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坪井 雄吾 院長の独自取材記事

坪井眼科

(安城市/三河安城駅)

最終更新日:2021/10/12

坪井雄吾院長 坪井眼科 main

三河安城駅から歩いて3分、近隣にはスーパーやコンビニもあり利便な環境に「坪井眼科」はある。坪井雄吾院長が2005年12月にこの地に開業して以来、地域密着型のクリニックとして今年で15年目になる。安城市内はもちろん、土日祝の診療では西尾市や岡崎市など遠方から来院する患者も多いという。また幅広い年齢層が来院する同院での診療は、「わかりやすく説明することと、できるだけ患者さんの来院回数が少なくなるような診療スタイルを心がけている」という坪井院長。そんな坪井院長の診療に対する思いを語ってもらった。

(取材日2020年7月29日)

救急の外来経験を持ち、小児眼科にも力を入れる

大学時代のお話をお聞かせください。

坪井雄吾院長 坪井眼科1

出身は香川県ですが、父の転勤を機に島根県に引っ越し、大学は島根医科大学(現・島根大学)の医学部に進学しました。医師をめざして勉学に励むと同時にプライベートでは極真空手を4年とアマチュアボクシングを4年続け、ボクシングは周囲の協力もあり愛知県に移った後も医師として働きながらプロボクサーとしても7年活動することとなりました。在学中は、空手道場の後輩の実家が浜山保育園を運営していて、大学の長期休暇の度にアルバイトで働かせてもらっていました。その時に小さなお子さんとの接し方を学ぶことができ、現在のクリニックで「小児眼科も力を入れたい」と思うきっかけにもなりました。

研修医時代のお話も教えていただけますか?

私が研修医の時代はまだ単科研修が主流でしたが、まだ専門の科を決め切れていなかった私は「いろいろな科を見てみたい」と思い、当時ローテーション研修を行っていた豊川市民病院へ研修医として入りました。研修では整形外科・救急科・精神科・内科・外科・小児科・皮膚科など希望どおりさまざまな科で経験を積み、それは開業した今でも役に立っています。特に救急科での経験を通して緊急時に対応することの大切さを感じ、私のクリニックでは土日祝日の診療を行っています。また、当時の上司で患者さんとのコミュニケーションが上手な方がいました。その先生は音楽をかけながら診療を行ったり、優しい話し方や、診察室内の雰囲気づくりが上手で、そのような現場を経験できたことも、自分自身の診療スタイルを築くにあたり良い影響になったと思います。

最終的に眼科を専門に選んだ理由を教えてください。

坪井雄吾院長 坪井眼科2

研修医時代に救急科を担当している時は、病院内にある図書館で救急科の本をコピーして自分だけの専門書を作ったりしていました。外傷や急性疾患など突発的な異変が生じた患者さんの痛みを取ったり、命を救ったりと言うことに意義も感じていました。しかし2年間のローテーション研修が終わる頃には、人間の体の中で非常に絞られた臓器であり、奥が深い眼科という分野に興味を持ち、専門を眼科に選びました。実際に眼科という1つの科の中には、前眼部(角膜・結膜・眼瞼)疾患、緑内障、白内障、屈折異常(近視・遠視・乱視)、コンタクトレンズ、斜視・弱視・遺伝性疾患などを含む小児眼科、眼形成、眼外傷、網膜硝子体疾患(眼底疾患)などさまざまな分野があります。何かそういう探求し突き詰めていくような性質の科が自分の性格にマッチしていたのかもしれません。

土日祝日に起きる緊急の目の不調に対応するために

来院する患者の年齢層や主訴を教えてください。

坪井雄吾院長 坪井眼科3

主訴としては、目やに、目が痛い・乾く・充血する・かゆい、腫れた、できものができた、見えにくい、飛蚊症、眼鏡・コンタクトを作りたい、打撲した、健診でひっかかったなど一次医療を担う町のクリニックとして幅広い症状の方が来院されます。特徴的なのは当クリニックでは平日と土日祝日の診療では患者さんの層が異なることだと思います。平日は近隣の安城や刈谷・知立辺りの方が多く、かかりつけ医として利用していただいている方が多いように思います。年齢も0歳から90歳代まで幅広く来院されています。土日祝日では平日に来院できない方や、碧南や蒲郡・西尾・岡崎・高浜など遠方から来院される新患の方が増えます。土日祝日には子どもの習い事・イベントなどが多いこともあり、予期せぬアクシデントでけがをしてしまい遠方から受診されるのではないかと思います。

診療時に心がけていることを教えてください。

問診を通して細かい部分まで患者さんの話を聞くことです。そのためにも患者さんが緊張しないように話しやすい雰囲気づくりを心がけたり、説明をする時にも専門用語を使わずにわかりやすい言葉で説明をするように心がけています。また通院は患者さんにとって時間的にも精神的にも負荷がかかりがちなので、できるだけ通院回数を減らす工夫をしています。例えば、結膜炎の患者さんには「1週間後に症状がなければ再度来院の必要はありませんよ。ただし、まだ症状があるようであれば再診ください」といったように、ある程度患者さんのほうで受診の目安がわかるように説明しています。私がめざすのは「1回完結」のような診療スタイルです。もちろん、緑内障などのように長く付き合っていく必要がある慢性疾患は別ですが。

40歳以降にリスクが高まるという緑内障について詳しく教えてください。

坪井雄吾院長 坪井眼科4

40歳を過ぎると20人に1人が緑内障といわれており、身近な病気です。眼圧により視神経が障害され、最悪の場合は失明してしまう病気で、ほとんどは自覚症状がないまま進行してしまうこと、「正常眼圧緑内障」という眼圧は正常でも神経細胞が水圧に弱いために緑内障になる日本人が多いということです。正常眼圧緑内障の人は眼底カメラで検査を行わないと病気を発見できません。一度罹患すると一生付き合うこととなるこの病気は、目薬を使って眼圧を下げ病気の進行を抑制し続けることが重要です。眼圧を下げる手術もありますが、術後半年以上たってから感染症になったりする合併症リスクも高いのでできるだけ目薬を使った治療を継続することが望ましいです。

時代や患者の気持ちに寄り添いながら迎える15年目

眼鏡やコンタクトの使用は症状を進行させることがありますか?

坪井雄吾院長 坪井眼科5

近視のお子さんの場合、症状が進行してしまうと思い、見えづらいにも関わらず裸眼で頑張らせてしまう親御さんもいます。目に合った眼鏡やコンタクトを使用していれば裸眼で過ごすのと比べて進行しやすいということはありません。適切な眼鏡やコンタクトを使って目の機能を補助することで、お子さんの「見えない・見えにくい」というストレスを軽減することが期待できます。またコンタクトを使用の際には眼科での定期的な検査が必要です。コンタクトは扱いが悪いと角膜が剥がれてしまったり、乾燥して傷ができてしまったり、感染したり、アレルギーが出たり、角膜の細胞が減ってしまったりとトラブルもさまざまです。使い始めた1年目は3ヵ月に1回のペースで定期的に受診し、その後は定期検査の期間を延ばす場合が多いです。

コロナ禍の中で、子どもたちの目のために気をつけたいことは何でしょうか?

現在、自粛生活の中で新しい生活様式が求められ、子どもたちの動画を見る時間やゲームの時間が増えてきていると思います。理想は40分見たら20分休むという1時間1セットルールを子どもたち自身で管理させることです。動画を見たり、ゲームをしていてきりが悪い時に親から「止めて」と言われてもなかなか止められないのが子どもの心境でしょう。小学生以上であれば自分で時計を見ながら動画を見たりゲームをしてもらいます。時計が読めないお子さんにはタイマーなどを使って時間の感覚を覚えさせるのも良いでしょう。大人が時間を管理するのではなく、子ども本人に時間を管理させることが大切です。また1日何セットまでにするかは平日と休日によって変えたりしてご家族で相談の上ルール作りをしてください。

今後の目標と読者へのメッセージをお願いします。

坪井雄吾院長 坪井眼科6

これからもかかりつけ医として地域の皆さんが困った時に「目の調子が悪いから坪井先生の所に行ってくるね」と気軽に来院できるような存在でありたいと思っています。私の診察スタイルとして一人ひとりの患者さんの診察を丁寧にこまやかに診ていきたいというのがあり、どうしても1人の患者さんにかける時間が長くなってしまいます。その代わりに急性疾患の場合は「1回完結型」の診療をめざし、極力患者さんの受診回数を増やさないよう心がけています。医学は日々進歩しており薬の進歩による恩恵も多くあります。そのような最新の医学情報を患者の皆さんに還元できるようにこれからも日々、研鑽していきたいと思います。

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