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低身長症は治療できる病気
適切な治療のために早期の受診が大切

安原こどもクリニック

(寝屋川市/香里園駅)

最終更新日:2025/11/10

安原こどもクリニック 低身長症は治療できる病気 適切な治療のために早期の受診が大切 安原こどもクリニック 低身長症は治療できる病気 適切な治療のために早期の受診が大切
  • 保険診療

低身長とは、基準となる成長曲線に照らして、標準的な範囲より身長が低い状態を指す。現在、子どもの約1〜3%は低身長といわれているが、中でも成長ホルモン分泌不全やターナー症候群、SGA性低身長症といった病気に起因する場合は「低身長症」と診断され、保険治療の対象になる。「安原こどもクリニック」の安原昭博院長は、大学病院で30年診療を続けてきた小児神経のエキスパートだ。「低身長は適切な治療によって改善につながる可能性があります。背が低いのも個性の一つと軽く捉えるのではなく、その後ろに病気が隠れていないか疑ってみる必要があります」と訴える安原院長に、低身長の基準、低身長症の治療法、治療の開始時期や通院期間などを詳しく聞いた。

(取材日2025年10月21日)

小児内分泌の専門家が複数在籍し、検査から治療まで院内で完結できるクリニック

Q低身長症の判定基準について教えてください。
A
安原こどもクリニック 少しでも気になる人は、早めに来院し相談を

▲少しでも気になる人は、早めに来院し相談を

低身長症の判定に必要なのは身長測定のみで、標準偏差(SD)の範囲である「-2.0SD」より低ければ低身長と判定されます。低身長は体質によっても起こりますが、成長ホルモン分泌不全、亜鉛の不足や遺伝による疾患、染色体の異常などさまざまな原因が考えられます。また、これまで順調だった身長の伸び率が急激に下がっているようであれば、生育環境の影響による心的ストレスがないかも考慮すべきでしょう。低身長症は病気として保険で診療を受けることができ、適切な治療によって改善につながる可能性はあります。「背が低いのも個性の一つ」と軽く捉えるのではなく、その後ろに思わぬ病気が隠れていないか疑う必要があるでしょう。

Qどのような検査や治療をするのでしょうか?
A
安原こどもクリニック 成長記録を確認し、MRI検査やホルモン検査などを行うことも

▲成長記録を確認し、MRI検査やホルモン検査などを行うことも

まずは問診を行い、お子さんの成長記録や既往歴などを確認します。要検査となれば採血をして内臓の状態を調べ、エックス線で手の骨を撮影し発育をチェックします。必要に応じてMRI検査やホルモン検査、染色体検査などを行い、最終的には成長ホルモン分泌刺激試験を経て治療を開始します。成長ホルモン療法は、糖尿病におけるインスリン注射と同様に、毎日あるいは週に1回、ペン型の皮下注射を自宅で行います。痛みはほとんどないため、可能であれば迷わず導入すべきです。骨形成不全症や軟骨無形成症など骨の病気についても投薬が基本です。骨を延長するための手術もありますが、痛みを伴うため現在はあまり行われていません。

Q通院の期間や頻度について教えてください。
A
安原こどもクリニック 月に1回ほどクリニックを受診。保険が適用される場合が多い

▲月に1回ほどクリニックを受診。保険が適用される場合が多い

6〜10歳頃に受診し、そこから約10年間、15歳前後まで治療を継続するのが一般的です。成長ホルモン療法は在宅での注射が基本ですが、治療の進捗や発育状態の管理のため、月に1回はクリニックの受診が必要です。また、発育が遅くても、高校生になってからぐんと背が伸びるケースもあるため、根気良く治療を続けていくことが大切です。治療には保険が適用される場合が多く、乳幼児医療証などの併用、あるいは小児慢性特定疾病の対象として国や自治体の助成を受ければ、自己負担額はかなり抑えられるでしょう。

Q身長を伸ばすためにはどうしたら良いですか?
A
安原こどもクリニック 手のエックス線検査など簡易検査の後、精密検査が行われる

▲手のエックス線検査など簡易検査の後、精密検査が行われる

現代の日本において、栄養不足による発育不全はまず考えられません。とはいえ、子どもの健康や発育には生活が大きく影響します。中でも、正しい食生活と睡眠の質は重要です。夜ふかしして勉強やゲームに夢中になっていると熟睡できず、なかなか背が伸びないのも無理はありません。「体は小さくても夢は大きく」という前向きな考えは大切ですが、低身長から劣等感を抱いたり、チャンスを逃したりしがちなのもまた現実です。成長ホルモンの分泌に問題があるようだと体のバランスが保てず、組織の老化が進み、重度の場合は短命になるリスクすらあります。大切なお子さんの将来のためにも、ぜひ治療を検討してください。

Qこちらで治療を受けるメリットを教えてください。
A
安原こどもクリニック 低身長症に関する専門の医師が3人在籍。日々患者の診療にあたる

▲低身長症に関する専門の医師が3人在籍。日々患者の診療にあたる

当院では、発達障害や発育障害の子どもたちを手厚くサポートすることにも力を入れています。そのノウハウを低身長のお子さんにも注いでいるんです。最大の特徴は、検査から治療までを院内で完結できる点です。当院には、私を含め小児内分泌のエキスパートが3人いて、診療を担当しています。さらに、処置室の一画に専用のスペースを設けており、成長ホルモンの分泌負荷試験や分泌刺激試験といった専門的な検査も、大きな病院に行かずに受けることができます。単純に身長を伸ばすためだけではなく、発育状態や生活環境にまで配慮したトータルな診療が、当院のコンセプトです。

ドクターからのメッセージ

安原 昭博院長

低身長症の治療で大切なのは、とにかく早めにアプローチすることです。中学生になってから慌てても、骨端線が閉じてしまえば治療することはできません。クリニックを受診しても、いきなり治療を始めたりはしませんので、なるべく年齢が低いうちに一度ご相談にお越しください。診断には、母子手帳や過去の受診データが非常に有用になりますので、お子さんの成長記録は大切に保管しておいてください。

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