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宮島 邦彰 先生の独自取材記事

みやじま歯科医院

(名古屋市熱田区/熱田駅)

最終更新日:2023/07/05

宮島邦彰先生 みやじま歯科医院 main

熱田駅から歩いて3分の場所にある「みやじま歯科医院」は、1979年の開業以来、健全な歯質を生かした治療を提唱している。一般歯科を担当するのは院長の宮島洋子院長。できるだけ削らない治療で最大限の効果を得ることをモットーにしつつ、顎関節症やエイジングケアにも力を注いでいる。そして、このクリニックで矯正治療を担当するのは宮島邦彰先生。米国セントルイス大学で先端の技術を学び、同大やハーバード大学で客員教授を務めている歯科医師だ。現在は、日本各地をセミナーで飛び回る多忙な日々。「5年先をゆくアメリカの矯正を日本の現状を考慮しながら伝えていくのが使命だと思っています」と話す宮島邦彰先生に、アメリカでの矯正治療についてなど話を聞いた。

(取材日2016年12月12日/情報更新日2023年6月30日)

矯正の本場、アメリカへの留学

数多くの素晴らしいご経歴がありますが、これまでの歩みを簡単に教えていただけますか?

宮島邦彰先生 みやじま歯科医院1

大学を卒業後の大学教員生活の中で一通りのことができるようになった5年目の頃、もっと新しい技術を学びたいという気持ちが募り、アメリカのセントルイス大学へ留学しました。セントルイス大学というのは、優秀な臨床医を育てるというコンセプトを持った大学で、世界の矯正をリードすることをめざす大学です。そこで最先端の矯正治療を学んだ後、妻が院長を務めるこの歯科医院での診療の傍ら愛知学院大学歯学部で助教授として教鞭を執っていました。アメリカでは、セントルイス大学と将来の教育者を養成するハーバード大学が2つの柱となっています。新しい情報を吸収するため、再びアメリカへ渡り、セントルイス大学の教授を経てハーバード大学の客員教授を務めています。今はその経験と情報を日本に持ち帰り、セミナーを通じて日本全国の歯科医師に米国発の矯正治療を広めています。

そもそもアメリカへ行こうと思われたのはなぜですか?

最初の動機は、憧れです。私が大学を卒業した頃は、日本発の技術はほぼなく、ワイヤーを使った矯正は基本的にすべてアメリカからでした。アメリカから来た講師によるワイヤー矯正のセミナーがあり、卒業したての歯科医師が参加して「わぁすごいな」という感じでした。江戸時代の出船のようなものですよ。アメリカの技術は講師を介して学ぶことしかできませんでした。でも、アメリカに行けばもっといろんなことがあるんじゃないかとはみんな思っていましたね。私は「本場を見てみたい」という気持ちが強まり、アメリカへ渡りました。

憧れの矯正治療の本場で勉強されたのですね。やはり日本との差はありましたか?

宮島邦彰先生 みやじま歯科医院2

アメリカの大学院教育では日本にないカリキュラムが数多くあり、深く広く勉強ができました。そういった深い知識と新しい技術を吸収できることがうれしかったですね。日本の大学院は研究のための場で、教授や先輩の姿を見て自分で学ぶ形です。しかしアメリカでは臨床がメインとなっていて、インストラクターがついてまずは患者の現状と治療方針について話し合いをし、最後にもインストラクターがチェックし、治療が終了します。このような臨床教育を受けることによってたった1年くらいで一人前になれます。日本のように論文を書くだけでなく進級試験もたくさんあり、治療の技術はもちろん、知識も多く吸収できます。学生のモチベーションも高いと感じました。アメリカでは自分で借金して大学院へ通う人が多く、早く借金を返すためには一人ひとりが向上せざるを得ないんですよ。そのような環境は、歯科医師としての自分の向上心も刺激してくれました。

アメリカで望まれる矯正が日本でも主流になると考える

今もアメリカを行き来している先生から見て、現在のアメリカではどんな矯正が主流なのでしょうか?

宮島邦彰先生 みやじま歯科医院3

歯並びだけでなく、顔全体を美しくするというのが、今のアメリカの風潮です。昔は、患者さんが歯科医師に望むのは歯並びだけでしたが、今は、歯の周りも含めた調和の取れた笑顔になることが望まれているんですね。日本の矯正治療はレントゲンから顔の長さと角度を診断して噛み合わせを標準化するというのが一般的な方法ですが、それだけでは顔全体を美しく整えるという要望には応えられません。患者さんのスタンダードも上がっており、歯科医師主導の治療から患者さんの細かい要望に沿うような治療に変わってきています。機能的に噛めるのは当たり前で、笑ったり話したときのダイナミックな笑顔を望むアメリカの流れが数年後日本の流れになるであろうことを考えると、日本の歯科医師も早く追いついていく必要がありますね。

今後は顔全体に着目するのが主流になるとお考えなのですね。具体的にこれまでとどう違うのですか?

どこを基準にするかということが、変わってきています。専門的な審美的評価では、顔全体がマクロエステティック、歯列全体をミニエステティック、歯の1本1本をマイクロエステティックと言いますが、それぞれの観点からアプローチし、総合的に矯正していきます。例えばマイクロエステティックでは、前歯の縦横の長さから決まるゴールデンプロポーションや、歯肉の形態、歯頸部ラインを整えることを重視します。今ある歯を並べるだけでなく、補綴や歯周病なども考慮しながらそれぞれの歯を理想的な形にした上で、歯を並べることをめざすのです。総合的な歯科の一つとしての矯正という位置づけで、今後は審美歯科と矯正歯科が融合していくでしょう。

先生が開発に携わった矯正も行っているそうですね。

宮島邦彰先生 みやじま歯科医院4

この方法は、1980年頃に発案しました。マウスピースのような形のプラスチック製装置を使用します。金属のワイヤーをまったく使用せず、歯型から作製した装置をつけ替えていくだけなので、歯科医院の滞在時間も短くなりますし、費用も歯列の裏側の矯正に比べたら抑えられています。 通院は、2ヵ月に1回くらいですね。見た目には歯の矯正をしていることがほとんどわからないので、軽い不正咬合で見た目を重視される方には適しています。自分で取り外しができて衛生的ですし、唇や舌と歯の間に違和感が少ないので発音もしやすいと思います。

今後は学んだことを地域へ還元していきたい

クリニックで先生が受け持っている矯正の患者さんは、どんな方が多いのですか?

宮島邦彰先生 みやじま歯科医院5

もちろん愛知県内の方が多いですが、一番遠い方で大分から飛行機でみえる方もいます。東京、大阪、福岡、札幌などの都市でセミナーを開催しているので、参加する全国各地の歯科医師からの紹介で患者さんが来られるんですよ。複雑な症例で、手に負えないので診てほしいと依頼されます。年齢層は幼児から60代まで幅広い患者さんがいらしています。昔から矯正治療は10代からと言われていましたが、今は高齢化しています。「うまく噛めるようになりたい」という機能的な理由から矯正治療をされる方が多いですね。歯や歯茎、顎の骨などの状態が極端に悪くない限り、いくつになっても矯正は始められます。

全国各地でのセミナーで休日も少ないと思いますが、どこでリフレッシュされているのですか?

私はスポーツが好きなのですが、今は運動する時間が取れないので、気分転換となるのはセミナーに行った際に、その土地のおいしいものを食べることぐらいですね。大学時代は日本拳法をしていました。アメリカのセントルイスは危ない地域だと聞いていたので、5段という段位が護身術になればいいかなと思っていましたが、幸い日本拳法を使うようなことはありませんでした(笑)。ヨットやサーフィン、水上スキーなども好きで、水上スキーでは西日本チャンピオンとなり、ハワイ大会にも出場したんですよ。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

宮島邦彰先生 みやじま歯科医院6

私が日々、力を注いでいるのは、アメリカの技術を日本に伝えること。私一人が診られる患者さんの数は1日に50人くらいかもしれませんが、セミナーに参加する数百人の医師たちに伝えることによって、枝葉のように広がります。1万人の患者さんを管理している立場とも言えますね。その歯科医師たちに新しい情報を与えてグローバルスタンダードに引き上げれば、その先にいる1万人の患者さんが先進の治療を選択することができ、より多くの患者さんを笑顔にできると考えています。今後はこのクリニックで矯正治療に力を入れていきますので、何か相談事があればぜひ一度来ていただければと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

マウスピース型装置を用いた矯正 1本/13万2000円~
部分矯正/26万4000円~55万円
全体矯正/66万円~132万円
ホワイトニング/初回3万3000円
※すべて税込み

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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