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西池 一彦 院長の独自取材記事

にしいけクリニック

(大阪市大正区/大正駅)

最終更新日:2019/08/28

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大阪市大正区の「にしいけクリニック」は、国道173号線(大正通)に面し、泉尾の交差点からほど近い場所にある。童話で描かれる城のようなかわいらしい外観が、患者の気持ちを明るくしてくれる。西池一彦院長は、母子医療で知られる愛染橋病院の小児科で、長年新生児の生命を支えてきた。「次は地域医療の場で子どもの健康に貢献したい」との思いから、2005年に開業。一般的な小児科診療や予防接種、健診を行うとともに、低身長、夜尿症、アレルギー疾患など専門性の高い疾患では、各専門の医師との提携も含めた適切な対応を提供する。内科も標榜しているので、高校生や保護者の受診も多いとのこと。誠実かつ穏やかな口調で親子と向き合う院長だからこそ、「長いお付き合いになる患者さんも多い」のだろう。
(取材日2017年7月6日)

新生児医療の最前線から地域医療へ

先生は大阪のご出身ですか?

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はい。大正区の北側に隣接する、西区の堀江で生まれました。地元の小中学校に通い、高校も府立大手前高校です。実家は車検工場を営んでいましたが、実は曽祖父が医師だったという話を祖父から少しだけ聞いていました。その影響があったのかどうかはわかりませんが、中学生の頃から漠然と医療方面に進もうとは思っていましたね。広島大学の医学部に進学し、実習で各科をローテートするなかで、子どもが好きだったこともあり小児科の医師になろうと考えました。

ご卒業後は民間病院の小児科で長く勤務されたそうですね。

大学卒業後、大阪大学医学部の小児科に入局し、1年たってから関連病院である大阪市浪速区の愛染橋病院に赴任しました。小児科のなかでも、特に新生児医療をやりたいと思ったからです。新生児医療は、小児科と産婦人科の谷間に位置する領域で、一般の小児科では新生児を診る機会がそんなにありません。しかし新生児特有の病気や、急を要する疾患も多いので、やりがいがあるだろうと感じていました。愛染橋病院は、民間病院で初めてNICU(新生児集中治療室)を開始するなど、当時から子どもの集中治療、救急医療に力を入れていたので、ぜひ働いてみたいと思ったのです。実際に勤務してみると、新生児医療だけでなく一般小児科の外来や病棟も担当したので、とても忙しく体力的にもきつい毎日でしたが、充実した時間を過ごすことができました。

大正区に開業したのはどうしてですか?

「そろそろ後進に道を譲り、今度は地域医療に貢献して子どもの健康を支えたい」と思ったとき、気になったのは愛染橋病院で急性期を担当し、フォローを続けていた子どもたちのことです。「彼らが通い続けられる場所で開業できれば」と思って探すなかで、ご縁があったこのエリアに決めました。大正区はいわば大阪の下町で、古くからずっと住み続けている方が多いです。沖縄から移り住む人が多かったことでも有名で、4世まで含めると、今でも3~4人に1人は沖縄と関係がある方ではないでしょうか。

どのような患者さんが受診していますか。

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ほとんどは大正区に住んでいる方や、クリニックの近辺の方で、やはり病気にかかりやすい年代である乳幼児が多いです。一般的な小児外来のほか、乳幼児健診や予防接種もしています。また、アレルギー、夜尿症、心臓疾患、低身長なども診ていて、ここで治療できるものは継続的にフォローします。必要に応じて専門の医療機関に紹介したり、検査を依頼することもあります。それぞれの子に必要な治療を提案し、適切な提供先につないでいくことも、かかりつけ医の重要な役割だと思っています。

親子の安心や自信につながる治療を提供したい

大人も診ているとお聞きしました。

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そうですね。当クリニックは内科も標榜しているので、小さい頃から診てきた子は、高校生以上になっても通い続けてくれることも多いです。また、お子さんから感染症が広がるご家庭は多いですし、小さな子どもをもつお母さんが、自分のためだけに通院するのは大変です。だからインフルエンザや夏風邪、冬季の胃腸炎などでしたら、大人の方も診察させてもらっています。大人といえば、愛染橋病院で担当させてもらって、そのまま今までフォローを続けてきた方も何人か受診されています。患者さんとは、長いお付き合いになることも多く、やりがいとなっています。

専門性の高い疾患のなかでは、夜尿症での受診が増えているそうですね。

ホームページで紹介したせいか、夜尿症については大正区外から受診する方もいます。尿の濃縮力が未熟だったり膀胱容積が小さいせいで、就学の時期になってもおねしょをしてしまうのが夜尿症です。ただし、排尿をコントロールする神経の異常から起こることもあるので、原因を見極め、原因疾患があれば専門医へ紹介し、なければ当クリニックで治療をします。水分の取り方やトイレの回数、おねしょの有無や量などを記録する日記をつけて生活習慣を見直し、おねしょがなければ褒めてあげる。多くの夜尿症はこのような生活指導と成長に伴って改善しますし、飲み薬を使った治療もできます。おねしょをする子は日常生活でもネガティブになりがちなので、治療することで自信をもってもらえると良いですね。

患者さんや保護者と接するときに心がけていることはありますか?

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とにかくしっかりと説明して納得してもらうこと、これを大事にしています。幼稚園ぐらいのお子さんであれば、予防接種の大切さなどは、きちんとお話しすればある程度はわかってもらえます。注射が終わったら「頑張ったね」と十分に褒めてあげることも大切です。今のお母さん方は、子育てについて身近に相談できる人が少なく、特にお子さんが病気になるとは強い不安感をもつようです。ですから、「こういう症状が起きても大丈夫ですよ」「もしこんな状態になれば受診してくださいね」と、具体的にお伝えして理解していただき、安心して帰宅してもらえるように心がけています。

医師は患者から多くのことを教えられている

診療を通じて、印象に残る出来事があれば教えてください。

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愛染橋病院では、生まれて間もない時期やかわいい赤ちゃんの時期に、難しい疾患や重い障害に直面する親子を多数診てきました。「これはかなり難しいだろう」と思う状況から奇跡的に回復し、成人した現在でも、お母さんとともに当クリニックへ来てくれる子もいて、定期的な検査や治療を続けています。彼らに会えるのは、うれしいことです。当時はこちらも必死に治療させてもらいましたが、何よりもお母さんの愛情が子どもを助け、今日まで成長させたんでしょうね。小児科の医師を続けていると、「こちらのほうがいろんなものをもらっているなあ」と思うことがあります。

日々の息抜きとして楽しんでいることはありますか?

週2回ジムに通い、1回に5~10kmほど走っています。2016年には、大阪マラソンにも出場して時間はかかりましたが完走できました。地元を通るコースだったので、沿道に小学校、中学校の同級生が応援に来てくれて、うれしかったです。また、10年ほど前から音楽教室に毎週通って、サクソフォンを習っています。大人になってから始めると思うようには上達しませんが、年に1回ある発表会を目標に練習しています。音楽といえば、子どもの頃に習っていたピアノも昨年再開しました。家にピアノを置いて、ゆっくりとした曲を少し弾いています。

今後の展望について、お聞かせください。

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子どもの病気では、病気そのものを診るだけでなく、その子の心身の全体像、そしてその背後にある家族や地域社会など、すべてを把握したうえで、トータルに診るべきだろうと思います。地域社会とのつながりという点では、現在、いくつかの保育園で嘱託医を務めています。さらにこのクリニックの2階でも、うちとは別の法人が小規模保育の開設を計画しており、準備が進んでいます。まずは嘱託医という立場で地域医療のお役に立てればと思いますし、ゆくゆくは病児・病後児保育など、地域の子どもの健康や成長に直接関わる仕事もできればと考えています。同時に、クリニックを受診してくれた子どもやお母さんには、これからもほっとして、安心して帰ってもらえるようにしたいです。

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