矢吹 秀哉 院長、矢吹 司 副院長の独自取材記事
矢吹歯科医院
(横浜市港北区/綱島駅)
最終更新日:2025/09/19
1984年、綱島駅前商店街近くに、矢吹秀哉院長が開院した「矢吹歯科医院」。2021年に息子の矢吹司先生が副院長に就任し、診療の中心となり、秀哉院長は訪問歯科診療に注力している。司副院長は、大学病院などで一般歯科から小児歯科、インプラント治療、根管治療、歯科口腔外科などさまざまな症例に携わり、歯科用CTやマイクロスコープを駆使した精度の高い診療経験も豊富にある。診療にあたっては「医科と歯科は医療において同源である」「治療の主役は患者さん」という秀哉院長の診療方針を受け継いでいる。開院から40年以上にわたり、父子2代で「お口は健康の入り口」と、全身の状態に配慮した総合的な歯科診療に取り組んでいる秀哉院長と司副院長に話を聞いた。
(取材日2024年12月23日)
全身を考えた歯科診療を40年以上にわたり実践
まず、貴院の成り立ちから教えてください。

【秀哉院長】私は福島県出身ですが、横浜市に医師の親戚がいたこともあり、この綱島で1984年に開業しました。現在は訪問歯科診療を中心に行っており、クリニックでの診療は副院長に任せています。
【司副院長】私は大学卒業後、大学病院や横浜の総合歯科医院で4年間、虫歯や歯周病などの一般歯科から小児歯科、歯科口腔外科、審美歯科、予防歯科、義歯治療、インプラント治療とさまざまな分野の治療や症例に携わってきました。父からここを継げと言われたことはなく、私自身、ゆくゆくは東京で開業するつもりでいたのですが、ある時父がふと「後を継いでくれる人がいなければ、ここはもう畳もうかな」と言うのを聞き、これまで父が綱島で築いてきた信頼関係や長く通い続けてくださる患者さんのことを思ったら、「自分が継ぐしかない」と思い、そこからは急展開で副院長に就任しました。
その際に、院内をリニューアルされたのですね。
【司副院長】はい。内装とユニットを一新し、歯科用CTを導入しました。私は、それまで歯科用CTやマイクロスコープを日常的に使って診療してきたので、エックス線画像や肉眼では見ることのできない神経や血管、骨の形状、歯の隙間や影になっている部分などを見ずに治療を進めることは考えられなかったのです。患者さんにも、患部や治療する前後の様子を鮮明な画像で確認してもらうことは、治療に対するモチベーション向上につながると思っています。根管治療の精度を高めるため、近いうちにマイクロスコープも導入する予定です。また、最近、入り口に手すりをつけました。今後も患者さんに役立つ設備を整えていきたいです。現在、院内での診療はほとんど私が担当していますが、父に会うのを楽しみにされている方もおられるので、そのような時は父が対応しています。
診療において大切にしていることを教えてください。

【秀哉院長】患者さんの背景までを探る問診が大切だと考えています。内科医の父に歯科疾病も全身の状態を考えてやるべきと言われたのですが、開業当時は患者さんがとても多く、自分の理想とするような治療ができないというジレンマを強く感じていました。時代とともに、歯科と医科の連携の必要性が理解されるようになり良かったと思いますし、訪問歯科診療でも、そのことを一層強く感じますね。
【司副院長】今でこそ歯科と全身の状態は深く関連することが広く認知されていますが、父は早くから港北区で歯科と医科の連携の大切さを提唱した一人で、2010年にはその関連の本も出版しています。その方針を受け継ぎ、患者さんに糖尿病や心疾患、肝機能低下、腎機能低下などの全身疾患がないか、抗血栓治療用の薬など服用していないかなど、常に全身の状態を確認しながら診療を行っています。
小児歯科や口腔外科、予防歯科など幅広い分野に対応
診療方針をお聞かせください。

【司副院長】複数の治療法について、それぞれのメリット・デメリットをきちんと説明し、患者さんの価値観やライフスタイルと照らし合わせながら一番納得のできる治療法を選んでいただくことを心がけています。治療の主役は歯科医師ではなく、患者さんです。お口の現状とそれぞれの治療法について理解した上で、患者さん自身に納得のいく治療を選んでいただくことこそ、満足いただける治療への第一歩です。さまざまな選択を提案できるよう、常に知識と技術の向上にも努めています。そして、悪くなった部分だけを治療するのではなく、悪くなった原因を突き止め、根本から解決を図れるような治療を重視しています。特に根管治療をきちんと行わないと、セラミックなどかぶせ物にどんなにいい治療をしても、将来的に痛みや腫れなどの不具合が出て再治療が必要になることも考えられるので、精度の高い治療を心がけています。
小児歯科や予防歯科にも注力されているそうですね。
【司副院長】綱島エリアは、若い子育て世代が増えて地域性が変化してきたと感じています。私は小児歯科の経験もあり、子どもが大好きなので、お子さんの笑顔があふれる歯科クリニックにしたいと思っています。父の代から保育園での歯科検診も続けています。最近の親御さんは、お子さんのお口の健康に関心の高い方が多いので、地域に向けての活動にも力を入れていきたいですね。予防歯科については、父の代からの患者さんやご高齢の方も定期検診やクリーニングの必要性を理解してくださるようになったと実感しています。
口腔外科も副院長の得意分野だと伺いました。

【司副院長】親知らずの抜歯やインプラント治療など大抵のことは対応可能ですので、さまざまなお口の悩みや疑問に対して、多角的に対応していきたいと思っています。「骨が薄いのでインプラントは難しい」と言われた方の骨造成などにも携わってきました。希少な口腔がんの患者さんも何人か診た経験があるため、日頃の診療でも異変がないかを慎重に確認しています。また、最近、ストレスからか、食いしばりの方が増えてきていると感じます。首や肩の凝りや、こめかみの痛み、ガクガク音が鳴るなどの症状のある方は相談していただきたいですね。
「元気はお口から」との思いを地域に広めるために
歯科診療に携わる思いや展望を聞かせてください。

【司副院長】お口の健康を甘く見すぎているというか、非常に悪くなってから来られる方が少なくないのが気になります。特に多忙な方は、少し痛みや不具合があっても放置しがちですが、歯は自然に治ることはありません。何か変かなという時に、できれば痛みを感じる前に受診して、現状を患者さん自身に知っていただきたい。それが常識になれば、健康寿命も延びていくと思います。当院でも、予防歯科に力を入れるとともに、お口の健康を守る治療についての情報発信にも力を入れたいと思っています。そして、内科医であった祖父の代からの「医科と歯科は医療において同源である」という思いをしっかり受け継いでいきたいですね。
院長先生はいかがでしょうか?
【秀哉院長】最近、予防歯科や審美歯科が重視されるようになったことはとても良いことだと思います。特に定期検診とメンテナンスは大切です。開業当初、患者さんがあふれている時は実施したくてもできませんでしたから、予防歯科が普及していることはとても良いことだと考えています。そして、人間は、お口から食べて栄養が吸収されて、考えたり生活したり、人として機能するわけですから、お口はすべてのスタートということを知ってほしいと思います。精神的にも肉体的にも健康になるそのスタートがお口だと思うのです。副院長も同じ考えで診療に携わっていることはとてもうれしいですね。平均寿命だけが長くなるのではなく、健康寿命も同じように延びることが大切です。そのためにはお口の健康が大切であるということを若い世代の皆さんにも広く伝えたいし、歯科医師たちも啓発してほしいと思います。
読者へのメッセージをお願いします。

【秀哉院長】お口の中に興味を持っていただきたいということに尽きます。
【司副院長】お口というのは、いわば、人生の入り口です。食べて栄養を取って動いて、その人の人生につながり、お口がきれいだと笑顔も良くなると思います。元気はお口から始まりますから、ぜひお口を大切にして、早めに歯科を受診してください。「自分の歯は自分で守る」という意識のもと、一人ひとりの患者さんに納得していただける診療体制を、地域の皆さんとともに構築していきたいです。他院でインプラント治療を断られた、あるいは抜歯するしかないと言われた方のご相談、審美歯科や義歯治療にも対応しておりますので、お口のことで困ったときはぜひご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホームホワイトニング/4万4000円~、セラミック治療(オールセラミッククラウン)/11万円~、セラミック治療(インレー)/5万5000円~、インプラント治療/38万5000円~
※症例によって費用が異なります。詳細は歯科医院にお問い合わせください。

