歯科矯正用アンカースクリューを用いた
矯正歯科治療
JOY矯正歯科クリニック
(横浜市港北区/綱島駅)
最終更新日:2021/10/12


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矯正治療にあたっては、長期間の治療や抜歯は避けられないと思っている人も多いのではないだろうか。実は、これらの問題を解決する新しい治療がある。歯科矯正用アンカースクリューと呼ばれるネジを歯茎の骨の部分に入れ、歯を動かすときの固定源とする方法で、「インプラント矯正」とも呼ばれる。歯を大きく効果的に動かすことを目的としたこの方法を用いることで、治療期間の短縮や非抜歯にも期待できるほか、ヘッドギアなどの補助器具を使わずに済むという。大学病院の矯正歯科で外来医長を務め、現在も母校で非常勤講師を務める「JOY矯正歯科クリニック」の福山英治院長に、治療のメリットや注意点について話を聞いた。
(取材日2015年12月15日)
目次
治療期間の短縮や非抜歯の可能性アップにも期待できる矯正治療
- Q治療の流れについて教えてください。
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A
▲初診時には丁寧なカウンセリングを行い、ベストな治療法を提案
歯科矯正用アンカースクリューは直径1.4~2㎜、長さ6~10㎜ほどの微小なチタン合金製のネジです。まずは、これを埋入する位置や方向をレントゲン画像などをもとに検討します。シミュレーションできたら、少量の麻酔を施し、歯茎にメスは入れずに専用のドライバーを使ってスクリューを入れます。埋入後にもレントゲンで位置や方向を確認し、問題なければ消毒をして終了。その後、抗生物質や鎮痛剤を処方し、清掃法の指導も行います。矯正治療の固定源として歯を必要な位置まで動かしたら、最終的にスクリューを抜きます。
- Qメリットは何ですか?
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A
▲歯茎右上に埋められているのが歯科矯正用アンカースクリュー
従来は、抜歯スペースを利用して上の前歯を下げたい場合、奥歯が手前に動かないようにヘッドギアを使用してもらうこともありました。その使用時間が不足すると、上顎前突が十分に改善できないこともありましたが、歯科矯正用アンカースクリューにより、患者さんの協力に頼らず治療を進められるようになりました。また、固定源が確保されるため効率よく歯を動かすことができ、治療期間の短縮も期待できます。さらに、小臼歯抜歯をしないで済んだり、先天欠如やむし歯で抜歯したスペースを閉じることもできます。ガミースマイル(笑った時に歯ぐきが多く見える状態)や開咬など外科手術を必要としていたケースで、手術を回避できる場合もあります。
- Q痛みや出血がないか心配です。
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A
▲院長は矯正について専門的な知識を持つ
「インプラント矯正」とも呼ばれるため、大変な手術を想像されるかもしれませんが、歯を失った部分に埋め込む「デンタルインプラント」とはまったく異なり、それほど大がかりなものではありません。所要時間は1本あたり5~15分ほどと短く、歯茎を切開しないので、処置後の出血や腫れはほとんどありません。また、鎮痛剤を処方しますので、麻酔が切れても痛みはそれほどありません。なお、スクリューは必要な位置まで歯を動かし終えたら抜きますが、その際も麻酔が不要な場合が多いです。
- Q強い麻酔を使って痛みをなくしてもらうことはできますか?
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A
▲負担が少ない短時間の処置で高効果な歯列矯正をめざす
当院でスクリューを埋入する場合、使う麻酔はわずかです。抜歯などよりも負担の少ない処置ですので、わずかな麻酔で痛みは感じなくなります。また、スクリューは歯の根に接触しないように入れるのが重要ですが、歯根に近接すると患者さんが「違和感」を訴えます。感覚が無くなるほどの麻酔を使うとその違和感も分からなくなるため、少量にとどめています。痛みを我慢してもらいながら無理に進めることはありませんので、ご安心下さい。
- Qこの治療法にはどんなリスクが考えられますか?
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A
▲「安全で適正な使用が必須」と話す福山院長
スクリューの動揺、脱落、破折、周囲粘膜の感染や炎症に伴う腫れ・痛み、歯根への接触・損傷などが挙げられます。中でも発生しやすいのは、スクリューがぐらついたり、抜けたりすること。ただし、スクリューが動揺しても、位置をずらして再度埋入することができます。また、スクリューを抜いた穴もすぐにふさがります。そのほかの不具合があった場合も、早急に対処すれば問題ない場合がほとんどです。いずれにしても、細心の注意を払うことが大前提です。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正/65万円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。