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小林 卓正 院長の独自取材記事

こばやし内科クリニック

(東温市/梅本駅)

最終更新日:2021/10/12

小林卓正院長 こばやし内科クリニック main

循環器・呼吸器疾患を中心とした診療経験を生かして、専門的治療にも力を注ぐ小林卓正院長。「大きな病院の代わりに解決できることをクリニックで完結し、患者さんのご負担を軽減したい」という想いから2006年に「こばやし内科クリニック」を開業した。内科医として、より専門的な診療を行うことを信条とする小林院長は、気管支喘息や糖尿病などの疾患で、より適切な診療を受けたいと考えている若年者から中年層まで、幅広い年代のあらゆる疾患に対応。高齢の患者が多いイメージの内科だが、同院には若い患者が多いのも特徴的だ。今回は小林院長が診療の上で大切にしていること、専門とする循環器や、力を入れている呼吸器の診療などについて聞いた。

(取材日2021年4月10日)

循環器に精通した総合内科の専門家

先生が医師を志し、開業されるまでの経緯を教えてください。

小林卓正院長 こばやし内科クリニック1

将来を考えた時、困っている人を助けたいという気持ちがまずありました。それから、速いスピードで進歩する学問を生涯勉強し続けたいと思い、この2つが合致する職業が医師だったのです。医学は進歩しているのはもちろん、これまで正しいと思われていたことが覆されることもあるからこそ、魅力的なのです。愛媛大学医学部を卒業後は、同大学の第二内科で経験を積み、松山赤十字病院内科、国立療養所愛媛病院(現・愛媛医療センター)循環器内科・呼吸器内科などを経て開業に至ります。

開業は2006年だそうですね。

はい。当院と「ハートレディースクリニック」「たけもと整形外科クリニック」の3院が集まる「メディカルビレッジ東温松山」を私が中心となり立ち上げ、2006年にオープンしました。一つの場所に異なる診療科が集まることの、患者さんへのメリットは大きいと思います。駐車場も共用で広く確保できていますし、国道11号から近いので、松山・東温以外から来られる患者さんも多いです。オープンから15年がたった今でも毎月3院の院長が集まって情報共有をしています。小さなコーポレート・ガバナンスと言えるかもしれません。

先生が内科を選択された理由は何ですか?

小林卓正院長 こばやし内科クリニック2

医学部生時代から内科以外は考えられなかったですね。それはとことん頭で考えるところに魅力を感じたからです。患者さんの症状から正しく病気の診断を下すにはあらゆる疾患を知っておく必要があり、加えて患者さんをしっかりと診ることが重要。患者さんが自分の症状を方言で話されるのなら、その方言の意味やニュアンスを正しく理解していないと誤った診断を下してしまいます。医療の現場でもAIの活用が進んでいますが、内科の診断に関してはやや難しいのではないかと思います。症状を言葉に変換すると、本当に患者さんが感じている症状とは異なることもあり、話し方や身振り・手振りなどによって得られる情報は多く、その繊細な部分を見極めるのが医師の役割ですし、内科の醍醐味でもあると思います。

診療のコンセプトを教えてください。

多くの開業医に求められる「広く浅く」の家庭医療でもなく、大病院のように「狭く深く」でもなく、内科に関しては少しでも「広く深く」を目標としています。専門の循環器疾患は当然のこと、呼吸器疾患や糖尿病・甲状腺疾患にも力を入れています。大病院でも診る頻度の少ない疾患も診断し、治療を行うこともあります。例えば、壊死性リンパ節炎や好酸球性血管浮腫などの比較的まれな疾患を含め、さまざまなリンパ節腫大や浮腫の診断治療も可能です。幅広い分野に精通した内科の専門家として、大病院に行かなくても当院で診療できるものはここで完結し、皆さんのお役に立てればと思っています。また患者さんには、科学で証明されていることは根拠を持ってご説明することを心がけています。理解いただければ、治療へのモチベーションも上がると思うのです。

長引く咳でつらい思いをしている患者を救いたい

特に力を入れている治療は何ですか?

小林卓正院長 こばやし内科クリニック3

開業後に感じたのは、長引く咳や喘息で困っている方が多いということ。「つらい症状はあるけれど、大病院を紹介してもらうほどでは……」と頻回に内科・耳鼻科の受診をしている方が多かったのです。しかし、愛媛には呼吸器疾患を専門的に診ることのできるクリニックがあまりないんですよね。なので、それなら私が専門的に診られるようになろうと、呼吸器にも力を入れた診療を始めました。呼吸器疾患は、いまだに検査が比較的発達しておらず、経験に頼るところが多い分野です。一方で、呼吸器の治療薬は近年目覚ましく進歩しています。治療法がかなり確立してきている疾患に関しては、正しく診断さえすれば適切な治療により、症状は消失するか、かなり良くなることが期待できるのです。

先生は患者さんの症状を聞いた上で、咳を聞くとおおよその疾患がわかるそうですね。

すべてではないですが、かなりの確率でわかるのではないでしょうか。これは経験のたまものだと思います。たくさんの患者さんの咳を聞いて診断を予想し、治療の結果で診断が正しかったことを確かめ続けていると、こんな咳ならこの疾患というのがだんだん想像できてくるのです。空咳か、痰がどれだけ混じっている咳か、咳の中にあるわずかな差を感じ取り、自分の頭の中に記憶している音とマッチさせていくというのでしょうか。なので、ぜひ患者さんには院内で咳をしていただきたい。もちろん咳の出る時間帯や環境など、詳しく症状を聞きますが、一度の咳で診断が大きく覆されることがあります。診察を終えた患者さんが待合室で咳をするのが聞こえたら、「ん? さっきの診断は違うぞ」と、もう一度診察室に戻ってもらうこともあります。

最近は咳喘息が話題になっていますね。

小林卓正院長 こばやし内科クリニック4

呼気中一酸化窒素検査は参考にはなるものの、咳は「この検査でこの値が出たら咳喘息」といった完璧な診断法はないですから、咳が長引くとき、なんでも咳喘息と診断される困った現状があるんです。実際、一度咳喘息と診断された患者さんが、実は風邪の延長で続く咳だったということも多々あります。咳喘息という言葉が世の中を独り歩きしていて、これは危険だなと感じましたね。私が咳の診療に力を入れるのは、やはり困っている患者さんを助けたいから。若い痩せ型の女性では肋骨骨折される方も少なくなく、つらい咳を和らげ患者さんのQOL向上に努めることはもちろん、誤診により不要な薬を使用することをなくしたいのです。

治療へのモチベーションを高めることに尽力

診療の際に心がけているのはどんなことですか?

小林卓正院長 こばやし内科クリニック5

喘息は1週間や2週間で簡単に治る疾患ではないのですが、患者さんはそれをよく知らずに薬を使用し、なかなか治らないから諦めるというケースが一般的に多いのです。ですから当院では、まず喘息がどういう疾患かを説明し、初診から1〜2週間後にもう一度来ていただき、症状の変化を確認しながら根気強く治療を続けていきます。症状が治まってきたと感じたら薬の服用をやめてしまう方が多いといわれていますが、当院では途中でドロップアウトする方が出ないよう、患者さんの治療へのモチベーション維持にも努めながら診療を行っているのも特徴ですね。患者さんがご自身の病気を理解し、「服薬アドヒアランス」を良好に維持するためにも、こまやかな服薬指導はしっかり行っています。

糖尿病の診療にもウエイトを置いているとか。

当院は立地条件と私のコンセプトから比較的若い患者さんが多いのですが、生活習慣病の中では、医師の力量の差が強く出るのが糖尿病ですから、積極的に診療を行う流れになりました。糖尿病は専門ではありませんが、外来インスリン導入や、I型糖尿病の治療も可能です。患者さんの生活習慣と膵臓の状態などを把握した上で、食事指導や運動指導、薬物治療の種類、開始するタイミングなどの具体的なアドバイスにも注力しています。働き盛りの中年層は、運動する時間が取れない忙しい方が多いので、起床時間から出勤時間、就寝時間、休日の過ごし方など事細かに聞いて、どの隙間時間なら運動ができそうかという提案を行っています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

小林卓正院長 こばやし内科クリニック6

大病院に行きたくても、決められた時間に行けない患者さんも多いと思います。そんな時ぜひ当院を頼っていただけたらうれしいです。専門の循環器疾患はもちろん、頻度の高い呼吸器疾患や甲状腺疾患、糖尿病、さらには不明熱など診断のつかない内科疾患の方も、お気軽にご相談ください。適切な診断を行い、患者さんの状態も把握し、お一人お一人の症状と生活スタイルにも合わせた医療をご提供できればと思います。

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