森 政雄 院長の独自取材記事
森産婦人科
(東大阪市/布施駅)
最終更新日:2026/07/02
近鉄布施駅前に広がる繁華街。その路地を入った一角に「森産婦人科」はある。現院長の森政雄医師の父の代からここで診療を続ける同院は、地域の住民とともに成長してきた。デリケートな相談の多い婦人科だからこそ、あえて目につきにくい場所に院を構え、清潔感のある明るい雰囲気は緊張した患者にホッと落ち着きを与えてくれる。婦人科と内科、両方の経験から女性のすべてをサポートしたい、という森院長。その診療にかける思いを聞いた。
(取材日2018年4月12日)
内科と婦人科、両方の経験で女性のすべてを診る
こちらのクリニックはご両親の代から診療を続けていると伺いました。

父が産婦人科の医師、母は内科の医師で、最初は二人でこの産婦人科を開業しました。ちょうど僕が生まれる1年前、ベビーラッシュの頃ですね。その後、隣に内科・外科クリニックを分けて開院することとなり、母が診療を行うようになりました。そちらは今は弟が継いで院長をしています。私も途中、内科医だった頃に勤務医として働いていたんですよ。実は、婦人科をいったん休んで内科医をしていた時期があったんです。
婦人科と内科の両方のキャリアを積まれたのですね。
2人が一緒に働いている姿を小さい頃から見ていたので、婦人科も内科もどちらも診られるような医師になりたい、と自然に考えていましたね。川崎医科大学を卒業して大阪に帰ってきて、最初は大阪大学医学部の医局に入り、そこから13年ほど産婦人科の医師として経験を積みました。その後、ここで14年ほど内科医師として診療を行っていました。その間も完全に婦人科医師をやめていたわけではなく、市内の総合病院で非常勤で婦人科の診療は続けていました。十何年もキャリアが空いてしまうと忘れてしまいますから(笑)。総合病院では新しい知識も得られますし、そこで週1日勉強をさせていただきながら、という感じでした。
両方を経験されたことは、今の診療に影響を与えていますか?
そうですね。阪大の産科にいた頃は、合併症の妊婦さん、内科をはじめさまざまな病気を持つ妊婦さんの体調管理からお産、フォローアップまでを行う必要がありました。内科の医師と一緒に治療を行っているうちに、自分だけでも診られるようにならないといけない、とは感じていました。そして、市民病院に行くと産科だけではなく更年期や不妊症、内科の病気がもとで婦人科の病気になっている方もいる。そういう方を診るうちに、内科の知識も必要だということを思い出しました。婦人科の病気の治療だけを行っていても、完全には治らないことがあります。そういう方は、内科の病気の治療も一緒に行ったほうが、トータルで見て患者さんのためにはいいのではないかと考えたんです。女性のすべてを診てあげたいと思っていましたから。
どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

この辺りは繁華街、飲み屋街が近くにあるので、そこで働いている若い女性の方が多くいらっしゃいます。また、市内にお勤めの独身女性の方や近鉄沿線にある大学の女子学生も多く、仕事帰りや通学帰りにいらっしゃることもありますね。若い女性の悩みの中には、一般的な市内の病院ではあまり診る機会のないお悩み、例えば感染症の方がいらっしゃいますから、感染症について知識を深め、対応を行っています。あとは、生理痛や生理不順、月経前緊張症なども若い女性に多いお悩みですね。そのほかには、以前、父の時代にお産を扱っていた時期があったので、その頃にここでお子さんを産んだ方がお孫さんを連れていらっしゃることも。お母さんがここで産まれたんですという方もいて、びっくりしますよ。
間違った知識を得る前に正しい知識を
どのような分野に力を入れていらっしゃるのでしょうか?

性感染症・妊娠については、3年ほど前から中学・高校の性教育の講義に行かせていただいています。なかなか学校でのきちんとした性教育の整備が進んでいない現状、今の子どもたちはインターネットや友人同士の会話で知識を得ることが多く、その中には間違った知識が蔓延しているように見受けられます。本当は間違いを起こす前に正しい知識を得てほしいのですが、学校やご両親がきちんと教えてあげられる環境が整っておらず、間違いを起こしてからでないと病院には来ないので、医師としてもどかしさを感じています。それから、生理関係ではピルの処方と正しい使い方をお伝えしています。若い方はピルを飲めば生理が楽になることがあるとご存知の方も多く、どんどん普及しています。ただ、インターネットで販売されているものを間違った使用法で服用している方もいて、出血してから初めて来院される方もいらっしゃいます。
漢方も取り入れていらっしゃるそうですね。
更年期に入る50歳前後の方には、女性ホルモンだけでなく漢方やプラセンタを処方することも。更年期の症状はたくさんあるので、それに対して一つ一つ西洋薬を処方すると、大変な量になってしまいます。漢方であれば、一包でさまざまなものに対処できるよう混合されていますので、まずは漢方を処方し、それでも症状の改善が見られないようなものに関しては西洋薬を処方する、という形で使用しています。皆さん、それほど薬を飲みたいわけではありませんし、この方法だと使う薬の全体量を結果的に減らすことができるからです。
婦人科はデリケートな部分が多いと思いますが、診療の際にはどのようなことを心がけていらっしゃいますか?

婦人科というのは敷居が高いと思うんです。よほどの覚悟をして来てくださっていると思うので、やはり最初が大切。まずは話をしっかり聞くことが一番の根本。せっかく来てくれたのに、次が怖くて来られない、という話も聞きます。1回目は皆さん本当に緊張しているので、なるべく緊張させないようにしています。最初は何を悩んでいるのか、ご自分でもきちんと伝えられない方も多いんですよ。書いてもらった問診票を見て、何を見てほしいのか聞くと全然違うことを言う方もいます。更年期だと、情緒不安定になっている方もいるので、泣いてしまう方もいらっしゃいます。そういう方の場合は、ゆっくり時間をかけてお話を聞いていますね。最近は当院にも月1、2回ほど女医による診察日を設けていて、とても好評なんですよ。
患者の身近で総合的な医療を提供していきたい
隣の内科クリニックとの連携もされているのですか?

はい。こちらの患者さんを内科で診てもらうこともありますし、あちらの患者さんをここで診ることもあります。先ほども言いましたが、女性のすべてを診たいという意味で、総合的な治療をめざしています。合併症の妊婦さんにしても、糖尿病や甲状腺の病気、腎臓の病気、高血圧症など、さまざまな病気がありますが、妊娠中に発症する方は産後に症状が落ち着いても、いずれまた発症する可能性が高いんですよ。ですから、産後も定期的に検査をして指導していくことが大切なんです。そういうときに、隣のクリニックを利用していただきたいです。また、妻が小児科を担当していますので、お子さんはそちらで診られるシステムにもなっています。総合的医療という点で、かかりつけ医として近くで診てあげられることがベストかな、と考えています。
今後はどのような診療をしたいとお考えですか?
今のままのスタンスで続けて行きたいと思いつつ、あとは年齢との相談ですね。この辺りは産婦人科がどんどん閉院してしまったので、ここがなくなったら患者さんたちが困ってしまいます。せっかく昔からここに住んで、地域の方々にもお世話になっていますしね。また、患者さんから教えていただくことも多いんですよ。患者さんを診るというのは、患者さんと話すということで、そこからいろいろな話を聞くこともできます。私だけでも患者さんだけでもなく、一緒に治療をしていくものですからね。まだまだ私も勉強をしなくてはいけないと思っていますし、内科を勉強したのもそうですが、その都度必要なものを求めていくのは自然なことだと思います。そうすることが、自分にとっても患者さんにとっても幸せなんでしょうね。
最後にメッセージをお願いします。

まずはどんな悩みでも受診をしていただきたいです。婦人科の医師というのは、若い女性の悩みについてはだいたいお話しできるものです。よほど深刻なものでなければ、心の相談に乗ることもできます。自分の不安が何かよくわからないけれど、とにかく受診してみる、というのが一番です。一人で悩んで間違った知識を得る前に来ていただければ正しいことをお伝えできると思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは・妊婦検診
初診5000円程度、それ以降も5000円~
(母子手帳の提示で保険適応なども有り)
・低用量ピル/1シート2700円~
・アフターピル/4000円~
※上記価格については、あくまでも目安ですので詳細はクリニックへお問い合わせください。

