全国のドクター8,884人の想いを取材
クリニック・病院 161,496件の情報を掲載(2020年1月19日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 名古屋市北区
  4. 上飯田駅
  5. みずのリハビリクリニック
  6. 水野 雅康 院長

水野 雅康 院長の独自取材記事

みずのリハビリクリニック

(名古屋市北区/上飯田駅)

最終更新日:2019/08/28

139708

上飯田駅から徒歩5分に位置する「みずのリハビリクリニック」は、リハビリテーション専門のクリニックだ。水野雅康院長は長年にわたりリハビリテーション医療において多くの研鑽を積み、その発展や後進の育成にも力を注いできた。そんな水野院長は、穏やかな口調ながら「クリニックが地域の中で、リハビリテーションを必要とする患者さんの受け皿とならなければいけない」と強く語る。その思いを支えるものとは何か、深く話を聞いた。
(取材日2017年3月14日)

リハビリテーションの本来の姿を実現すべく開院を決意

クリニック開院のきっかけについて教えてください。

1

障害のある患者さんの受け皿となるクリニックを地域に作らなければいけないと考えたからです。病気や事故などにより障害が残ってしまった場合、急性期・回復期・生活期という3つの時期に合わせたリハビリテーションの提供が求められます。しかし生活期に十分なリハビリテーションを提供できるクリニックは、全国的に見ても不足している状況です。リハビリテーションは“ここまでやったら終わり”というものではありません。特に生活期に適切なリハビリテーションを行うことで、患者さんの回復を促すことも可能となります。地域に出て、急性期・回復期から途切れなくリハビリテーションを提供できる体制を構築したい、この一心でした。これは私が医師になって間もない頃、恩師とともに訪問した海外のリハビリテーション病院での経験が大きく影響しています。

その体験とはどんなものでしたか?

当時の日本では、リハビリテーションが医師の間でも十分浸透しておらず、医師として歯がゆい思いがありました。そんな中で訪問したハワイ・太平洋リハビリテーション病院では、急性期治療の段階から患者さんの社会復帰が同時に考えられ、治療とリハビリテーションが地続きとなって患者さんへ提供されていました。今から25年以上も前に、リハビリテーションのあるべき姿が具現化され、実践されていたのです。その光景を目にすることができたのは、医師としての私の大きな財産の一つだと感じています。

大学院修了後クリニック開院まで、勤務医として多くの研鑽を積まれたとか。

そうですね、とりわけオホーツク海病院での経験は当院のクリニックづくりにも生かされていると感じています。急性期治療の拠点はあるものの、回復期から生活期の受け皿が乏しい中で、「北海道のリハビリテーションの普及と土台作りに協力してほしい」と依頼を受け、当時私が指導をしていた講座の卒業生も連れ、足を運ぶことに。リハビリ医療は医師だけでできるものではなく、看護師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーといったスタッフと、チームで行うものです。その体制をゼロから構築することはたいへんやりがいのあるものでした。そして区切りがついた時、改めて自分の地元に目を向けてみると、愛知県もまた受け皿が十分とは言えない状況でした。これまでの経験を生かし、今度は生まれ育った町で患者さんを助けたい。その思いから当院を開院しました。

水野院長が医師を志し、リハビリテーションを専門とした理由を教えてください。

2

将来を考える中で「人の役に立つ仕事に就きたい」という思いから、医療に興味を持ち始めました。ちょうどその頃、母校である川崎医科大学の存在を知りまして。「良き臨床医の育成」を第一とした臨床を重視したプログラムを実践していたことに魅力を感じ「ここへ行こう!」と決意しました。リハビリテーションを専門とすると決めたのは、臨床実習で実際に障害を克服しようと頑張る患者さんの姿を目にしたからです。恩師に恵まれたことも大きな影響となりました。偶然ですが、川崎医科大学は日本の中で、リハビリテーション医療の先駆的存在で、とても古い歴史を持っていたのです。そんな環境もあり、リハビリテーションを極める道を進んでいました。

上飯田地域でのリハビリ医療のモデルケースをめざす

診察ではどのようなことを行うのでしょうか?

3

メインとなるのは、ゴールに合わせたリハビリテーションのマネジメントです。リハビリテーションは薬と同じく、量が多くても少なくても十分な効果を発揮できません。誤って処方してしまうとかえって悪化することもあります。適応を見極め、エビデンス(科学的根拠)のあるリハビリテーションを処方することが、リハビリ医療の核となります。またリハビリテーション手技の成長はまさに日進月歩で、常に新しい手技、新しい考え方が出てきています。医療の中でも歴史が浅い分、より良いと思われるものに積極的に取り組み、エビデンスを深めていこうという考え方も強くあるのでしょう。当院でもニューロリハビリテーションをはじめとした近年進歩のめざましい手技はもちろん、漢方や鍼灸など東洋医学を用いた手技も積極的に取り入れています。

患者さんの求めるゴールを見極め、支えることは容易なことではないかと思います。

確かに、目標は患者さんによって全く異なります。家族と旅行に出かけること、1人で映画を見に行くこと、復職すること、とまさに千差万別。だからこそ会話を通して、求めていることに耳を傾けなければいけません。診察では時間をかけてじっくりお伺いし、ともに頑張っていきましょうとお話しています。また必ず「何かあったら言ってください」、「他に何かありますか?」と問いかけるようにしています。患者さんにとって言い出しにくいことを聞き出せれば、それは次の展開へとつなりますので。これらを積み重ね、患者さんに合わせたオーダーメイドの処方に徹底することが何よりも大切ですね。

毎週土曜日には総合上飯田第一病院や上飯田リハビリテーション病院へ出向かれているそうですね。

4

退院を控えた患者さんをスムーズに迎え入れられるようにするために取り組んでいます。例えば患者さんの目標が復職の場合、回復期病院を退院した後、家庭での生活が落ち着いてきた段階でようやく復職への意欲が高まっていくことが多いです。その“日常生活の回復期間”に、途切れることなくリハビリテーションを提供できるのがクリニックです。私が出向くことで、患者さんは退院後の不安を解消しやすくなりますし、ご要望があれば入院中に当院へ見学に来ていただくことも可能です。病院側も安心して患者さんを送り出すことができます。当院の目標は、上飯田地区で実現しつつある、急性期・回復期・生活期を支える医療機関が一体となるこの体制を、リハビリ医療のモデルケースとすること。そのために、できることは積極的にどんどん取り組んでいきたいですね。

多くのスタッフと協力し合い患者の人生に寄り添う

多くのスタッフの方が在籍されていますが、一丸となるために心がけていることはありますか?

5

毎日の朝礼で「Thank You & Good Job Card」をスタッフ同士で送り合うようにしています。日常の「ありがとう」や「助かった」という思いをカードに記して渡すもので、モチベーションアップにつなげられたら、という考えから取り組んでいます。患者さんからの感謝の言葉は大きな喜びになります。しかしそれと同じくらい、先輩や同僚から認められるということもまた、大きな喜び、やりがいにつながると感じています。また、ささやかではありますが月に1回“ケーキの会”というのを開いて、スタッフみんなで楽しんでいます。そうやって高め合い、労い合っていくことが大切ですね。

今後の展望についてお聞かせください。

生活期を支えるため、これからも常に新しい手技を柔軟に取り入れながら、オーダーメイドのリハビリテーションを提供していきたいです。そのためには今後も勉強が欠かせませんし、さらなる病診連携・診診連携が求められてくるでしょう。また今後は、より患者さんに合ったリハビリテーションを受けられるように、当院から患者さんを信頼のおける場所へ送り出すことも必要となってくると考えられます。ようやく地域包括医療の体制ができ始め、成熟が期待できる見込みが出てきました。しかしながら、まだ十分と言い切れるものではありません。その一助となれるよう、今後も患者さんと向き合っていきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

6

リハビリテーションで何か困っていたり悩んでいたりすることがあれば、ぜひ相談していただきたいです。お電話でお問い合わせいただければ混雑していない時間帯などもご案内できますので。これからも町の開かれたクリニックとして、今後も患者さんに寄り添っていきたいと考えています。

Access