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小林 薫 院長の独自取材記事

アルス小林整形外科

(目黒区/不動前駅)

最終更新日:2024/12/27

小林薫院長 アルス小林整形外科 main

不動前駅から徒歩5分の場所にある「アルス小林整形外科」。待合室にはわずかにアロマの香りが漂い、訪れる人をリラックスさせてくれそうだ。診察室で患者を温かく迎えるのは、院長の小林薫先生。2006年の開業以来、患者の健康寿命延伸をめざし、骨粗しょう症のケアに注力してきた医師だ。「骨粗しょう症は自覚症状がありません。一度治療を諦めた方であっても、ゴールを再確認して一緒に頑張りましょう」と、患者に優しく寄り添う院長に、骨粗しょう症の治療や予防、診療の心がけについて聞いた。

(取材日2024年10月3日)

骨粗しょう症の予防ケアで患者の健康寿命を延ばしたい

開業から20年近くたつそうですね。

小林薫院長 アルス小林整形外科1

はい。地域の皆さんに親しんでいただき、今日まで診療を続けてきました。患者さんは60代以上の方が多く、主訴は腰や膝、股関節の疾患、骨粗しょう症が中心ですね。また、学校も多いのでお子さんも来院されます。お子さんや若い患者さんで多いのは、骨折や捻挫などの外傷。ただ、この辺りは昔からある住宅街ですから、地域としては緩やかに高齢化しているんです。当院も地域の患者さんとともに年を重ねてきました。開業当時は90歳以上で自分の足で歩いて来院される方はいませんでしたが、今は何人もいらっしゃいますよ。地域の皆さんの健康寿命延伸に貢献できたのであればうれしいです。

院内の掲示物も工夫されていますね。

最近は全年齢でカルシウム不足の傾向があるので、季節ごとに骨を強くするための「簡単レシピ」「体操」をご紹介しています。カルシウムは一度の吸収量が限られるので、毎食コツコツ摂ることが大切です。近年は、日光に当たらない生活や魚離れにより、骨づくりに必要なビタミンDも不足しがちなので、毎日の食事メニューの参考にしていただきたいですね。患者さんからも「実際に作って食べました」とお言葉をいただき、スタッフの励みになっています。食事は毎日のことですから、「簡単で、美味しく、栄養がとれる」ことが大切です。また、骨粗しょう症の予防には体を動かすことも重要なので、無理のない範囲で運動に取り組んでいただきたいですね。

こだわりの理学療法機器があるとか。

小林薫院長 アルス小林整形外科2

水圧刺激を使ったウォーターベッド型マッサージ器ですね。リラクゼーション効果のほか、血行促進、血液循環の向上、筋肉疲労物質の除去などの効果が期待できます。服を着たまま仰向けになるので、背中や腰が曲がっている方でも使っていただけます。温泉やプールに長時間入ることが難しい高齢の方や、体が弱っている方でも体験可能です。毎日のように来られる患者さんもいらっしゃいますよ。

順番待ちの患者さんは、院長自身で呼ばれるそうですね。

ええ、自分で扉を開けて患者さんに直接呼びかけます。というのも、お名前をお呼びしたときの立ち姿や歩き方の観察が診察にも役立つからです。いわば、診察は診察室に入る前から始まっているということですね。また、患者さんは痛みなどの不調を抱えて来られますから、待ち時間を苦痛に感じるはずです。診察時間は人それぞれですし、待ち時間をゼロにはできませんが、その分精いっぱいの気遣いをしたいと思っています。それには、患者さんが話しやすい雰囲気づくりも重要です。質問や疑問があれば遠慮なく聞いていただき、納得して治療を受けていただきたいですね。

ゴールを定め、患者と二人三脚で行う骨粗しょう症治療

力を入れている骨粗しょう症の治療について教えてください。

小林薫院長 アルス小林整形外科3

まずは診断のために骨粗しょう症の検査を受けてもらいます。背骨のエックス線撮影や、骨密度、血液の検査ですね。治療が必要と判断した場合は注射やお薬で治療します。治療方針は、体の外に出るカルシウムをなるべく減らすことです。ご高齢の方が骨粗しょう症になったとき、一番気をつける必要があるのは背骨の圧迫骨折を起こすこと。圧迫骨折は、尻もちをつく、物を持ち上げる、かがむ、くしゃみをするなどの日常のちょっとした動作が原因となることがあります。圧迫骨折になって運動量が減ってしまうと肉体は余計に衰えていきます。歩いて買い物に行けていた人が家族に車で送ってもらうようになったり、時には寝たきりになったりするケースも。そうなると患者さんもご家族も大変ですから、骨粗しょう症にならないための予防が大切なのです。

日常生活でできる、骨粗しょう症の予防法はありますか。

カルシウムの摂取とともに、適度な運動も重要です。骨は筋肉と相関関係がありますから、標準より体重を減らさず適度な運動で筋肉に刺激を与えましょう。例えば、ウォーキングは無理せず10分でも続けることが大切です。近年は「1日に1万歩」は歩き過ぎともいわれ、特に60歳以上の方が過度に歩くと関節痛や外反母趾などのトラブルを引き起こす可能性があります。成人では8000歩、高齢者では6000歩を目安に歩きましょう。また女性は70歳を過ぎたら一度検査をお勧めします。女性ホルモンの低下が骨粗しょう症を引き起こすといわれ、70歳を超えると治療が必要となる方の割合が上がるからです。健康寿命を延ばすことは人生を楽しむための鍵になると思います。ぜひ日常生活の中で、骨粗しょう症の予防に取り組みましょう。

高齢者の骨粗しょう症は完治が難しいそうですね。

小林薫院長 アルス小林整形外科4

ご高齢の方の骨粗しょう症は、治療を続けても数値の大きな上昇が期待できない場合や、横ばいになる場合も多いです。とはいえ、「治らない」というのも誤りです。大きな改善が見られないと治療を継続しにくいと思いますが、骨密度は年齢とともに下がるため、放置すればもっと悪化するでしょう。年齢を重ねても自分の足で立ち、自分の手を使って生活できる喜びは何物にも代えがたいもの。少しでも若いうちから自分の健康に気を配りましょう。当院では、日常生活に支障が出ないよう地道な通院と治療の大切さを最初にお伝えしています。患者さんと治療のゴールについてしっかり話し合うことが、通院のモチベーション維持にもつながります。

治療を中断した経験があっても気軽に来てほしい

一度治療を中断してもまた受診していいものでしょうか。

小林薫院長 アルス小林整形外科5

もちろんです。患者さんの中には、途中で治療を諦めてしまった方や、症状が良くなったことで通院をやめてしまう方もいます。症状がない状態を維持できればいいのですが、「やっぱり具合が悪くなってしまって」と、再び受診される方も。もう一度来院してくれた患者さんが後ろめたい気持ちにならないように工夫しています。もしも「どうして治療をやめたんですか」とか「だからまた悪くなったんですよ」と言われたら、誰だって嫌でしょう? そうではなくて、「これを機会にまた治療を始めましょう」と前向きな言葉をかけます。そうすれば患者さんも「また治療を頑張ってみよう」と思えるはず。患者さんを後押しして励ますことが、結果的には患者さんのためになるのです。以前に治療をやめた経験がある方でも、遠慮なくご相談ください。

先生が医師をめざしたきっかけや整形外科を選ばれた経緯をお伺いします。

もともと理系科目が得意でしたが、物理は苦手で生物が得意な学生だったんです。進路を決めるときになって、理系で生物系の学問ができる分野ということで医学部に進学。なぜ整形外科を専門に選んだかというと、筋や骨、腱の構造は非常に明確でわかりやすいのに、複雑な機能を持っていて、そこが面白かったんですね。手術で結果がわかりやすいことも自分に向いていると感じました。学生時代は陸上競技やラグビーに打ち込み、けがも多かったことも影響していますね。スポーツ医学の知識や自身のけがの経験を生かして、スポーツでけがをした患者さんのお役に立ちたいと思いました。

読者へのメッセージをお願いします。

小林薫院長 アルス小林整形外科6

人生100年時代といわれる今、楽しく暮らしていくには骨粗しょう症の予防や治療を行い、健康寿命を延ばすことが大切です。整形外科でカバーできる領域も広がっているので、今後も地域の皆さまのお役に立てるよう、私自身もバイタリティーを維持したいですね。また、忙しさなどから腰痛や肩凝りを放置されている方や、足腰の痛みを年齢のせいと諦めておられる方も少なくありません。ですが、健康寿命を延ばすには早めの受診と、早期の治療が重要です。何科を受診したら良いかわからないときも適切な医療機関をご紹介しますので、お気軽にご来院ください。開業して約20年、これまで地域の皆さまに支えていただいたので、医療を通して恩返ししていけたら。いつまでも皆さまが元気に自分の足で歩き、豊かな人生を送れるようお手伝いいたします。

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