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久田 佳明 院長、久田 祥子 さんの独自取材記事

ひさだ眼科

(高浜市/三河高浜駅)

最終更新日:2021/10/12

久田佳明院長、久田祥子さん ひさだ眼科 main

初期段階では自覚症状が少ないにもかかわらず、放っておくと失明に至るケースもある目の疾患。「重篤な症状に陥る前に、患者さんの目の健康を守りたい」との真摯な思いで診療にあたっているのが、三河高浜駅から徒歩5分の場所にある「ひさだ眼科」の久田佳明院長だ。患者思いの真面目なドクターで、検診から足が遠のいている人々の目の状態を憂慮し、休日も返上して検診の案内をしたためているという。そんな久田院長の良き理解者で、クリニックの業務全般をこなす妻の久田祥子氏とは、二人三脚で患者と向き合う日々とのこと。悲喜こもごもを分かち合ってきた久田夫妻に、開業の経緯から定期検診を受ける重要性まで幅広く話を聞いた。

(取材日2018年7月19日)

高浜市に眼科医療を根づかせるべく夫婦二人三脚で奮闘

開業までの経緯やご経験を教えていただけますか?

久田佳明院長、久田祥子さん ひさだ眼科1

【佳明院長】私は生まれも育ちも高浜市の隣にある刈谷市です。2003年の開業当時は、この近辺に個人の眼科医院が少なく、何かお役に立てればと思い、この地に根を下ろしました。開業前は、愛知医科大学附属病院や長野県の飯田市立病院などに勤務するほか、日本赤十字社和歌山医療センターで3年間みっちり白内障や緑内障の手術に携わっていました。各地の病院に勤務したおかげで、開業のヒントを得ることも多かったですね。実は私は、大学を卒業してから4年ほどは脳神経外科を専門としていたんです。人の生死に直結する脳神経外科の診療は、正直つらい部分もありました。しかし、その経験があったからこそ、患者さんから「よく見える」と喜んでいただける眼科医療に、より一層やりがいを感じて診療にあたることができています。

院長の奥さまもスタッフの一員なのですね。

【祥子さん】そうですね。開業当初は家事や育児に専念していたのですが、ベテランスタッフが出産を機に退職したため、受付や診療介助のお手伝いをしているうちに、クリニック全般の仕事に携わるようになりました。医師や看護師の資格はありませんが、夫から眼科の知識について教授してもらったり、介助の練習に付き合ってもらったりして力になれるよう頑張っています。医療のプロではないぶん、患者さんの目線に立って不安や疑問を分かち合えるのが私の強み。日々の診療では、緊張をほぐすような言葉がけをしたり、些細な疑問にもお答えしたりできるよう心がけています。

地域に根づくために工夫されてきたことはありますか?

久田佳明院長、久田祥子さん ひさだ眼科2

【佳明院長】気軽に足を運んでいただき、少しでも笑顔でお帰りいただけるような取り組みを続けてきました。例えば、ヒーリング効果のあるBGMを流したり、検査後、安全にお帰りいただけるよう、開いた瞳孔を縮める点眼処置を行ったりといったことです。開業当初から提供しているのが、洗眼処置と両眼視簡易検査装置による訓練です。洗眼は、付き添いのご家族にもサービスしていて、さっぱりできると喜ばれています。両眼視簡易検査装置による訓練とは、お子さんの近視の進行を遅らせることが期待できるものです。あと、学校検診の用紙を持参されたお子さんに視力検査のご褒美として、面白い柄のスタンプを押してプレゼントしています。喜ぶ顔を見ると私自身もほっこりした気持ちになりますね。

緑内障や糖尿病網膜症は症状がなくても定期的に検診を

こちらでよく診る疾患や、対応している検査などを教えていただけますか?

久田佳明院長、久田祥子さん ひさだ眼科3

【祥子さん】学校検診で受診を勧められたお子さんや、コンタクトレンズの処方を希望される方、白内障や緑内障、内科から紹介を受けた糖尿病の患者さんが検診にいらしています。
【佳明院長】検診や診断には、眼底カメラや光干渉断層計(OCT)と呼ばれる検査機器などを用いています。OCTを使うと、瞳孔を広げる必要がないため、5分ほどで検査が終わります。少しの間、瞬きを我慢していただくだけで、より詳細に目の内部が確認できるので病気の早期発見のためにもぜひ受けてほしいですね。目の構造は複雑ですから説明は難しいのですが、カラー写真入りの自作の資料やイラストを使って、患者さんと情報を共有しながら、できるだけわかりやすく伝える工夫をしています。

目の疾患の怖いところは、どんな点でしょうか?

【佳明院長】放っておくと失明の危険性があるにもかかわらず、初期段階では自覚症状が少ない点です。視野が徐々に狭まる緑内障や、糖尿病の合併症として知られる糖尿病網膜症、眼底出血などがその例で、病状がかなり進行してから受診されるケースも珍しくありません。とある緑内障の患者さんもそうでした。その方はタクシーの運転手さんでしたが、お仕事も辞めなければいけないほど症状が進行していて、がっくり肩を落とされた様子に私も胸が痛みましたね。緑内障は、点眼薬を差し続けることで進行を食い止めることも期待できます。また、糖尿病の合併症は、血糖値コントロールの指標にもなるので、内科の先生と連携を図って治療にあたらなければいけません。どちらも定期的に検診を受けていただきたい疾患ですね。

検診を受けてもらうために工夫されていることはありますか?

久田佳明院長、久田祥子さん ひさだ眼科4

【佳明院長】待合室にパンフレットを置いたり、テレビで眼科に関する医療番組を繰り返し流したりと目の疾患に関心を持ってもらえるよう努めています。ジェネリック医薬品も取り入れて医療費の負担を軽くする工夫もしていますが、点眼薬を1回もらってそれきりになる患者さんも多いのが心配ですね。そこで、しばらく来院されていない糖尿病や緑内障の患者さんには、はがきを送って検診を促すなど、私のほうから積極的に目の健康を守るよう働きかけています。
【祥子さん】健康上の理由で検診から足が遠のいているご高齢の方もいらっしゃるので、はがきを出すのは控えようと思ったこともあります。ですが、「はがきが届いたおかげで足を運びやすくなった」との声も聞かれ、これからも続けていこうという気持ちになりました。

患者を喜ばせる「小さな魔法」の積み重ねを診療の糧に

印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

久田佳明院長、久田祥子さん ひさだ眼科5

【祥子さん】忘れられないのは、手術を受けた患者さんの「院長は魔法が使えるんだね」という一言です。その患者さんは、ベテランの看護師でも緊張してしまうほど気難しい方だっただけに、そんなふうに喜びを表現されたことにびっくりしたんです。それだけ、見えるようにするための手術とは特別なことなのだ、そして、見えるように“魔法”が使える夫もすごい人なのだと感動し、眼科医療に対する考え方が、がらりと変わったのを覚えています。また、手術のように派手な結果は得られないかもしれませんが、すぐには改善しない目の疾患を抱えている患者さんにも、日々の診療で“小さな魔法”が起こっていればうれしいですね。

ご夫婦にとって、お互いはどのような存在ですか?

【佳明院長】妻には本当に頭が上がりません(笑)。患者さんへの配慮ばかりか、私が気持ち良く診療に臨めるよう常に心を砕いてくれています。私が診療中に説明しきれなかった点も、患者さんに補足してくれるので頼りにしています。
【祥子夫人】夫は患者さんのご負担を考慮し、手術に至らず済むようにとレーザー治療に力を入れて取り組んでいます。ピンポイントでレーザーを当てるのは、簡単なように見えてすごく神経を使うのでしょうね。休日には少しでも疲れをとってほしいところですが、検診の案内のはがきを書いたり、マメに説明用の資料を作ったりと仕事のことが頭にあるようです。こういった真面目さや、少し表現が不器用ながらも患者さん思いのところが夫の持ち味だと思います(笑)。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

久田佳明院長、久田祥子さん ひさだ眼科6

【祥子さん】患者さんと接する中で痛感するのは、ある程度の年齢になったら定期的に検診を受ける大切さです。特に、職場で検診を受ける機会のない方は、当院を利用して目の健康を守っていただければと思います。また最近は、インターネットで病気の情報を気軽に得ることができますが、勝手な思いこみは目の状態を正しく理解する妨げになりかねません。診療では、まっさらな気持ちで説明を聞かれるのがいいですね。
【佳明院長】内蔵や骨と同じく、目も体の大切な器官です。何かお困りのことがあっても、お越しいただかないことには何のアドバイスも治療もできません。人生を左右するような大事に至る前に受診して、病気の早期発見、治療、進行防止につなげていただくのが私の願いです。

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