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中上 美樹夫 院長の独自取材記事

中上クリニック

(京都市左京区/宝ヶ池駅)

最終更新日:2026/05/15

中上美樹夫院長 中上クリニック main

叡山電鉄叡山本線の宝ヶ池から歩いてすぐの好立地に、開業15年を迎えた「中上クリニック」はある。院長の中上美樹夫先生は、消化器外科を専門に臨床と研究で研鑽を重ね、アメリカのノースカロライナ大学医学校に留学した経験を持つベテランドクターだ。診療では患者一人ひとりの人生やバックグラウンドにまで目を向け、その人に合った治療を提供することを大切にしている。病気の早期発見・早期治療を自身の使命と考え、消化器内視鏡検査にも注力する。気さくでユーモアに富んだ人柄が魅力の中上院長に、診療への心がけや展望についてたっぷりと話を聞いた。

(取材日2020年7月15日)

「人生と病気のバランス」を大切にした医療をめざす

まず、先生のご経歴を教えていただけますか?

中上美樹夫院長 中上クリニック1

島根医科大学(現・島根大学医学部)を卒業後、奈良県の天理よろづ相談所病院で研修医時代を過ごしました。そこでは、内科・外科・麻酔科・救急などさまざまな科を回るシステムになっていて、患者さんとベッドサイドで向き合って診療をするという経験を積むことができました。それが、開業医となった現在も大きく診療に生かされていると思います。研修終了後は、京都大学医学部附属病院の第二外科に入局し、1997年には京都大学大学院で医学博士の学位を取得しました。その後、1998年から2年間はアメリカのノースカロライナ大学医学校に留学しました。京大大学院時代とこの留学期間に共通していたのは「科学」を勉強したことでした。医学とは基本的には科学といえますから、その経験を積んだことによって医療の基本である病態や薬の作用などの理解を深めることもでき、今につながっていると思います。

この地域で開業したのはどうしてですか?

もともとここの近くに住んでいたというのが一番の理由ですね。当院の近くに、宝ヶ池公園があるのですが、そこには私の子どもが小さい頃に何度も遊びに連れていったことがあります。この辺りは、道ですれ違ったらあいさつを交わしてくれる、穏やかな地域です。患者さんも人柄の良い方ばかりで、私はとても恵まれていると思います。患者さんの年齢層は、半分以上が高齢の方です。開業時から長く通ってくださっている方や、家族で通ってくださる方も多くいらっしゃいます。また、健康診断で引っかかってしまった方が胃カメラなどの検査のために来院されることも多いですね。基本的には小児は診ていないのですが、校医をしていることもあり「地域の町医者」のような感じですので、ケガをしたお子さんが来院して対応することもあります。

先生が診療の際に心がけていることは何ですか?

中上美樹夫院長 中上クリニック2

かかりつけ医としての経験を重ねていくうちに、疾患や数値にだけでなく、その方の人生やバックグラウンドなども理解したいと思うようになりました。特に高齢の方の場合、「どのように人生終盤を迎えたいか」ということも考えることが必要と思います。例えば、糖尿病や高血圧の患者さんで数値のコントロールばかりに重点を置き大きな病院や専門の先生に任せるだけではなく「患者さん自身の人生の中での病気とのバランス」というのも考えたいと思っています。もちろん若い人ほどきっちりとコントロールし将来の発病リスクを下げる診療をめざすのは基本です。消化器系の疾患はストレスなど精神的な影響を受けることも多く、上手に付き合う必要があります。一人ひとりに合わせて、その人が心穏やかに過ごせるように寄り添えたらと思います。

早期発見・早期治療への寄与は開業医の使命

先生が特に力を入れていることは何ですか?

中上美樹夫院長 中上クリニック3

病気をできるだけ早期に発見するということですね。外科手術が必要となる前の早い段階で病気を見つけて早期に治療を開始することが開業医の仕事だと思っています。特にがんは自分で行動を起こさなければ、見つけることが難しい病気です。今は1滴の採血で10種類以上の診断につながる、といった研究も進められていますが、それが実用化されて一般的に広まる時代が来るまでは、開業医が早期発見のためにできる限りの努力をしていく必要があるのです。そのためには、定期検診の啓発も大切だと思います。10年以上がん検診を受けていないという患者さんが検査を受けてみたところ、がんが見つかるという例も実際にあります。早期発見できれば内視鏡手術だけで済むことがほとんどですので、症状がなくても定期的に検査を受けるということが大切です。

こちらのクリニックは病診連携にも力を入れていると聞きました。

左京区の大きな病院というと、日本バプテスト病院や京都大学医学部附属病院がありますし、京都府立医科大学附属病院や京都第二赤十字病院も利用される患者さんは多いです。これらの病院に加え京都市立病院とも病診連携を行っています。例えば何か大きな問題が見つかった場合には、そちらの病院を紹介して手術や治療をしてもらうこともあります。その後、ある程度コントロールができるようになったら、普段の診療は当院に通ってもらうというかたちで連携を取っています。病診連携をするためには、普段から病院の先生とのコミュニケーションを取ることが大切なのですが、私は医局が京大病院の外科ということもあって、やりとりがしやすいのは心強いですね。

在宅医療も行っているそうですね。

中上美樹夫院長 中上クリニック4

近所の独居高齢者のところへの徒歩での訪問診療が始まりでしたが、定期通院の方も年齢に伴い在宅医療へと移行する方が増えています。今後は在宅医療の必要性もさらに増していくと思っています。かかりつけで通院しておられた患者さんには、スムーズに在宅医療に移行できるよう、介護対応や病院との連携を行い、負担のないように普段の生活が送れるようシステム作りを心がけています。また、がんの患者さんの場合には、病院でのがん治療が中心ですが、忠者さんそれぞれに心身ともに大変な負荷がありますから、病院で対応できないことや希望があればご相談いただければと思っています。そして終末医療の状態になれば在宅での希望があれば最後まで寄り添うことができたらという思いがあります。それを実行するためにも介護や病診連携がとても大切になってくるのではないでしょうか。

地域に寄り添った診療を続けていきたい

こちらのクリニックでは内視鏡検査も行っているそうですね。

中上美樹夫院長 中上クリニック5

大陽と胃の内視鏡検査を受けていただくことができます。内視鏡検査は、がんの早期発見のためには欠かせない検査です。症状がないのにがんなんてと思っている方が現在でも多くおられます。胃がんや大腸がんは発生後すぐに痛みや他の症状を伴うことはないため、がん検診も含め症状がないうちにがんを見つけるため検査をすることが大切です。早期発見のため、検査の重要性がより広く認知されてほしいと思っています。

検査が不安な方への対応もしていただけるのですね。

胃ではピロリ開感染のチェックも重要で、除菌してからも定期チェックをし症状のない状態で早期発見できる患者さんが増えてきています。そういう場合の多くは外科手術で胃を切るのではなく、内視鏡手術でがんを切除する1週間程度の入院で済み、退院後も食事含め以前と同じように生活を送れています。中には、内視鏡検査に対する苦手意識が強い方もおられますので、経鼻内視鏡検査や鎮静薬を使用して軽く眠ったような状態での検査を希望されることが増えてきました。日本人に非常に多くなってきている大腸がんについても同様で、がんにつながるポリープなどができている方も多く、内視鏡検査をして早めの対応することでがん予防が望めます。近年では検査を受ける方が増え、大陽内視鏡検査でも鎮静薬を使用して検査をすることが増えてきましたので、安心して受けていただけたらと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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地域のかかりつけ医としての役割に加え、今後は残念ながらすでに進行してしまったがんの患者さんについても、在宅医療で最期のお看取りまでしっかり寄り添っていきたいと思っています。また、これからは認知症の方も増えてくると思いますので、その対応も必要だと感じています。認知症の患者さんをお世話しているご家族の方はさまざまな葛藤を抱えていますので、患者さんとご家族の双方がもっと楽になるような寄り添い方を周知していくことが必要です。そのために、患者さんとそのご家族だけの頑張りではなく、地域の開業医の先生との連携も大切ですのでぜひ当院へもご相談ください。また、そのほか些細な症状でも、「自分は大丈夫」と過信せず気になることがあったらぜひ早めに来院していただきたいと思います。