高橋 香奈恵 院長の独自取材記事
目白若林歯科
(豊島区/目白駅)
最終更新日:2026/08/12
「治療で必要な痛みはあっても、防げる不快感はできる限り与えたくありません」と話すのは、目白駅近くのビル2階・3階で診療する「目白若林歯科」の高橋香奈恵院長。自費診療を中心に一人ひとりに時間をかけた診療を行っている。先代の時代から大切にしてきた歯周病治療や予防・メンテナンスを軸に、近年はホワイトニングの体制を整え、口腔内スキャナーや3Dプリンターも導入。歯科技工士との連携にもデジタルデータを活用し、マウスピースや補綴物の製作にも生かしている。長年通う患者との信頼関係を守りながら、口元の印象や日々のケアに関心を持つ幅広い世代が相談しやすい歯科医院をめざす高橋院長に、現在の診療方針や新たな取り組みについて聞いた。
(取材日2026年6月26日)
歯周病治療と予防を土台に、時間をかけて診る
こちらの歯科医院の成り立ちと特徴を教えてください。

当院は、父が練馬で開院した歯科医院を前身としています。その後、父が歯周病治療を専門的に行う中で、他院から紹介される患者さんや遠方から来られる方も増え、交通の便を考えて目白にも診療の場を広げました。現在は私が継承し、自費診療を中心に時間をかけた診療を行っています。診療内容としては、父の代から続けてきた歯周病治療や予防・メンテナンスを大切にしながら、一人ひとりのお口を丁寧に見ていくことを基本にしています。長く通ってくださる患者さんも多く、ご家族で来院される方もいらっしゃいます。そうした信頼関係を大切にしつつ、最近はホワイトニングやデジタル機器も取り入れ、より幅広い相談に応えられる体制を整えているところです。
診療で大切にしていることは何ですか?
患者さんの口腔内の健康を第一に考え、その方に合った治療を行うことを大切にしています。例えば、かぶせ物や義歯が口の中に合っていなければ、汚れがたまりやすくなり、どれだけ歯磨きを頑張っても歯垢が残ってしまいます。それが新たな虫歯や歯周病につながることもあるのです。歯科治療は、悪くなったところを修復して終わりではありません。入れたものが清掃しやすく、長く安定して使える口腔環境を整えることが重要です。そのため、歯や歯茎、噛み合わせ、普段のブラッシングのしやすさまで含めて確認します。さらに、歯科医師の考えを一方的に押しつけるのではなく、患者さんが何を望み、どこまで治療を受け入れられるのかをくみ取り、その方の考え方や生活に合わせた診療を心がけています。
自費診療を中心としている理由を教えてください。

保険診療は日本の医療を支える大切な制度ですが、材料や治療方法、検査内容には一定の制限があります。患者さんのお口の状態や希望に合わせ、時間をかけて細かく診ようとすると、その枠だけでは難しい場面もあります。当院では歯周病治療や予防・メンテナンス、補綴治療にじっくり取り組むため、自費診療を中心にしてきました。定期検診でも歯石を取って終わりではなく、口腔内の状態やブラッシングの癖、食生活、飲み物の習慣まで確認します。十分な時間を取ることで、患者さん自身が口の中を理解し、日々のケアにつなげられるようにしたいのです。根本にあるのは、歯をできる限り長く健康に保つこと。そのために必要な時間と手間を惜しまない診療を続けていきたいですね。
ホワイトニングやデジタル機器で選択肢を広げる
ホワイトニングの体制を整えられたそうですね。

セラミックなどの修復治療を行う際、「自分の歯の色も少し明るくしたい」「口元の印象を整えたい」と希望される方は少なくありません。そうした声を受け、現在はホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの両方に対応しています。まずご自宅で、患者さんのお口に合わせて作製したマウスピースに薬剤を入れて装着し、時間をかけて白さの変化を見ていきます。その後、必要に応じて院内で光を照射するオフィスホワイトニングを組み合わせます。装着時間や頻度は生活リズムに合わせて説明し、知覚過敏が心配な方には濃度の低い薬剤から始めるなど調整します。ホワイトニングを、口元や口腔内全体に関心を持つきっかけにしていただけたらうれしいですね。
口腔内スキャナーを導入して、診療はどう変わりましたか?
大きく変わったのは型採りです。従来はアルジネートやシリコンの印象材などを口の中に入れ、固まったものに石こうを流して模型を作っていましたが、歯並びや歯の形によっては細部まで材料が入りにくく、わずかな誤差が生じることもありました。口腔内スキャナーでは、口の中をスキャンしてデータ化できるため、患者さんにとって型採りの不快感が少なく、より精密なデータを得やすくなります。ホワイトニング用のマウスピースも、このデータをもとに3Dプリンターで模型を作り、プレートを成形して作製しています。上下の噛み合わせまで確認でき、口腔内の状態をレポートとしてお渡しできるので、説明の仕方や診療の流れも少しずつ変わってきました。
口腔内スキャナーは補綴物やマウスピースの作製にも活用されているのですね。

スキャナーで得たデータは、マウスピースだけでなく、ジルコニアやポーセレンなどの補綴物を作る際にも活用できます。模型や印象を宅配便でやりとりすることなく、データを歯科技工士に送り、それをもとに作製を進められるため、連携もよりスムーズになりました。一方で、当院が以前から力を入れてきた部分床義歯や補綴物は、細かな調整があってこそ本当に合うものになります。デジタル機器を導入したからといって、すべてを機械任せにするわけではありません。前歯のようにかぶせ物と歯肉の境目や際の部分の審美性が重要な部位では、歯肉に細かい糸を巻きつけ挿入し、歯肉圧排を行って型を採る方法が適している場面もあります。症例に応じてスキャナーと手作業を使い分け、新しい機器の良さと、これまで培ってきた精度を組み合わせることを大切にしています。
生活背景まで見つめ、不安に寄り添う診療を
予防やメンテナンスでは、どのような点を重視していますか?

歯周病や虫歯を防ぐには、歯科医院での処置だけでなく、患者さんご自身の日々のケアが欠かせません。当院では3ヵ月ごとの定期検診で、歯石取りだけでなく、歯垢が残りやすい場所やブラッシングの癖、歯茎の腫れや出血まで時間をかけて確認しています。歯周病の主な原因となる歯垢を落とすのは毎日のブラッシングなので、先代の時代から指導を大切にしてきました。さらに、甘い飲み物やスポーツドリンク、砂糖を多く使う食習慣なども、知らないうちに歯へ負担をかけることがあります。大事なのは、患者さんがそのリスクを知り、うがいや飲み方の工夫など日常の行動につなげること。ご家族や生活の変化も含め、その方に合った予防を一緒に考えています。
歯ぎしりや食いしばりへの対応について教えてください。
歯ぎしりや食いしばりは、ご自身では気づきにくい一方で、歯や補綴物、顎関節に大きな負担をかけます。就寝中に無意識の強い力が加わることで歯がすり減ったり、かぶせ物が壊れたり、顎関節に影響が出たりすることもあります。当院では必要に応じてマウスピースを提案し歯や補綴物の代わりにマウスピースが削れることで、負担の軽減を図っています。以前からオーダーメイドで作製していましたが、口腔内スキャナーや3Dプリンターの活用により、よりぴったり合うものを作りやすくなりました。近年は歯ぎしりや食いしばりへの新しいアプローチも出てきているので、安全性や適応を見極めながら、患者さんに役立つ選択肢を増やしていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯科医院に行くのが怖い、痛いことをされるのではないかと不安に思っている方は多いと思います。治療では避けられない痛みや違和感が出る場面もありますが、口角を強く引っ張って切れてしまう、治療後に歯ではない場所が痛むといった、防げるはずの不快感はできる限り与えたくありません。自分が患者だったらどう感じるかを常に考え、ソフトで丁寧な診療を心がけています。悪くなってから来院された方を責めるのではなく、まずは「来てくださってありがとうございます」と迎えたいと思っています。歯科医院に来るまでに不安や迷いがあったかもしれないからこそ、そこから一緒に考えていく姿勢を大切にしています。ホワイトニングやクリーニングをきっかけにするのも良いと思います。まずはご自身の口の中に関心を持つことから始めていただけたらうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周病治療/1万5000円~、部分床義歯/15万円~、オフィスホワイトニング/3万円~、ホームホワイトニング/3万円~、歯ぎしり対策用マウスピース/8万円~、ジルコニアを用いた補綴治療/10万円~、ポーセレンを用いた補綴治療/10万円~、ノンクラスプデンチャー/15万円~

