ブレスト・アウェアネスと検診
乳がんに負けない人生を
新都心レディースクリニック
(さいたま市大宮区/さいたま新都心駅)
最終更新日:2024/05/14
- 自由診療
日々の生活の中で、自分の乳房をチェックする習慣はあるだろうか。「新都心レディースクリニック」の甲斐敏弘院長は、すべての成人女性に対し「自分の乳房に意識を向けてほしい」と呼びかける。自分の乳房を見たり触れたりする生活習慣を身につけ、違和感は放置せずに医師に相談し、40歳を過ぎたら何もなくても定期的に乳がん検診を受ける。これが広く呼びかけられている「ブレスト・アウェアネス」だ。乳がんの早期発見のためには、「視触診・マンモグラフィ・超音波検査の結果を総合的に診て判断することが大切」だと話す甲斐院長に、マンモグラフィと超音波検査の違い、また検査を受けたほうが良い年齢やその頻度について聞いた。
(取材日2023年9月15日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q乳がん検診は何歳頃から受けるべきですか?
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A
まだ20代で症状がない方でしたら、まずはセルフチェックから始めてみてください。ご家族に乳がんの方がいらしたり、30代になって機会があれば超音波検査を受けてみると良いですね。もしセルフチェックで少しでも気になることがあれば、年齢に関わらず医師に相談してください。40歳を過ぎたら、何も症状がなくても乳がん検診を受けましょう。日常的に自分の乳房をチェックし、しこりや乳頭分泌などの変化に気づいたらすぐに医師に相談し、40代になったら定期的に乳がん検診を受ける。この「ブレスト・アウェアネス」の意識を常に持っていただきたいと思います。
- Qマンモグラフィと超音波検査はどのように違うのですか?
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A
マンモグラフィでは乳房全体を検査機器ではさみこみレントゲン撮影をします。しこりや石灰化病変を見つけやすいのですが、乳腺の多い高濃度乳房の方ではしこりを見つけにくい場合はあります。超音波検査はレントゲンを使わないので若い方にもお勧めできます。ただ、検査を行う人の技量によって診断に差が出ることもあります。この2つの検査方法はとても大切な柱で、お互いに弱点を補うような関係にあります。特に40代以降の方や気になる症状のある方は、マンモグラフィと超音波検査を併せて受けることが理想ですね。視触診・マンモグラフィ・超音波検査の結果を総合的に診て判断することが大切です。
- Q検診は毎年必要なのでしょうか?
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A
がんの進行スピードには個人差があり、検診間隔の途中で腫瘍が大きくなってしまうケースもあります。市民検診は公費を使い死亡率減少が目的ですから2年に1度のマンモグラフィ検診になりますが、当院では毎年の検査をお勧めしています。それは検査の間隔が短い人のほうが腫瘍が大きくなる前に発見が期待でき、リンパ節転移の可能性も低いからです。市民検診でマンモグラフィを1年おきに、その合間に超音波検査を受けるのも良いでしょう。また前回の画像と比較して読影するとさらに変化を見つけやすくなり乳がんの早期発見につながります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診票に必要事項を記入
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自覚症状の有無、既往歴、授乳歴、家族に乳がん患者がいるかなどの質問に回答。豊胸手術やインプラント治療といった外科手術の経験も忘れずに記入しておきたい。なお生理中は胸の痛みを感じやすいため、生理後の落ち着いた時期が検査には適しているという。またスムーズな検査のために、当日の服装は上下の分かれたものが望ましい。
- 2問診・視触診
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問診票の結果をもとに、医師が詳しく話を聞く。乳がんは、乳頭や脇も含めて胸部全体に発症する可能性がある。見落とさないよう、視診や触診でしこりや乳頭分泌の有無を医師が確認。市民検診で予約した場合でも、症状によっては医師の判断で保険診療に切り替えることもある。
- 3マンモグラフィ検査
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マンモグラフィと超音波検査を同時に受ける場合、まずはマンモグラフィ検査が先に行われる。同院では女性の検査技師が担当。こまめな声がけで、患者がリラックスして検査を受けられるよう緊張をほぐす。立ち位置や姿勢などもサポートしながら、痛みの少ない検査を心がけているという。
- 4超音波検査
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医師がマンモグラフィ読影を行った後に超音波検査。超音波検査では行う人の技量により差が出るものだが、同院ではがんの発見精度を高めるため、院長自ら超音波検査を行うとのこと。視触診やマンモグラフィで気になる部分は超音波検査でも注意して検査することで、病変の見落としを防いでいるという。
- 5検査結果の説明
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通常の検診や保険診療の場合は総合的に判断され医師から結果説明を受ける。市民検診の場合は医師会の二次読影を経て約3週間後に結果説明。市民検診で要精査と判定された場合は保険診療での超音波検査などの再検査を受ける。さらに精密検査や手術が必要な場合には信頼している専門の治療施設への紹介となる。
自由診療費用の目安
自由診療とは自費検診 Mコース(視触診+マンモグラフィ検査(2方向撮影))/8250円、Uコース(視触診+乳腺超音波検査)/7150円、UMコース(視触診+マンモグラフィ検査(2方向撮影)+乳腺超音波検査)/1万2000円