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甲斐 敏弘 院長の独自取材記事

新都心レディースクリニック

(さいたま市大宮区/さいたま新都心駅)

最終更新日:2023/07/14

甲斐敏弘院長 新都心レディースクリニック main

さいたま新都心駅から徒歩1分、雨の日でも濡れずにたどりつける好立地に「新都心レディースクリニック」はある。院長の甲斐敏弘先生は、乳がん検診のスペシャリストとして、埼玉乳がん検診検討会やNPO法人埼玉乳がんケア・サポートグループの運営にも携わる医師だ。2007年の開業以来、乳腺と甲状腺の検診と診療を専門とするクリニックとして地域を支えてきた同院。目の前の患者に真摯に向き合いながら、乳がん検査と診療の未来を見据えて日々精力的に活動する甲斐院長に、診療のこだわりや乳がん検診のこと、今後の展望などについて、たっぷり話を聞いた。

(取材日2023年6月21日)

さいたま市広域で乳がん検診を長年担ってきたドクター

2007年の開業以来、日々たくさんの検査をされているそうですね。

甲斐敏弘院長 新都心レディースクリニック1

開業した当時は、この地域で乳がん検診や一次診療を行っているクリニックが少なく、これから増えていくであろう乳がん患者に対して手薄な状態でした。当時は埼玉県の乳がん検診受診率もあまり高くない状態でしたし、この地区で検診と診療をもっと行っていく必要があると感じたことで開業に至りました。当クリニックはレディースクリニックという名ですが、婦人科ではなく乳腺と甲状腺の検診・診療を専門的に行うクリニックです。日々たくさんの患者さんにお越しいただいており、2021年度(2021年4月~2022年3月)においては、マンモグラフィ撮影件数7873件、乳房超音波検査数7745件でした。

患者層について教えていただけますか?

当院の受診者の方の平均年齢は47歳くらいで、さいたま市にお住まいの方以外に遠方から電車で受診される方もいます。来院される方は、乳腺や甲状腺の症状があって保険診療で受診される方、さいたま市の市民検診や自費検診で受診される方、乳がん術後のホルモン療法やフォローアップで受診される方などさまざまです。特にさいたま赤十字病院乳腺科とは密に連携を図っておりまして、さいたま赤十字病院の電子カルテも導入し、3人の先生方にも非常勤で来てもらっておりますので、ご不安なくご来院いただけるのではないかと思っております。

クリニックでは、さいたま市の市民検診も受けられるのですね。

甲斐敏弘院長 新都心レディースクリニック2

さいたま市の市民検診としては、乳がん・肺がん・大腸がん・骨密度・肝炎・女性のヘルスチェックをお受けしています。40歳を過ぎたら定期的に検診を受けていただきたいですね。市民検診の場合ご予約なしで受けていただけます。さいたま市からの補助金もありますので、ぜひ活用していただきたいですね。

医師による読影と専門性の高い技術が支える検診を

クリニックでの乳がん検診、乳腺診療について教えてください。

甲斐敏弘院長 新都心レディースクリニック3

乳がん検診としては市民検診と自費検診に対応しています。市民検診では視触診と併せてマンモグラフィを受けていただき、約3週間後に対面で結果を説明いたします。自費検診ではマンモグラフィか乳房超音波検査か、その両方かを選んでいただきますが、年齢や家族歴、検査歴を考慮してその方にあった検査方法をお勧めする場合もございます。自費検診の方には当日結果を説明いたします。また、自覚症状がある方は保険診療として検査を行います。マンモグラフィや超音波検査をお受けいただき、必要があれば穿刺吸引細胞診を行います。細胞診の結果や画像所見を総合的に判断し、当院でフォローアップをするか、専門施設に紹介するかを考えます。なお、マンモグラフィの撮影は女性の放射線技師が撮影しますが、乳房超音波検査は医師が担当します。

先生が乳がん検診で大切にされていることは何でしょう?

マンモグラフィは専門性をもった女性放射線技師に撮影をお願いしていますが、その読影と超音波検査は自分で行います。そして画像所見の小さな変化にこだわることが大切だと思っています。特に超音波検査を行いますと、良性の所見を持った方はたくさんいらっしゃいます。それらの所見の見極めがとても大切だと思っています。当院では開業以来の画像はすべて保存しており、必ず過去の画像所見と対比するように心がけています。乳がんは病理学的、つまり顕微鏡的には多くの種類があって、しかもそれらが混在している場合が多いために、画像上も多彩な像を呈することがあります。医師としての醍醐味としては診断の難しさにあるかもしれません。そのため、当院で経験した所見は研究発表や症例検討会などで多くの先生方と共有するようにしておりますし、自分自身も常にブラッシュアップしているつもりです。

乳がんが見つかった方にはどのようなフォローアップをしますか?

甲斐敏弘院長 新都心レディースクリニック4

乳がんが見つかった方には、ご希望の専門施設に紹介させていただいてますが、特にこれまで一緒にいろいろな活動をしてきたNPO法人埼玉乳がんケア・サポートグループの先生たちにお願いすることが多いです。術後の方ですと、ホルモン療法と画像検査に対応しています。術後ホルモン療法は投与期間が長くなったのもあり、当院のようなクリニックでも連携をしながら患者さんに対応する必要があります。先に述べましたように、さいたま赤十字病院の電子カルテは当院で見ることができるようにしており、担当医師にも非常勤で来てもらっています。また、患者会「ミモザの会」という乳がん患者さんたちの茶話会を行っています。気軽におしゃべりをしてもらう会なのですが、乳がんの治療など、個人的な相談をしたい方には診療室に移ってお話を伺うこともできますよ。新型コロナウイルス感染症の流行で開催を控えていたのですが、近々再開を予定しています。

目の前の患者と乳がん検診・診療の未来を見据えて

患者さんに知っていただきたいことがあるそうですね。

甲斐敏弘院長 新都心レディースクリニック5

一般の方には「ブレスト・アウェアネス」について、広く知っていただきたいと考えています。「ブレスト・アウェアネス」とは、「日常的に自分の乳房を見たり触れたりすることで、小さな変化に気をつけ、しこりや乳頭分泌などの変化に気づいたらすぐに医師に相談し、40歳になったら定期的に乳がん検診を受ける」という生活習慣を身につけましょう、ということです。日頃からご自身の体に向き合い、小さな変化にも気づける習慣を養えば、もし乳がんが見つかっても、早い段階で治療を受けられるでしょう。ぜひ新しい習慣として日常に取り入れてみてほしいです。この「ブレスト・アウェアネス」啓発については大宮医師会乳がん検診委員会のメンバーと研究課題として取り組んでいるところです。

今後の展望について教えていただけますか?

診断の部分については今後も画像にこだわった診療を継続していくこと、また市民検診や自費検診をお受けになる検診対応の方には「ブレスト・アウェアネス」の啓発を続けていきます。これは大宮医師会全体としても関わっていくつもりです。また、乳がんになった方たちは術前から術後のそれぞれの時期でさまざまなお悩みをお持ちです。一人の医師が対応できる範囲も限られていますので、近いうちに「乳がん何でも相談会」として複数のメンバーで相談に乗るような、新しい形での活動を始めたいと考えています。さらに、乳がん薬物治療は進歩した半面、副作用のコントロールに多くの診療科が関わらないといけない薬物もでてきました。どの施設でも同じように治療することができない時代になりつつあり、治療施設間の垣根を越えた連携を強化していく必要があります。中長期的に、各施設の先生方の連携体制を構築するお手伝いができればと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

甲斐敏弘院長 新都心レディースクリニック6

まずは「ブレスト・アウェアネス」の意識を高めていただき、日頃からご自身の乳房の状態を知ることで、小さな変化にも気づけるような生活習慣を身につけていただきたいと考えています。そして少しでも違和感や不安を抱いたら、すぐに医師に相談してほしいと思います。乳がんは、定期的に検診を受けていただき、早期発見・早期治療ができれば、怖い病気ではありません。当クリニックでは、さいたま市の市民検診を予約なしで受けていただけますので、まずは気軽に検診を受けてみるところからスタートしてみましょう。市民検診は隔年ですが、当クリニックとしては、早期発見のためにも毎年検診を受けていただくことをお勧めしています。定期的に保険診療で行う検査から自費検診、乳がんの術後患者さんのフォローアップまで、お一人お一人の症状に向き合いますので、まずはお気軽にお越しください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

自費検診 Mコース(視触診+マンモグラフィ検査(2方向撮影))/8250円、Uコース(視触診+乳腺超音波検査)/7150円、UMコース(視触診+マンモグラフィ検査(2方向撮影)+乳腺超音波検査)/1万2000円

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