのかわからない」という方が結構いらっしゃるのです。そんな方々を幅広く受け入れたいと思ってこれまでやってきました。できることは自院で対応し、専門的な治療が必要な場合には迅速に病院や専門クリニックを紹介する、その適切な振り分けをすることも町のクリニックの重要な役割だと思っています。

普段の診療で大切にされているのはどんなことですか?

当たり前のことですが、基本的にやるべきことをきちんとやる、ということです。患者さんのお話をじっくりと、聞き漏らさないようにすること、こちらからは患者さんに必要なことをしっかりと伝え漏れがないようにすることですね。午前はたまに混み合うこともあるのですが、忙しくともそれらのことはきちんとしようと心にとどめています。患者さんと話し合いながら、その方にとって一番良い方法を見つけていくことが何よりも大切です。夕方の時間帯は比較的余裕がありますので、お仕事帰りなどにお気軽にいらしていただければと思います。

先生がやりがいや喜びを感じられるのはどのようなときですか?

中西賢一院長 弥富通クリニック4

急病で来られる患者さんの中には、ときには命に関わるケースもあります。そんなときにすぐに専門の医療機関に送るため、救急車を呼んで適切な対応ができたら、これほどうれしいことはありません。日常の診療の中でも診察、検査を行い診断をして、このような経過で良くなっていくといいなと期待した方向で症状が軽快していったり、患者さんがこちらのアドバイスをちゃんと受け入れてくれてその結果が出たりしてくれたら、うれしいですね。患者さんのお役に立てることが一番のやりがいです。

あらゆる症例を広く受け入れ診断と振り分けを行う

もともとのご専門である血管外科についても教えてください。

中西賢一院長 弥富通クリニック5

血管外科というと心臓外科医のイメージがあるかもしれませんが、血管の病気は心臓以外に腹部や下肢にも生じます。生活習慣病などで動脈硬化が進むと、血管が脆くなり、薄くなった部分にこぶのように動脈瘤ができたり、下肢の血流が悪くなると閉塞性動脈硬化症になったりします。静脈では、下肢表面の静脈が浮き出る下肢静脈瘤という疾患もあります。血管疾患は自覚症状がないこともあります。今は新型コロナウイルス感染症の流行下ということもあって患者さんの体に触れて診察することが難しいのですが、患者さんから「おなかに拍動するコブがある」「足がだるい」と言われたときには血管疾患も視野に入れ、おなかに触ったり、足の甲やくるぶしの血管に触れたりして診察することもあります。そうした専門的な診察ができることが当院の強みともいえますね。検査結果の数値だけでなく、触診も含めて総合的に診断するようにしています。

こちらでは漢方薬も積極的に取り入れられていると伺いました。

漢方薬は開業以来ずっと取り扱っており、西洋薬との兼ね合いや、患者さんの症状、体質、普段の健康状態などを考えて、それぞれの方に合うように使い分けています。同じ漢方薬でも人によって効き方が違い、そうした処方経験を積むことや研究会に参加することなどで私も熟練していくことができますね。当院で多いのは、女性の更年期障害や便秘、むくみの方、あとは胃腸関係で食欲がない、元気がない、胃がもたれるといった方などです。中には頻尿症の方もおられます。長く使うもので、体質自体を変えていくには漢方薬が向いていると考えています。

今後の展望についてお聞かせください。

中西賢一院長 弥富通クリニック6

当院は患者さんが初めに受診するクリニックとしてあらゆる疾患に幅広く対応し、プライマリケアを提供していきたいと思っています。長くこの地にいますので当院を最初に受診すると決めてくださっている患者さんがたくさんいて、これからもそうした方々の要望に応えていきたいですね。病気を診るだけでなく全人的な診療を行い、継続して丁寧にコミュニケーションを取ることで、小さな変化も見逃さないようにして病気の早期発見や予防にも努めたいです。ここでできる治療はしっかりやり、できないことは適した医療機関に紹介するというクリニックの大事な役目も果たしていきます。最近では高齢になって通院が難しくなった方もおられ、可能な範囲で訪問診療を行うようになりました。当院の敷居は低く、窓口は広いので、「ちょっと相談したいな」「何科に行ったらいいかわからない」と思ったときにまず相談していただければと思います。

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