一生自分の歯で食事を楽しむために
包括的な歯周病治療
中山歯科医院
(姶良市/帖佐駅)
最終更新日:2026/05/16
- 保険診療
虫歯と並び、身近な病気として知られる歯周病だが、「歯磨きをしていれば大丈夫」と考えている人も少なくない。しかし、鹿児島県姶良市にある「中山歯科医院」で、歯周病の専門家として診療にあたる中山清貴理事長は、「歯周病は細菌だけでなく、噛み合わせなど複数の要因が重なって進行する病気」だと指摘する。「歯周病治療は養生であり、治すためには本気で取り組まなければならない」と語る中山理事長に、セルフケアの限界から全身疾患との関わり、そして家族間での感染リスクまで、専門的な知見に基づいた話を詳しく聞いた。
(取材日2026年3月23日)
目次
歯を失う原因の根本にアプローチし、噛み合わせまで考慮した歯周病治療
- Q歯周病は歯磨きだけで改善できますか?
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A
▲「自分の歯科医療を行う」という気概で研鑽を積んできた理事長
歯磨きだけで歯周病を改善するのは困難です。歯周病の主な原因はプラークですが、噛み合わせや食いしばりによる負担も大きな要因となります。プラークは粘着性のある細菌の塊で、磨き残した汚れを栄養にして増殖します。さらに、プラークが石灰化して硬くなると歯石になり、歯ブラシでは取り除くことができません。日々の歯磨きは重要ですが、自己流のケアでは全体の汚れの20%程度しか落とせていない場合もあります。特に歯と歯の間や歯茎の境目は、歯ブラシだけでは十分に清掃できません。フロスや歯間ブラシを併用し、正しい方法でケアを行うことが重要です。また、噛み合わせが原因となっている場合は、包括的な治療が必要になります。
- Q自覚症状がありません。歯周病の治療期間はどのくらいですか?
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A
▲状態によっては治すために数年単位の治療が必要なことも
歯周病は自覚症状が出にくいため、気づいた時には深刻化しているケースが少なくありません。治療内容は症状により異なりますが、当院ではプラークコントロールの指導から始まり、必要に応じて外科的な処置も行います。期間は、軽度であれば半年程度ですが、噛み合わせの崩壊を伴う重度の場合は1〜2年、あるいはそれ以上かかることもあります。歯周病治療のゴールは、単に腫れが引くことではなく、プラークの付着率を20%以下に維持し、噛み合わせのバランスを整えてしっかり噛める状態をつくること。家が傾いたままリフォームしても意味がないのと同様に、土台を整えた後のメンテナンスを継続して初めて、健康な状態の維持が望めるのです。
- Q最近、歯が長くなったように感じます。
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A
▲歯について本気で相談したいという人はぜひ相談してほしいと言う
歯が長く見えるのは、歯茎が下がっている状態です。歯周病が進行すると、「破骨細胞」と呼ばれる骨を壊す細胞の働きが活性化され、骨を作るより早いスピードで吸収される。つまり骨が溶けてしまいます。歯を支える骨が吸収されると、それに伴って歯茎も下がってしまうのです。一度下がった歯茎を完全に元の状態に戻すことは、一般的には難しいとされています。ただし、条件が整えば骨の再生療法によって、失われた骨の一部を回復させることがめざせる場合もあります。重要なのは、それ以上の進行を防ぐことです。適切なプラークコントロールとともに、噛み合わせのバランスを整えることで、歯茎の下がりを抑えることが期待できます。
- Q歯周病は全身の健康に関係があるというのは本当でしょうか?
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A
▲完全予約制ではなく、完全「約束」制
はい、最近の研究では、お口の健康が全身の状態に深く関わっていることがわかっています。歯茎から出血がある状態では、歯周病菌が血管内に入り込み、全身を巡る可能性があります。例えば、歯周病菌が出す毒素は、糖尿病に関係するインスリンの働きを妨げるとされており、血糖値のコントロールに影響を及ぼすことがあります。また、血管内に侵入した菌が血栓の形成に関与し、脳梗塞などのリスクを高める可能性も指摘されています。このように、歯周病は単なる口の病気ではなく、全身の健康と密接に関わる疾患です。近年では、入院時の口腔ケアの重要性も広く認識されています。
- Q歯周病菌は家族やパートナーにうつることはありますか?
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A
▲根本的なアプローチを行う包括的な歯科診療を提供している
歯周病菌は、主に唾液を介して母子感染することがわかっています。生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内はほぼ無菌状態ですが、食器の共有や口移しなどを通じて、親から菌が移ることがあります。特に永久歯へ生え替わる時期に強い菌に感染すると、若いうちに重症化する「若年性歯周炎」を招くリスクもあります。大人同士の場合はすでに口腔内に常在菌が存在していますし、免疫力もあるため過度に心配する必要はありません。ただし、家庭内で菌の総量が多ければ再発のリスクが高まるため、家族全体で口腔内の環境を整えることは重要です。特に妊娠中の方や小さなお子さんがいる家庭では、歯周病の治療や予防に早めに取り組むことをお勧めします。

