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川崎 史寛 院長の独自取材記事

川崎医院

(西宮市/西宮駅)

最終更新日:2019/10/25

20190918 bana

阪神本線の西宮駅から徒歩約12分。越水の交差点を越え、国道171号線沿いに立つ3階建てのビルが「川崎医院」だ。患者を第一に考え、何かあればすぐに対応できるようにと、自宅近くに川崎史寛院長が開設。地域密着型の診療所として近隣住民の健康を支えている。標榜している消化器内科・外科だけにとどまらず、一般内科を含め、子どもから高齢者に至るまでさまざまな健康上の不安に寄り添い、相談・治療を行うのが、川崎院長の診療スタイル。また、在宅療養支援診療所として訪問診療を行うほかに、在宅医療を推進するための活動も積極的に行っている。今回は、在宅医療に力を入れる理由や、今後の展望などについて川崎院長に聞いてきた。
(取材日2019年8月9日)

身近な存在として、患者の不安を受け止める診療所に

開設までの経緯を教えてください。

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大学を卒業してから大阪市立大学の第一外科という外科教室に入り、そこで“全身を診る”というトレーニングスタイルに沿い、麻酔・救急・外科をやりながら、内科も含めていろいろなことを勉強しました。その後は、市中病院で専門である消化器外科の医師として勤務。ここを開設する前は、神戸市北区の病院で約7年間、外来とともに訪問診療を行っていました。私は消化器科が専門ですが、その病院は内科の医師が少なかったこともあり、一般内科の診療にも携わっていました。地域的に、山間の一軒家や離れた場所にある集落に暮らす人も多く、患者さんが高齢などで通院できなくなった場合に、患者さんの元へ訪問していたんです。その経験を経て、2002年に自宅にほど近いこの場所に診療所を開設。当時から訪問診療を念頭に、地元に根づいた形で診療をしたいと考えていたので、何かあればすぐに自宅から駆けつけることができる場所で開院をと決めていました。

患者層は幅広いのですか?

かなり幅広いですね。下は0歳から上は100歳の方がいらっしゃいます。小児外科で子どもを診ていた経験があるので、「子どもを診てほしい」「孫を診てほしい」といってご家族が子どもさんを連れて来られることもあります。消化器外科が専門なので、消化器内科と外科を標榜していますが、実際には一般的な内科の疾患で来られる方も多く、循環器や呼吸器系の疾患や、糖尿病の方など……幅広い診療を行っています。胃と大腸の内視鏡検査も行っているので、消化器系の不調で来院する人も多いのですが、体のどこかに気になることがある場合に、「どこの診療科に行ったらいいかわからないので、とりあえず来た」と言って来られる人も結構いらっしゃいます。

診療の上で心がけていることは何ですか?

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患者さんの話をしっかり聞いて、説明の際にはできるだけわかりやすくお話をするようにしています。いくらお薬を出したり、その方にとって良い治療の説明をしたりしても、患者さんに理解してもらえないなら意味がない。医療というのは、患者さんがまず自分の体や治療のことを理解することが大切なのです。自分の体のためになぜしないといけないか……ということを理解することが、良い結果につながるのではないでしょうか。そのためにも一人ひとりの患者さんに合わせて、丁寧な診療を行うようにしています。

住み慣れた環境でその人らしく生きる、在宅医療に注力

在宅医療に注力していると伺いました。何かきっかけがあったのですか?

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大きなきっかけは、神戸市北区の病院時代にとても私のことを慕ってくれた患者さんがいらして、その方がどうしても「最期は家に帰りたい。家で最期を迎えたい」と。それで、病院の訪問看護師さんと協力をして在宅医療に切り替え、ご自宅で最期のお見送りをさせていただいたんです。その時に、入院時は毎日沈んだ表情だったのが、ご自宅に帰るととても明るい表情になって、訪問診療時に窓から見慣れた景色を眺めながら、その方の自分の畑や山のお話をしたりして……。「こういう支え方もあるんだな」とすごく感じました。それがきっかけになったと思います。

住み慣れた環境で自分らしい人生を、と希望されている方は多いのですね。

そうですね。ご本人やご家族の希望や理解があれば、可能なのかどうかも含めて主治医や在宅医療に注力する医師に相談をすることが大切です。以前こんなことがありました。木曽福島の病院にいらした方が、いよいよ厳しい状態になって、ご家族から「本人も希望していたので、どうしても家に帰したい。どうしたらいいでしょう」と相談があったんです。それで6時間という移動中のリスクはありましたが、紹介状をいただいた時点で私が診療を引き継ぐことになりますので、すべて責任を持つ覚悟で「わかりました。帰ってきてください」とお伝えしたのです。その後無事にご帰宅し、数日間の在宅診療の後に静かに息を引き取られました。そのときにご家族から「先生の一言があったから帰ってこられた」ととても感謝していただいて……。患者さんが自分らしい人生を生きる上で、やはり相談できる先があるかどうかというのは大事なことだと思います。

現在、在宅医療ではどのような患者さんを診ていらっしゃるのですか?

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私が担当している在宅医療の患者さんは45名ほどです。月に1回訪問する方も含めて、月曜から土曜日の午後1時~3時30分くらいの間に、1日4~5名の患者さんのご自宅に訪問しています。患者さんはお子さんから高齢者まで。がんの方もいらっしゃいますし、呼吸器系の先天性疾患や脳障害のあるお子さんたち、あとはご高齢で動くことができず通院できない状態の方です。

開設当初に比べて「在宅医療」の環境というのは変わりましたか?

開業当初は診療所間の連携を裏づける医療制度というのがありませんでした。だから個人的なつながりのある医師からの協力を得て支えていただいていました。それが2012年に連携強化型という保険診療の制度ができたことで、各診療所が連携して支え合うシステムができ上がりました。そこからは、連携が取りやすくなりましたね。在宅医療は総合診療的な立場で診療を行っているのですが、自分の不得手な分野などは、医師間で情報交換をして専門家にアドバイスをもらって、患者さんに提供することもできますし。自分一人の判断ではなく、高いレベルで専門性を持った在宅医療が図れるようになったと思います。

連携を深めるため、勉強会なども積極的に企画

院外においても在宅医療に関するさまざまな活動をしていると伺いました。

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訪問診療をしていると、介護職など医療以外の職種の人たちとの交流というのが大切になってくるので、そういう勉強会やフォーラムを自分たちで企画したり、医療間での横のつながりを強めるための勉強会を企画したりしています。勉強会に関しては、ご協力させていただく形で講演の演者として伺うこともあります。患者さんが高齢になればなるほど、医療オンリーでは支えきれない。介護職の方々とつながりを持つことで、患者さんの普段の生活の様子などの情報も得ることができますし、そうすることが患者さんにとって、より暮らしやすい生活をつくっていけることにつながるんですね。

日々とてもお忙しいと思いますが、健康維持のためにしていることはありますか?

太らないように、食べ過ぎないよう食事には気をつけています。体型は大学に入学した時とほぼ同じ。身長が1cm伸びて、体重が2kg増えたくらいです。そのせいか、体調も安定して健康が維持できていると思います。あとは、ゴルフをするくらいでしょうか。医療者の仲間や、なじみの飲み屋さんの仲間などと行っています。西宮・宝塚・神戸には良いゴルフ場が多いですから。ゴルフ歴は30年くらいです。ゴルフをする時は早朝からなので、身体的にはつらいはずなんですけど、全然苦にならないですね。遠足前の子どもみたいなもので、目覚まし時計が鳴る前に起きています(笑)。

今後の展望についてお聞かせください。

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在宅医療において、今後も勉強会などを積極的に行っていきたいと思っています。いろいろな職種の方が同じ立場で連携できるようになれれば、と。決して医療職が偉いわけではなく、お互いにできることとできないことがありますので。その連携が今以上に充実してくると、地域でかなりの方が自宅で療養することができると思います。医療間の連携もまだまだ弱い部分があると感じています。そのためにも個々の意識を高める、勉強会などが必要です。住み慣れた地域で、安心して皆さんが人生を送れるように、これからもサポートしていきたいですね。

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