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荻原 博美 院長の独自取材記事

おぎはらこども医院

(高槻市/富田駅)

最終更新日:2020/04/01

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JR高槻駅から市営バスの富田団地中央停留所で下車してすぐの場所にある「おぎはらこども医院」。目印の看板にはかわいらしい男の子と女の子のイラスト。「このイラストは、新生児科の医師である主人が開業祝いに描いてくれたものなんです」とちょっと照れながら話してくれたのは荻原博美院長。小児科の医師になって30年以上というベテランドクターである。子どもの病気を治すだけでなく、今の健康を支えていきたいという願いのもと2004年に開業。以来、予防接種や健診を通じて地域医療に貢献し続けている。ベテランと呼ばれるようになった今、自分が診ていた患者が成長し、自分の子どもを連れて来てくれるのが密かな楽しみだと言う院長。どこか母親を感じさせる院長に、医療にかける思いなど詳しく話を聞いた。
(取材日2017年11月24日)

積極的な予防接種で、個人だけでなく社会的な防衛を

ワクチンの接種を積極的に行っているそうですね。

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ワクチン接種に関しては積極的なのが当院のスタイルです。もちろん、親御さんの意見というのは尊重しますけれども、今予防接種の対象になっている麻疹や風疹、ヒブ、肺炎球菌についてはほとんど特効薬がないというのが現状です。罹患(りかん)すると何パーセントかの方は亡くなられたり、後遺症が残ったりすることになります。私が小児科の医師になった30数年前には麻疹・風疹のワクチンはありましたが、まだ体制が十分ではなく、ヒブワクチンや肺炎球菌に関してはワクチンすらありませんでした。そのため、不幸にも亡くなられた方、後遺症が残ってしまった方を見てきました。ワクチンにはメリット・デメリットがあって、副反応はゼロではありません。でも、病気になったときのことを考えるとメリットのほうが大きいと考えています。

先生がそう考えるようになったきっかけは?

親御さんにとってはもちろんでしょうけど、小児科の医師にとって一番つらく悲しいことは患者さんが亡くなったり、後遺症が残ったりしてしまうことなんです。より多くの方が予防接種を受けることで、世間での流行を小さくできますし、かかる人も少なくなり、重症になる人の数も少なくなります。防げる病気は防いでいきたいと思いますし、「個人の防衛」プラス「社会的な防衛」の意味も込めてワクチンを勧めています。今は予防接種の種類も多いですし、スケジュールを組むだけでも一仕事だとは思います。さまざまな情報を得ることで逆に不安になってしまう方もいらっしゃるでしょう。そういうときほど、小児科の医師に相談してほしい。疑問にきちんとお答えすることも私たちの仕事なんですよ。

医師に直接質問するのは緊張してしまう方も多いと思うのですが。

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どんなことでも相談してくれていいんですよ。小児科ですから風邪などの感染症に関することはもちろん、ワクチンや健診に関することなど、どんどん聞いてください。今はアレルギー性疾患やアトピー性皮膚炎のお子さんも多いと思いますが、どこに相談していいのかわからないという方も多くいらっしゃいますよね。特にアレルギーに関しては、考え方や対策の常識が変わっていく部分もあります。個人ですべての情報を追いかけるのはなかなか難しいでしょうし、自己流で処置を行うことは危険を伴います。アレルギーは日々の生活にも関係してきますので、お子さんの症状の出方をよく検討した上でどうしていくのか、一緒に考えていけたらと考えています。

病気を治すだけでなく、子どもの健康維持に貢献したい

開業しようと思ったきっかけは何ですか?

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小児科の医師になった頃は患者さんの病気を治すのが小児科医師の仕事のすべてだと思っていました。けれど自分の年齢が上がるにつれて、病気を治すだけじゃなく、子どもの今の健康を支えるのも私たちの役割じゃないかと考えるようになったんです。若かった20代の頃に比べると、今は明らかに体力が低下してきていてバリバリ当直もこなして、というわけにはいかないけれど、乳児健診、予防接種……まだまだやれることはいっぱいあるなと思うんです。お母さんたちの不安の声にお応えするのもそうです。患者さん一人ひとりに丁寧に向き合う仕事をしていきたいなと思って、2004年に地元である高槻で開業することにしました。

先生が医師を志したのはなぜですか?

私の両親が産婦人科の医師だったんですよ。父は私が小学生のときに病気でリタイアしたんですが、その後母が一人で開業していたので、そんな母の姿を見て「人の役に立つ仕事がしたい」と思ったことがまず一つあります。進路を選ぶ時に法学部か医学部か迷ったんですが、結局は医学部を選びました。今考えてみると、子どもの時に見た母の姿が心にあるのかもしれないですね。それで東京女子医科大学に進んだのですが、女医としてではなく一人の医師として一生涯を過ごすためにはどうしたらいいかを学んだように思います。卒業する時に、臨床と研究の両方をやりたかったし、結婚や出産をすることがあれば実家のサポートが必要だなと思い、地元の大阪に戻って大阪医科大学の小児科に入局しました。

これまでの医師人生の中で、特に印象に残っている患者さんはいますか?

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小児科の医師になって2年目のクリスマスイブに当時12歳の少女が意識不明で搬送されてきたんですよ。生死に関わるような重症だったんですが、その後幸いにも軽快され退院されました。退院後もしばらくは年賀状のやり取りをしていたんですが、十数年たって、突然彼女の結婚式に呼ばれたんです。幼い頃病気だった少女が成長し、人生を謳歌し、愛する人に出会い結婚する。その結婚式に呼んでもらえるなんて、小児科医師として感無量、たいへんうれしいことでしたので非常に印象に残っていますね。私の夫は新生児科の医師なんですが、今度、25年前に946gで生まれた方の結婚式に出席します。2人で「こんなにうれしいことはないね」と話しています。

子どものことで困ったら、小児科医院を頼ってほしい

診察の際に気を付けていることは何ですか?

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当たり前のことだと思いますが、小児科医師としての自分の方針をはっきりさせることです。自分自身がぶれない、迷わない。そうでないと、患者さんが不安になってしまうと思います。世の中にはさまざまな小児科の医師がいて、さまざまな考え方がある。けれど、私はこうしますよということを明確にお伝えすることが一番大切じゃないかなと考えています。その部分をきちんとお伝えしたら、あとは患者さんや親御さんにご判断いただく。私は自分の方針をはっきりお伝えしますが、無理強いはしません。ご自分で判断していただくための情報をきちんと提供して、一つ一つ疑問にお答えします。その上で患者さんとご両親に判断していただけるように、日々丁寧にぶれずに患者さんに接することを心がけています。

予期せぬ子どもの病気に慌ててしまうお母さんも多いと思うのですが、どう対処すればよいでしょう。

子どものこととなるとお母さんはみんな心配になりますし、それは当然だと思います。ただ、基本的なこと……熱は体に入ったウイルスと戦うために出るし、咳や痰もそう。薬を飲んで症状を抑えなくても、子どもの様子を注意深く観察して、静かに過ごすだけでいい場合もたくさんあります。熱があっても、咳が出ていても、子どもが元気そうにしていたらそんなに心配し過ぎなくても大丈夫。座薬を使って無理に熱を下げても、薬の効果が切れたら熱はまた上がります。熱が上昇するときに熱性けいれんが起こりやすくなりますので、逆効果になることもあるんです。子どもは予測しない時に病気になるものなので、普段から常備薬を置いておく、救急の電話番号をメモしておくなど、日頃から備えることで、いざというときに冷静に対処できるんじゃないかなと思います。

最後に今後の目標と、読者へのメッセージをお願いします。

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予防接種に関する誤解をなくし、予防接種を行うことで防げる病気を防ぎ、地域の子どもたちの健やかな成長に貢献していくことが目標です。そのためにも、さまざまな不安や相談に耳を傾けて、丁寧な診療をしていきたいと思います。それから、これは皆さんにお伝えしたいのですが、人の人生って悩むのが当然で、その時にストレスを感じるのは当然なんです。立派に見える大人だってみんな悩みながら大人になってきたのですから、悩みがあってもきっと大丈夫。困ったら、友人や学校や役所や、そして小児科医院に頼ってもらえたらいいなと思います。体調や発育について心配なときは気軽に来てほしいです。お待ちしています。

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