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上田 孝 院長の独自取材記事

上田脳神経外科

(宮崎市/加納駅)

最終更新日:2021/12/13

上田孝院長 上田脳神経外科 main

「あなたの脳と心を守ります」をモットーに、2007年に宮崎市南部の宮崎道宮崎インターチェンジ近くに開業した「上田脳神経外科」。院長の上田孝先生は、国内外で研鑽を積んだ脳神経外科治療の専門家で、脳卒中、頭痛、認知症を中心に、脳と脊髄、神経に関する病気の治療を手がける。最近では遠方から訪れる患者も増えているという。ベテランながら仕事熱心で今なお勉強を重ね、「患者さんを治すことにすべてのエネルギーを費やしたい」と意欲的な上田先生。やわらかい物腰と穏やかな話しぶりの先には、患者やスタッフに対する優しさが感じられる。今回は、専門である脳神経外科に興味を持ったきっかけや同院のこれまでの歩み、診療へのこだわりなどについて、じっくりと聞いた。

(取材日2021年11月7日)

脳卒中、頭痛、認知症を専門に、脳の健康を守る

こちらのクリニックには、どのような患者さんがいらっしゃいますか。

上田孝院長 上田脳神経外科1

当院は、脳卒中、頭痛、認知症など脳専門のクリニックです。従って、身近な症状では、頭痛やめまい、ふらつき、手のしびれなどが多く、それらに加えて、脳卒中や頭部外傷、物忘れ、認知症などの方が来られます。近隣の方が中心ですが、遠くは福岡、鹿児島、大阪など県外からお越しになる方も少なくありません。最近の患者さんは、インターネットで病気について調べている方が多く、10年前は「片頭痛だと思うんです」と言って受診されても、実際は片頭痛ではないことがほとんどでしたが、今はそういうことも減った印象です。

かかりつけ医にしている患者さんも多いそうですね。

半年に1回、定期健診だけ、脳や神経に関するご相談など、かかりつけ医として利用されている方もたくさんいらっしゃいます。僕は「上田先生がかかりつけ医です」と言ってくださることはとてもうれしいですし、名誉なことと思っています。長いお付き合いになれば、認知症をはじめとした病気の早期発見にもつながりますしね。僕が開業したのは自分で判断して行動できるからで、その点にやりがいを感じていますが、同時に、皆さんの身近なかかりつけ医になれることにも大きな喜びを感じています。

迅速で正確な診断のために、さまざまな医療機器をそろえておられるようですね。

上田孝院長 上田脳神経外科2

特にCT、MRI、PET、SPECT、脳波自動解析器などは新鋭のものを導入しています。脳の検査で特に活用しているのは、PETとSPECTですね。CTやMRIは、放射線を当てたり磁石の力を用いたりして、基本的に体の外から働きかける検査方法です。それに対して、PETとSPECTは、注射など放射性物質を微量投与し、細胞の動きを画像で見て診断するという方法です。例えば、がん細胞に集まる放射性物質を注射すると、がんを発症されている方の場合はその病巣に放射性物質が集まりますが、がんでない方の場合は満遍なく分布します。医療機器も進歩していますので、常に最新の情報を得て診療に生かすようにしています。

脳神経外科医師だからこそ対応できる病気を治したい

上田先生は脳神経外科治療の専門家ですが、最初は脳の神経に興味を持たれたそうですね。

上田孝院長 上田脳神経外科3

大学時代、脳の神経回路の授業で先生のお話が延々と続いて「長いな」と思っていたら、「これでも神経のことは100分の1しかわかっていないんだよ」と言われたんです。そのとき脳の神経の奥深さを知り、医学を生業とするのであれば、脳と神経がいいのではないか、これなら一生勉強しても興味が尽きないと思ったのです。脳や神経は、複雑で厳しい世界でもあり、他の分野に進む先生が少なくありません。それでも僕はやりたい、みんながやらないからこそやろうと思って、脳神経を学び始めたのです。

脳神経の中でも脳神経外科を選んだのはなぜですか。

大学3年生の時の授業で、脳神経外科学の教授に「脳神経内科の病気は治りにくい。でも、脳神経外科は治療法がある病気が多い」と言われたんです。確かに脳神経外科の医師は、手術はもちろん薬物治療、抗がん剤治療、放射線治療も行うことができます。例えば、脳腫瘍は脳神経外科で治療ができます。頭のけがを止血したり手術したりできるのも脳神経外科です。こんなふうに脳神経外科だからこそ治療できる病気があるんですよね。それで、内科的なことをまず押さえて、さらに外科的な勉強をして脳神経外科医師になり、外科的治療でなければ治せない患者さんを治していこうと思ったのです。

大学卒業後は、国内のみならず、海外でも勉強をされたそうですね。

上田孝院長 上田脳神経外科4

大学を卒業して4年目に国立循環器病研究センター脳神経外科、その後、カナダのマギル大学モントリオール神経研究所で学びました。今から35年ほど前のことで、周りからは反対されましたが、知識や技術をきちんと身につけるために挑戦しようと、思い切って決意しました。特にカナダの研究所には、脳神経を専門に学びたい人が世界中から集まっていて、しかも、そのときすでにアルツハイマー病の研究が行われていたんです。日本ではまだ認知症は脳卒中が原因で発症すると考えられていた中、最新の知見に触れることができたのは、僕にとって大きな財産ですね。

脳の病気ではないことを判断するのも大事な仕事

現在、上田先生はどのような思いで診療をされているのか教えてください。

上田孝院長 上田脳神経外科5

僕は脳神経外科の医師ですから、脳と脊髄、神経にまつわる異常はまず見逃さないというつもりで診療しています。ただ、その一方で、そうでない病気をきちんと見極めることも必要とされていると思っています。例えば、「息苦しくも胸の痛みもないが、左の腕がしびれる」という患者さんがいるとしましょう。整形外科で診てもらったけれども異常なし。当院で診察したところ脳も首も悪くない。ただし、過去に心筋梗塞を起こしたことがわかった。となると、僕は循環器内科へご紹介します。脳神経外科が診るべき病気なのか、脳神経内科なのか、それとも他の診療科なのか。脳の病気ではないという判断をすることも期待されている。そこも重要なポイントだと考えているのです。

毎日お忙しいと思いますが、お休みの日はどう過ごされていますか。

健康のためには体を動かすことが大事だと思っています。もともとスポーツが好きで本当はバレーボールをやりたいところなのですが、なかなか時間がありません。そこで、空いた時間を見つけてはスポーツジムに行き、ボクササイズなどトレーニングをしています。あとは、学生時代に打ち込んでいた野球ですね。今はプロ野球観戦が趣味です。好きなチームのことは、たとえ負けても優勝できなくても、熱く応援し続けてしまうんですよね(笑)。

最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

上田孝院長 上田脳神経外科6

僕は開業時から一貫して「患者さんに幸せになっていただきたい」と思っているんです。それを実現するために、どのような検査や治療が良いのか常に勉強し、特に脳と脊髄、神経については、誰にも負けないというつもりで取り組んでいます。当院に来られたら、その日のうちに何らかの答えをお出しできるよう努めています。スタッフ一同、優しさを大切に誠心誠意対応いたしますので、お困りのことやご不安なことがあればいつでもお気軽にご相談ください。

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