金子 良恵 院長の独自取材記事
桜川よしえクリニック
(大阪市浪速区/桜川駅)
最終更新日:2025/06/13

大阪メトロ千日前線桜川駅を出てすぐ、千日前通沿いのビル1階にある「桜川よしえクリニック」。同院ではニキビやアトピー性皮膚炎、アレルギーなどの一般皮膚科から美容皮膚科まで幅広く対応している。日本皮膚科学会皮膚科専門医の金子良恵院長が19年前に開業し、患者層は乳幼児から高齢者まで幅広い。「疾患を診るだけでなく、体調の変化や生活習慣までしっかり聞き取ることで、根本的な原因に迫りたい」という金子院長は、多様なニーズに応えるために新しい機器や治療法の導入にも積極的で、患者第一の姿勢で治療にあたっている。同じビルの5階に開設した美容皮膚科では、自由診療での施術を提供。病気の治療からその先の美容の悩みまで、トータルで相談に乗る金子院長に、同院の特徴や診療への心がけなどについて聞いた。
(取材日2025年3月25日)
「肌のかかりつけ医」として幅広い症状に対応
2006年開業だそうですが、開業までのご経歴を教えてください。

東邦大学医学部を卒業後、まずは内科の研修医として働きましたが、次第に皮膚科への関心が高まり、琉球大学の医局に入局しました。皮膚科は症状が目に見える点に魅力を感じましたし、皮膚の症状を通じて内科では見逃されがちな疾患にもアプローチできることにもやりがいを感じたんです。沖縄での勤務時代は医師も限られている中、時には離島の病院で1人で診療を任されるなど大変なことも多かったのですが、その分、幅広い疾患を診る経験が積め、医師として大きく成長できたと感じます。その後、結婚を機に大阪へ移り、子育てをしながら、「いずれは患者さん一人ひとりとじっくり向き合い、心身ともに患者さんと寄り添える診療をしたい」と考えていました。そんな時に信頼する医師からこの物件を紹介されたことで、長年思い描いていた理想の医療を実現しようと、開業を決意しました。
患者さんからはどのような相談が多いですか?
「お肌のかかりつけ医」でありたいと思っているので、相談内容は本当に幅広いですね。一番多いのは湿疹・皮膚炎です。また、ニキビや赤ら顔、水虫、アトピー性皮膚炎、頭皮にふけが出る脂漏性皮膚炎でお悩みの方もよく来られますし、お子さんですと乳児湿疹からアトピー性皮膚炎、おむつかぶれまでさまざまです。また、当院は美容皮膚科もあり、美容に関する相談もお受けしています。まずは一般皮膚科を受診していただき、私と形成外科を専門とする医師が連携して診療しますので、いきなり美容皮膚科に行くのはハードルが高いと思われる方や男性の方にとっても、一般皮膚科の診察の延長という感覚で気軽に来院いただけると思います。一般皮膚科と美容皮膚科のそれぞれの良さを取り入れながら、患者さんの「治したい」「きれいになりたい」という思いに応える診療を提供していきたいですね。
患者さんに寄り添った治療やケアを大切にされているんですね。

何か困ったことがあれば気軽に立ち寄れるクリニックをめざしていますので、一般皮膚科も美容皮膚科もあまり肩肘を張らずにお越しくださるとうれしいですね。皮膚のトラブルはご自身で判断しづらいものも多く、合わない市販薬で悪化してしまう場合も多々あります。皆さんの症状を、皮膚科専門医がしっかり診断して、お肌のトラブル改善を図れるようお力になります。また、美容皮膚科の診療に関しても、まずは皮膚科医が保険診療でカバーできるのか、美容皮膚科の診療が必要なのかを判断しますのでお気軽にご相談ください。
丁寧なコミュニケーションで日常生活への助言も
診療で気をつけていることはありますか。

患者さんの話をよく聞くように心がけています。特に初診の方には少し長めに聞き取りをしていますね。また、日常生活で気をつけるべき点についてもお伝えするようにしています。例えば、「じんましんの方は体温が上がるとかゆみが強くなるので、お風呂の温度はぬるめにし、かゆい時は冷たいタオルを当ててみてください」とか、「アトピー性皮膚炎の方はせっけんを使いすぎてもまったく使わないのも良くないので、1日1回程度が適切です」など、具体的で実践しやすいアドバイスを心がけています。最近はインターネットの情報を参考にしている方も多いのですが、中には誤った情報を信じてしまっているケースもあります。患者さんの状態をしっかり見ながら、医師として正しい知識をわかりやすく伝えることが大切だと考えています。
コミュニケーションを大切にされているんですね。
患者さんとの対話の中から原因や対処法がわかることも多いですから。例えば、湿疹の症状が出た患者さんを診察していて「免疫力が落ちているかもしれない」と感じたら、「最近、風邪をひきませんでしたか?」と尋ねることで症状の背景を把握するよう努めています。そうしたやりとりが、より適切な治療につながることも少なくありません。最近はインターネット上に症例が出ているので、「自分の病気はこれだ」と自己判断をされる患者さんも多いのですが、実際に診察してみると違う病気だったということもよくあります。皮膚科の疾患は写真だけでは正確な診断が難しいんです。同じように見えても、ザラザラなのか、ツルツルなのか、医師が直接診て、触って、初めて正しい診断につなげられるんです。
さまざまな角度から最適な治療を追求されているのですね。

ご自身では湿疹の症状だと思って、薬局で買ったステロイド外用薬を塗っていたけれど良くならないということで来院されるケースがよくあります。ただ顕微鏡で見てみると実際は水虫だった、ということも考えられます。水虫にステロイドを塗ると悪化することもありますし、逆に水虫だと思って水虫用の薬を塗ったらかぶれが広がって、足がぐじゅぐじゅになってしまった、ということもあり得ます。自己判断せずに、早めに受診していただくことが本当に大切です。
機器導入や手術、美容まで、個別のニーズに応える
粉瘤の治療にも力を入れていると伺いました。

当院では手術も行っていることから、粉瘤の治療を希望される患者さんが増えていますね。粉瘤とは角質や皮脂が皮膚の内側にたまってできる腫瘍のことで、特に男性の患者さんからのご相談が多いです。「最初はニキビだと思って放置していたら大きくなっていた」「痛みがあって眠れない」といったお悩みをよく伺います。粉瘤は放置すると細菌感染を起こし、化膿して腫れや痛みが強くなることがあるため、早めの治療が大切です。当院では、化膿している場合はまずは抗生物質で炎症を抑え、手術が必要な場合はできるだけ小さく切開し、腫瘍をしっかり取り除くことで再発のリスクを極力抑えられるよう心がけています。また、形成外科の専門家が院内で手術を行い、診察から手術、アフターケアまで、他の病院に移らずに同じ病院で一貫して対応できる環境は患者さんの安心につながっていると思います。
専門的な治療も行っているのですね。
手術が必要な治療はもちろんですが、新しい医療機器も積極的に導入して治療に活用しています。最近、脇や手のひらの多汗症治療に対する保険適用の薬が登場しましたが、足の多汗症にはまだ適用されていません。そのため、イオントフォレーシス療法という多汗症治療に使うための機器を導入し、足の多汗症を含めて対応できるようにしています。また、紫外線照射装置も取り入れており、外用薬だけでは改善が難しいアトピー性皮膚炎などの治療にも活用しています。当院にはさまざまな皮膚疾患でお悩みの患者さんが来院されるので、新しい医療機器も積極的に取り入れながら、より良い治療を届けていきたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大きな病院では診療に追われ、患者さんとしっかりと向き合うことが難しかったこともあり、自分のクリニックを開業した際は、患者さん一人ひとりのお話をじっくりと伺い、親身になって対応できるクリニックをめざしました。その思いは今も、そしてこれからも大切にしたいと思っています。また、女性医師であることで、デリケートな皮膚疾患や医療相談がしづらく困っている患者さんも安心してかかれるクリニックでありたいです。お子さんからご高齢の方まで、皮膚の症状で悩んでいる方や他院では改善が見られなかったという方まで、ぜひ気軽にご来院いただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはほくろ除去/4400円(1ヵ所1mmごと)、イボ除去/5500円(5mm以降1mmあたり、 1100円追加)