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西谷 雅史 院長の独自取材記事

響きの杜クリニック

(札幌市中央区/円山公園駅)

最終更新日:2021/10/12

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札幌市営地下鉄東西線・円山公園駅6番出口を出てすぐの場所にある「響きの杜クリニック」。婦人科の一般診療や定期検診、排尿トラブルの相談、妊娠中の健診など、女性の健康に関することに広く対応しているクリニックだ。特徴は、病気を心と体全体からとらえ、西洋医学、東洋医学、そして生活環境面にまで着目した「統合医療」を提供していること。「体に起きている現象だけを見るのではなく、その現象がなぜ起きているのか、体と心のつながりも診ながら原因を追求していくことが大事なんです」と、院長の西谷雅史先生は話す。人間が本来持つ自己治癒力を重視した医療を実践しているという、同院の考え方について詳しく聞いた。

(取材日2021年7月10日)

学生時代に関わった薬害調査が医師としての原点

まず、先生が医師を志した経緯について教えてください。

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実は物心ついた時から、医師になることが定めだと悟っていたんですよね。小学生の頃、野口英世先生について学んだのが医師という職業に興味を持ったきっかけでした。その時、宇宙の歴史の中では人の人生100年なんて一瞬でしかない。その一瞬の中でこの世に生きた証を残すとするなら、医師になるしかない、と思ったんですよ。私が存在したことで誰かの命が助かって、その人の人生を変えることができたら、それが私の生きた証になる。名前を残したいとは思いませんが、後世に良いことを残したい、社会のためになることがしたいと考えたとき、医師以外の職業は思い浮かばなかったんです。両親が医療関係者というわけではなかったので進学は大変でしたが、念願かなって北海道大学医学部に入学することができました。

学生時代の思い出は?

医学部の「スモン研究会」という、スモン病の患者さんを支えるサークルでの活動が強く印象に残っています。スモン病とは、昔販売されていた整腸剤の副作用で、下半身の麻痺と痺れ、視力障害などを発症する病気です。病気発見当時は薬害との認識がなく、風土病ではないか、などあらぬ疑いもかけられていましたが、整腸剤が原因だとわかってからはその薬は販売禁止となりました。全道に多くの患者さんがいらっしゃったので、私たちは国の補償が受けられるようにサポートしたり、病気の実態を訴えるデモ活動を行ったりしていたんです。その時感じたのは、自分も将来、知らないうちに害のある薬を出して加害者になってしまうかもしれないということ。今の常識をうのみにして機械的な診療をするべきではない、医療を変えなければと強く思いました。また、医学部生の時から患者さんに寄り添う活動に携わったことが、その後の医師人生に大きな影響を与えてくれました。

どのような見方をするようになったのですか?

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人の体についてはまだ解明されていないことが多く、今の医学を学んですべてがわかった気になるのは禁物だということです。また、西洋医学は今ある症状を取ることに重きを置きがちですが、その症状が起きるに至った根本原因が必ずあるはずで、それを解明すべきだとも考えるようになりました。その点東洋医学は、生理学的にバランスが崩れた状態の体を元に戻す、という考え方を取っています。その視点に共感したので、西洋医学に限らず東洋医学を含め広く知識を習得することを心がけました。産婦人科を専門に選んだのも、内科・外科・出産・がん治療など幅広い診療に携わることができるからです。女性の一生を診ることができて、生命の誕生にも関われる点に魅力を感じました。

調和と統合を重視した診療を提供

卒業後のご経歴と、開業した理由についてお聞かせください。

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開業する前は札幌厚生病院産婦人科で主任部長を務めていました。当時から西洋医学に限らずさまざまなアプローチによる治療を試みていましたが、やはり病院では自分の思いどおりの治療を提供することは難しく、もどかしさも感じていたんです。そんな折、ある日脳出血を起こしてしまったんですよ。命に関わる状態になったことで、自分の医師としての人生には限りがあることを思い知らされ、ある種の使命を感じて開業することを決意しました。2006年、私が50歳の年です。突然思い立ったので資金面の用意もあまりなかったのですが(笑)、ありがたいことに知り合いや元患者さんのサポートを得ることができ、いい土地に自分の理想のクリニックを建てることができました。

このクリニックの診療方針は何ですか?

響きの杜という名前のとおり、響き合いや調和をテーマとしています。西洋医学と東洋医学の良いところをかけ合わせ、人間が本来持っている自己治癒力を十分に発揮させることで、心と体の調和をめざしていくというのが私の考えです。これを「統合医療」と呼んでいます。どんな疾患に対しても、対症療法にとどまらないアプローチに努めています。それから、人は少なからず普段の生活環境から体の不調が生じかねない影響を受けていると考えています。今は昔と違って電気や電磁波に囲まれて生活を送っている人がほとんどですが、それは自然の中で生きてきた人間にとっては負荷が大きいのではないかと私は考えるのです。当院は床に電気を抜くアース加工を施すなど、人が癒やしを感じられるように環境設計を意識し、患者さんにリラックスしてもらうことを心がけています。

どんな患者さんが多く来られますか?

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がんの治療で行き詰まっている方や、何となくの不調を長年抱えて苦しんでいらっしゃる方がご相談に来られますね。体の不調は医学の領域だけでなく気持ちの問題も大きく影響していると考えますから、当院では患者さんの心を癒やすため、診療スペースの他にも施設を備えています。いろいろなクリニックを回ったけれど、不調の原因がわからなかったという方も、ぜひ一度お越しいただければと思います。

生活環境を含めて患者をサポート

診療の際に心がけていることはありますか?

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良くも悪くも医師の言葉は患者さんに大きな影響をもたらすと考えているので、コミュニケーションを取るときには患者さんの気持ちを考え、慎重に声をかけています。よく「余命あと1年と宣告を受けた」という話を聞きますが、そうすると患者さんは余命にばかり意識がいってしまって、今の人生を楽しく生きることはできないのではと懸念します。例えば、コップに水が半分入っているのを見て、「半分しかない」と思うか「半分もある」と思うか。人はいつかは死を迎えるものですから、死ぬのを恐れすぎて今やりたいこともできずにいるよりは、前を向いて進むほうが充実した人生を送れるのでは、と思うのです。その「気持ち」の部分までサポートすることが、統合医療をめざす当院の役割だと自負しています。

休日は何をされていますか?

昔から自然が大好きなので、休みの日はアウトドアを楽しみます。「医・食・住」を自分で完結できるようにするのが私のポリシーです。「医」の部分である体の自己管理はできているとして、「食」に関しては、自分の食べる分をまかなうために家庭菜園をつくっています。稲って、とても従順で適当に植えてもちゃんと育ってくれるものなんですよ。それから「住」に関しては、少し前に友人と3人で丸太小屋を造りました。北海道が舞台の有名なドラマに出てくる小屋をまねしたのですが、素人が造ったので隙間だらけになってしまいました(笑)。そんな自然に囲まれた生活を楽しんでいます。

今後の展望とメッセージをお願いします。

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開業から15年がたって、いかに「暮らし」の面で苦労をされている患者さんが多いかを思い知らされました。医療だけでなく、「食」と「住」まで満たして初めて治療がうまく進むと考えているので、今は患者さんの生活面のサポートを含めた統合医療を実践できる場をつくろうと廃校を取得しました。「ひびきの丘」という名前で、持続可能な社会をめざして自然の中で生き方を学ぶ学校にしたいと考えています。特に環境的要素によって不調を抱えている人をサポートしていきたいですね。人には自己治癒力が備わっていて、海に浮かぶ船のように、不調で体が傾いたら元に戻そうとする力が働きます。その力が発揮できるようにサポートして、皆さんに充実した人生を送っていただきたいと願っています。

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