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井口 直己 院長の独自取材記事

井口眼科

(吹田市/北千里駅)

最終更新日:2025/06/03

井口直己院長 井口眼科 main

北千里駅前のディオス北千里8番街1階の「いのくち眼科」。院長の井口直己先生は、医学部卒業後、内科医師として大学の付属病院に勤務。「臨床だけでなく、糖尿病についての研究を志していた」と話す、探究心あふれる医師だ。眼科の医師であった父の遺志を継ぎ、眼科に転身を決意。眼科医院で研鑽を重ね「いのくち眼科」を開院した。内科での経験をもとに、患者の全身の様子を把握した上での眼科診療に力を入れている。医療の情報を正確に提供することを心がける井口先生に、医師と患者が同じ立場で治療に向かうことの大切さを聞いた。

(取材日2018年11月20日/更新日2024年12月9日)

眼科での診断と治療に生かす内科診療の経験

開業のきっかけを教えてください。

井口直己院長 井口眼科1

医師をめざしたのは、眼科の開業医であった父の影響もありましたが、私は大学卒業当初には、内科の医師として糖尿病の研究を志していました。その後、父の遺志を継ぐかたちで眼科の医師としての道に進むことを決意しました。内科と眼科では、処置の仕方に違いがあっても、医療として基本的なサイエンスは同じです。当時は30代という若さもあり、多くのことを吸収しながら経験を積み、この場所にクリニックを開業することとなりました。

先生がこの場所に開業を決めた理由はなんですか?

父が開業していた所は、昔は市場があってにぎわいのある場所でしたが、時代が変わり人通りも少なくなり、ここで診療を続けていても患者さんの役に立つ機会は少ないのではないかと考え、新しい場所で開業することを念頭にさまざまな場所を見て回りました。その中で、吹田市のこの場所を視察に来た時、直感的に自分に合っていると感じたのです。それは、この地域には高齢の方や親子連れなど幅広い世代の方が共存されているエリアであり、駅の近くということもあり人が集まる場所であったためです。この場所なら、多くの患者さんに対して医師として役立つ診療を提供することができるのではないかと思いました。

内科を経験した先生が眼科を診療されるようになって感じることは、どんなことでしょう。

井口直己院長 井口眼科2

眼科は診断が早くできること、すぐに診断がつけられて治療へ進めることが魅力です。内科ですと、検査の対象となる各臓器が体内にあり、肉眼で確認することができないため、さまざまな検査を経てからの診断が必要となりある程度の時間を要します。一方で眼科では、検査の対象となる眼球が肉眼ですぐに確認することができるため、内科と比べましてもスピーディーに診断、治療へ移行しやすいということです。ただ、眼球だけを診察して治療するというのでは、私はナンセンスだと思っています。目は体の一部ですから、全身の状態を見た上での眼科治療であるべきです。ですから、治療の際には全身の様子はしっかりと患者さんにお聞きして治療を進めていきます。僕が内科で積んできた経験は、眼科での治療にもたいへん役立っています。

緑内障、斜視、弱視などの早期発見を重要視

クリニックで力を入れて取り組んでいらっしゃることは何でしょうか。

井口直己院長 井口眼科3

力を入れて取り組んでいることの一つに、緑内障の早期発見、糖尿病網膜症の治療と予防があります。緑内障は、自覚症状がない視神経の疾患ですから、進行してしまうと失明につながります。早く見つけてあげること、疾患について正確に説明をして、患者さんの治療への意識を高めることが大切です。緑内障の早期発見には、他の訴えで来院された際の検査などで異常を見つけてあげることが大切です。40歳以上の20人に1人はすでに緑内障を発症しているというデータがあるので、注意が必要でしょう。また、糖尿病網膜症については、定期的な検査と、糖尿病の血糖管理が重要となります。こうした患者さんの健康管理は、身近な開業医の役目だと考えていますし、内科の医師としての経験からも疾患の予防には力を入れて取り組んでいます。

小児の弱視、斜視の治療にも力を注いでいらっしゃるそうですね。

人間の視力は、3際から7歳でほぼ決まってしまいます。ですから、お子さんの弱視、斜視についての治療にも力を入れて取り組んでいます。斜視に関しては、検査の後、適切な医療機関に紹介をして必要があれば手術することを勧めています。斜視では物を立体的に見る能力が育ちにくいため、早期での治療が必要です。また、弱視の場合では7歳までの成長の中で治療を進めていく必要があります。市町村で行われている3歳児検診で、視力に関して問題があると判断された場合には、必ず眼科を受診して治療を始めることをお勧めします。

多くの疾患の早期発見と予防に力を入れていらっしゃるのですね。

井口直己院長 井口眼科4

医師と患者さんとでは、病気に対しての情報量に違いがあります。患者さんは、自分の体のことであっても残念ながらよくわからないことが多いと思います。そこで、医師がしっかりと治療に対してのアドバイスを行うのですが、その中で医師がこうしなさいと指示をして、患者さんがただ従うだけという関係はベストではありません。医師と患者さんは対等であるべきですし、治療に対して双方が同じ気持ちで取り組むことが大切だと思っています。医師としての大切な仕事は、情報や知識を正確に提供することでしょう。そこから患者さんが治療を選択し、医師がサポートをするというのが望ましいことです。地域の方に、僕の持っている情報を提供し、適切な検査を行うことで、疾患の早期発見、治療へと向かえるように努力しています。

豊富な医療情報とプロフェッショナルな技術を高める

患者さんと接する中で、大切にしていることはどんなことですか?

井口直己院長 井口眼科5

患者さんからは、目に関することだけでなく全身のことも詳しく、患者さんがお答えしやすいような質問で聞くようにしています。例えば、緑内障の点眼薬では副作用が起こることもあり、特に気管支喘息や心不全の方は注意をしなくてはいけません。ところが、患者さんに気管支喘息はありますか? と聞いても、内科的診断を受けていない患者さんの場合ですと、ご自身がよく理解されていないケースがあり、結果として詳しく聞けない質問になっていまいます。ですから、階段を上がる時、息切れすることはありますか? とか、呼吸がゼイゼイすることはありますか? というように、患者さんにわかりやすい言葉に置き換えて聞くようにしています。

週末や祝日も診療を行う理由は?

平日は仕事や家事を休まれて、大きな病院で検査するというのは、なかなか難しく、後回しになって治療が遅れることもあると思います。ですから、週末や祝日を診療日にすることで、ここに来ることができればいろいろな面で、患者さんの利便性がよくなりますし、結果として疾患の早期発見にもつながります。また、院内処方を実施しており、クリニック内で薬のお渡しもできることが当院の特徴だと思います。少しでも患者さんの通院負担を減らし、気兼ねなく通えるクリニックをめざしております。

検査機器では、どのような設備を用意されていらっしゃるのでしょうか。

検査機器は、一般的な眼科クリニックに比べると、豊富にそろえていると思います。近赤外光を用いて非侵襲的に網膜から脈絡膜まで検査できるOCT(光干渉断層撮影)については各層の血管画像を得られる先進のものを導入しています。また波面収差解析では視力検査ではわからない実際の見え方の質までも評価することができ、白内障の手術適応などに役立っています。また、ピント合わせをする時に毛様体筋が緊張していないか検査する機器もあり、この検査をせずに眼鏡の処方をすると緊張改善時に度が強すぎてしまう場合があります。こうした先進の機器を駆使して、丁寧に検査することで、患者さんに無理や無駄のない治療を提供することをめざしています。

これから大切にしていきたいと考えていることは?

井口直己院長 井口眼科6

一番大切なことは、医師が持つ医療の情報を、常にアップデートしていくことだと思います。加齢黄斑変性など、一昔前は完治が見込めなかった疾患も医療の進歩により快復が見込める疾患に変わっているなどのことがあります。それらの情報を正しく患者さんに提供して、治療についてもご自身でしっかりと選択し、前向きに取り組んでいくことができるように手助けすることが、僕たち医師ができることですから。また、ここでは弱視や視覚障害の訓練を行う視能訓練士が在籍しています。経験豊富な人材で、クリニックがサポートしながら、技術的なレベルアップにも努めているので、プロフェッショナルな指導を提供することができます。

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